外陰がん:多くは65歳以上だが、どの年代でも起こる。HPVや、硬化性苔癬・扁平苔癬などの皮膚の病気が関係することも。治らないかゆみ、しこり、ただれ、月経と関係のない出血、皮膚の色の変化は受診を
外陰がんは、腟の入り口のまわり(外陰部)にできるがんです。英国NHSによると、おもに65歳以上の女性に起こりますが、どの年代でも起こりえます。多くはHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因とされ、外陰部の細胞の異常(VIN)、硬化性苔癬、扁平苔癬などの皮膚の病気から起こることもあります。しこり、治らないただれ、イボのようなもの、月経と関係のない出血、治らないかゆみ、赤・白・黒っぽい皮膚の変化などがあれば、恥ずかしがらずに受診を。

メル美おばあちゃんが、陰部のかゆみがずっと治らないって言ってたの。カンジダかなって市販薬を使ってるみたいだけど……。

プレ男治らないかゆみって、ほかの病気のこともあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、外陰がんの話です。英国NHSの資料をもとにまとめました。外陰部は、腟の入り口のまわり(大陰唇・小陰唇など)のことです。
外陰がんとは
NHSによると、
- おもに65歳以上の女性に起こりますが、どの年代でも起こりえます
- 症状は外陰部のどこにでも出ますが、腟の入り口のまわりの大陰唇・小陰唇に多いです
症状
NHSは、次のような症状をあげています。
- しこり
- ただれ、イボのようなもの、潰瘍
- 外陰部からの出血や、月経と関係のない血の混じったおりもの
- よくならないかゆみ
- 皮膚の変化(赤・白・黒っぽいまだら、皮膚が厚くなる・盛り上がる)
- 形や色が変わるほくろ
- おしっこのときの焼けるような痛み
NHSは、これらの症状はとてもよくあるもので、いろいろな病気で起こるとし、症状があってもがんとは限らないとしています。でも、早く見つかれば治療がうまくいきやすいので、受診することが大切です。かゆみや陰部のできものは、ほかの病気のことも多くあります(陰部のかゆみ、陰部のブツブツ、カンジダ)。

プレ男市販薬で治らないかゆみが続くなら、一度診てもらったほうがいいんだね。

外陰部の治らないかゆみ、しこり、ただれ、皮膚の色の変化は、恥ずかしがらずに婦人科へ。多くはがん以外の病気ですが、早く見つかるほど治療がうまくいきやすくなります。
診察のとき
NHSは、受診のときのことも説明しています。
- 医師が外陰部を見たり、手袋をしてしこりがないかさわったり、腟の中を確かめたりします
- 痛くはないはずですが、不快に感じることがあります。つらいときは伝えましょう
- 女性の医師を希望したり、付きそいの人に同席してもらったりできることがあります
- いつでも、やめてほしいと言ってよいとされています
原因となりやすい人
NHSによると、
- 原因がわからないこともありますが、多くはある種類のHPVによるものです。HPVは、性器の肌と肌の接触、腟・肛門・口の性行為、性具の共有でうつります
- 次のような外陰部の皮膚の病気から起こることもあります
- たばこを吸う、HIVなどで免疫が弱っている、子宮頸がんになったことがある人もなりやすいとされています
リスクを下げるために
NHSは、次のことをあげています(いつも防げるわけではありません)。
- 外陰部の皮膚の病気を治療しておく
- コンドームを使う(ただし、性器のまわりの皮膚すべてを覆うわけではないので、完全には防げません)(コンドーム)
- たばこをやめる
- バランスのよい食事
- 若い人は、HPVワクチンが外陰がんを防ぐいちばんの方法です(HPVワクチン)
治療
NHSによると、
- 外陰がんは、治療できることが多いがんです
- おもな治療は手術で、がんとそのまわり、外陰部の一部、または全体を取ります。足のつけ根のリンパ節を取ることもあります。取ったあとは、残った皮膚や、ほかの部分の皮膚・筋肉を使って形を整えることがあります
- 放射線治療や抗がん剤を組みあわせることもあります
男性の陰茎がんについては、陰茎がんの記事にまとめています。
腟の中にできるがんについては、腟がんにまとめています。
まとめ
- 外陰がんは、おもに65歳以上だが、どの年代でも起こる
- しこり、治らないただれ・かゆみ、月経と関係のない出血、皮膚の色の変化、ほくろの変化は受診を
- HPVや、硬化性苔癬・扁平苔癬などの皮膚の病気が関係することも
- HPVワクチン、禁煙、皮膚の病気の治療でリスクを下げる
- 治療できることが多い。早く見つかるほどよい
参考文献
- NHS. Vulval cancer(Symptoms / Causes / Treatment). https://www.nhs.uk/conditions/vulval-cancer/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
