数字で見る日本のHIV(2025年):新規報告890件、約3割はエイズを発症してから見つかった。HIV感染者として見つかった人も、約3人に1人は診断時に免疫がかなり下がっていた(CD4<200)。保健所などの検査はコロナ前より約3万5千件少ない
厚生労働省エイズ動向委員会の「令和7(2025)年エイズ発生動向 分析結果」によると、2025年の新規報告はHIV感染者624件、エイズ患者266件の計890件で、29.9%はエイズを発症してから見つかりました。エイズを発症する前に見つかったHIV感染者でも、診断時のCD4値の記載があった人の31.5%がCD4値200/μL未満でした。保健所などのHIV検査は106,756件で、新型コロナの流行前(2019年、142,260件)より少ない状態が続いています。早く見つけるために、検査を。

メル美日本でHIVに感染する人は、減ってきてるのかな。

プレ男報告が減っても、検査を受ける人が減っていたら、見つかっていないだけかもしれないよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、数字で見る日本のHIV(2025年)の話です。厚生労働省エイズ動向委員会の「令和7(2025)年エイズ発生動向 ―分析結果―」をもとにまとめました。HIVそのものについては、HIVの記事を見てください。
言葉の意味
- HIV感染者:HIVに感染していると診断され、エイズを発症していない人
- エイズ(AIDS)患者:診断されたときに、すでにエイズ指標疾患を発症していた人
- HIVは、診断したすべての医師が届け出る全数報告です
2025年の新規報告
分析結果によると、
- 新規報告は、HIV感染者624件、エイズ患者266件、合わせて890件でした(2024年は662件と332件)
- 合わせた報告のうち、エイズ患者の割合は29.9%(前年33.4%)。約3割は、エイズを発症してからHIVに感染していたとわかりました
- 94.8%が男性でした
- 感染経路は、同性間の性的接触が61.0%、異性間の性的接触が16.1%、母子感染が1件、その他7.6%、不明15.2%でした
- HIV感染者は20歳代と30歳代、エイズ患者は30歳代から50歳代が多くなっています

メル美約3割が、エイズを発症してから見つかっているんだ……。もっと早く検査を受けていれば、と思うと苦しいね。
見つかったときには、免疫が下がっていることが多い
2019年から、届出に診断時のCD4値(免疫の細胞の数)が加わりました。分析結果によると、CD4値の記載があった人のうち、
- HIV感染者(エイズを発症していない人)でも、CD4値350未満が60.9%、200未満が31.5%でした
- エイズ患者では、CD4値50未満が63.2%でした
CD4値が低いほど、免疫が弱っていることを示します。エイズを発症して見つかるときに多い病気は、エイズを発症してからHIVがわかるときにまとめています。エイズを発症する前に見つかった人でも、約3人に1人は、免疫がかなり下がってから見つかっていることになります。

HIVは、早く見つけて治療を始めれば、エイズの発症を防ぎ、パートナーへの感染も防げます。でも実際には、免疫が下がってから見つかる人が多いのが現状です。心当たりがあれば、早めに検査を。
年齢が高いほど、エイズで見つかる割合が高い
分析結果によると、
- 年齢が高い層では、エイズ患者として報告される割合が高い傾向がありました
- 大都市圏以外では、新規報告に占めるエイズ患者の割合が高い傾向にありました
- 日本国籍の女性は、50〜59歳の報告がもっとも多くなっています(HIV感染者7件、エイズ患者2件)
年齢や住んでいる場所にかかわらず、心当たりがあれば検査を考えましょう(こんなときはHIV検査を、50代・60代以上の性感染症)。
保健所などの検査は、コロナ前より少ないまま
分析結果によると、
- 2025年の保健所などでのHIV検査件数は106,756件で、前年(108,988件)より減りました
- 新型コロナの流行前の2019年(142,260件)と比べると、約3万5千件少ない状態が続いています
- 2025年9月からは、自治体が行うHIVの郵送検査の件数の集計も始まりました(2025年は送付327件、結果判定216件)
- 分析結果は、2020年以降、検査の機会が減ったため、症状のない感染者が十分に診断されていない可能性に注意が必要だとしています

プレ男報告が減っていても、検査を受ける人が減っていたら、安心はできないってことなんだね。
母子感染
- 母子感染は、2024年まで2年連続0件でしたが、2025年は1件報告されました
- 分析結果は、妊婦のHIV検査や、妊娠・出産の管理などを徹底して、赤ちゃんへの感染が毎年0件となるよう周知する必要があるとしています(HIVと妊娠)
検査を受けるには
- 多くの保健所で、無料・匿名でHIV検査を受けられます。東京都の例は、東京で、匿名・無料でHIVと梅毒の検査にまとめています
- 結果の見方は、HIV検査で「陽性」「要確認」と言われたらを見てください
2026年1〜6月の報告は、日本のHIV、2026年1〜6月は477件の報告を見てください。
都道府県別の数字は、都道府県別にみたHIV(2025年)を見てください。
感染した場所(国内・海外)は、HIVはどこで感染している?(2025年)を見てください。
まとめ
- 2025年の新規報告は890件(HIV感染者624件、エイズ患者266件)
- 約3割はエイズを発症してから見つかった
- HIV感染者でも、約3人に1人は診断時にCD4値200未満
- 保健所などの検査はコロナ前より少ないまま。見つかっていない感染者がいる可能性
- 心当たりがあれば、年齢や住む場所にかかわらず早めに検査を
参考文献
- 厚生労働省エイズ動向委員会. 令和7(2025)年エイズ発生動向 ―分析結果―(PDF). https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2025/nenpo/bunseki.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
