50代・60代以上の性感染症(日本、2024年):梅毒の報告の約2割、男性では約3割が50歳以上。性器ヘルペスは約3割が50歳以上、60歳以上だけで13%。年齢に関係なく、検査とコンドームを
性感染症は若い人の病気、と思われがちです。厚生労働省の性感染症報告数(感染症発生動向調査、2024年)によると、梅毒の報告14,829件のうち22.1%(3,271件)が50歳以上で、男性では29.2%でした。性器ヘルペス(定点報告)は27.3%が50歳以上で、60歳以上だけで13.2%。尖圭コンジローマも17.1%が50歳以上で、10年前より割合が増えています。妊娠の心配がなくなっても、性感染症の予防と検査は必要です。

プレ男性感染症って、ぼくらみたいな20代の話だと思ってた。

メル美うちの親世代でも、かかる人はいるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、50代・60代以上の性感染症の話です。厚生労働省の「性感染症報告数」(感染症発生動向調査)の年齢別の表から、2024年の数字を計算しました。若い世代の数字は、数字で見る日本の性感染症(2024年)にまとめています。
数字を見る前に
- 梅毒は、診断したすべての医師が届け出る全数報告です
- クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌は、決められた医療機関(定点)だけが報告する定点報告なので、実際にかかった人の数そのものではありません。ここでは「報告の中で50歳以上がどれくらいの割合か」を見ています
2024年、50歳以上の割合
厚生労働省の表から計算すると、2024年の報告のうち50歳以上(50〜54歳、55〜59歳、60歳以上の合計)は、次のとおりです。
| 病気 | 50歳以上 | うち60歳以上 | 10年前(2014年)の50歳以上 |
|---|---|---|---|
| 梅毒(全数) | 3,271件(22.1%) | 1,239件(8.4%) | 340件(20.5%) |
| 性器ヘルペス | 2,729件(27.3%) | 1,321件(13.2%) | 23.8% |
| 尖圭コンジローマ | 1,091件(17.1%) | 417件(6.5%) | 11.2% |
| 淋菌感染症 | 817件(9.3%) | 191件(2.2%) | 6.8% |
| 性器クラミジア | 1,633件(5.5%) | 379件(1.3%) | 4.5% |
- 梅毒は、2014年の50歳以上340件から、2024年は3,271件と、約10倍になっています
- 性器ヘルペス・尖圭コンジローマ・淋菌・クラミジアでは、50歳以上の割合が10年前より増えています

プレ男梅毒は、50歳以上だけで10年で約10倍……!若い人だけの病気じゃないんだね。
男女別に見ると
- 梅毒:男性は9,504件のうち2,778件(29.2%)が50歳以上、60歳以上だけで1,042件(11.0%)。女性は5,324件のうち492件(9.2%)でした
- 性器ヘルペス:女性は6,148件のうち1,652件(26.9%)が50歳以上で、60歳以上が822件(13.4%)。男性も27.9%が50歳以上でした
(更新)厚生労働省の届出基準(性器ヘルペスウイルス感染症)では、届出の対象から「明らかに再発であるもの及び血清抗体のみ陽性のものは除外する」とされています。そのため、報告数には、はっきり再発とわかるものはふくまれない決まりです。ただし、初めての感染か、はっきりしない再発かの区別がつかない場合がどう扱われているかは確認していません。

性感染症に年齢は関係ありません。妊娠の心配がなくなっても、コンドームは性感染症を防ぐために大切です。気になる症状や心当たりがあれば、年齢を気にせず検査を。
年齢が上がっても、気をつけたいこと
- 妊娠の心配がなくなっても、コンドームは性感染症の予防に役立ちます(コンドーム)
- 新しいパートナーができたときは、年齢に関係なく、検査を考えましょう(性感染症の検査、どれくらいの頻度で受ける?)
- 梅毒は、痛みのないしこりや発疹など、気づきにくい症状で始まることがあります(梅毒)
- 閉経のあとの腟の乾燥やかゆみは、性感染症以外の原因のこともあります(腟炎)
- 性器のできものやただれは、がんなどほかの病気のこともあるので、気になったら受診を(陰茎がん、外陰がん)
性器ヘルペスの年齢別の最近の動きは、性器ヘルペスの動き(2024年、国の分析)を見てください。
まとめ
- 2024年、梅毒の報告の22.1%、男性では29.2%が50歳以上
- 50歳以上の梅毒は、10年で約10倍(340件→3,271件)
- 性器ヘルペスは27.3%が50歳以上、60歳以上だけで13.2%
- ほかの性感染症も、50歳以上の割合が10年前より増えている
- 年齢に関係なく、コンドームと検査を
参考文献
- 厚生労働省. 性感染症報告数(年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD)報告数の年次推移:性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、梅毒。資料:感染症発生動向調査). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/houkokusuu.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. 感染症法に基づく医師の届出のお願い 性器ヘルペスウイルス感染症. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-32.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
