陰部が白くなって、かゆい・ひりひりする:性病ではない「硬化性苔癬」のことも。50歳以上の女性に多く、男性は亀頭が白くかたく。放っておかず皮膚科へ
外陰部やおしりのまわりが白っぽくしわしわになり、強いかゆみやひりひり感がある。男性では亀頭が白くかたくなり、包皮がむけにくくなる——「硬化性苔癬」という、性感染症ではない慢性の皮ふの炎症のことがあります。ニュージーランドの皮膚科情報サイトDermNetによると、女性に男性の10倍多く、陰部の硬化性苔癬では、がんのリスクが高くなることも。症状、治療、長く経過を見る大切さをまとめました。

メル美母が、デリケートゾーンが白っぽくなって、ずっとかゆいって…。カンジダの薬を使っても治らないんだって。

プレ男男でも、亀頭が白くなって皮がむけにくくなる病気があるって聞いたことがある。
こんにちは、Dr. Taro です。 「性病と間違えやすいもの」、今回は硬化性苔癬(こうかせいたいせん)です。ニュージーランドの皮膚科情報サイトDermNetの解説をもとにまとめました。性感染症ではなく、人にうつる病気でもありません。
どんな病気?
- 陰部や肛門のまわりに多い、慢性の皮ふの炎症です
- どの年齢でも起こりますが、50歳以上の女性で診断されることが最も多く、思春期前の子どもにも起こります
- 女性は男性の10倍多いとされます
- 原因ははっきりしていませんが、自己免疫(体の免疫が自分を攻撃する)が関わると考えられています。甲状腺の病気など、ほかの自己免疫の病気をもつ人も多い(約20%)とされます
- 女性では閉経後に始まることが多く、女性ホルモンの不足が関係する可能性があります
症状
女性
- 白っぽく、しわしわ、または厚くなった皮ふが、外陰部の内側(小陰唇、クリトリスのまわり、会陰など)に出ます。女性の50%では、肛門のまわりにも広がります
- とても強いかゆみやひりひり感。かいたあとや、きつい服、座るだけの摩擦で内出血、血豆、ただれが出ることもあります
- おしっこがしみる、セックスのときの痛みや入り口のさけ目、排便時の痛みや出血(子どもでは便秘の悪化)
- くっついたり、傷あと(瘢痕)になったりして、小陰唇が小さくなる、腟の入り口が狭くなることがあります
- 腟の中の粘膜には起こりません
男性
- ふつうは亀頭が白く、かたく、傷あとのようになります
- 尿道の出口が狭くなり、おしっこが細い・曲がることがあります
- 包皮がむけにくく(包茎)なることも。勃起のときの痛みなどで、性生活に影響することもあります(亀頭包皮炎)

メル美カンジダだと思って薬を使っていても、別の病気のことがあるんだね。
がんのリスクがあるので、放っておかない
- 陰部の硬化性苔癬では、外陰がん、陰茎がん、肛門がん(扁平上皮がん)のリスクが高くなるとされます。外陰の硬化性苔癬の人の最大5%にがんが起こると推定されています
- 炎症がコントロールされていないと、がんになりやすくなります
- 大きくなるしこりや、治らないただれは、すぐに受診を
- カンジダやヘルペスなどの感染を合併することもあります
がんの症状については、外陰がん、陰茎がんの記事にまとめています。
診断と治療
- 経験のある医師なら見た目で診断できることが多く、皮ふの一部をとる検査(生検)がよく勧められます
- 治療の中心は、強いステロイドの塗り薬です。ふつうは1日1回塗り、1〜3か月たったら回数を減らし、その後も週1〜2回続けて、症状をおさえたり再発を防いだりすることがあります
- ステロイドは、正しく使えば安全ですが、使いすぎや塗る場所をまちがえると副作用が出ることがあるため、医師の指示どおりに使い、定期的に受診することが大切です
- 男性で包皮や亀頭にある場合、ステロイドで良くならなければ、包皮の手術(環状切除)が有効とされます
- 早く治療すると、長く落ち着くこともあります。がんを早く見つけるためにも、長く経過を見ていくことが勧められています

陰部が白くなって強いかゆみが続くときは、性病ではない硬化性苔癬のこともあります。がんのリスクもあるので、自己判断せず受診しましょう。
まとめ
- 硬化性苔癬は、陰部や肛門のまわりの慢性の皮ふの炎症。性感染症ではない
- 50歳以上の女性に多く、女性は男性の10倍
- 女性は白くしわしわの皮ふ、強いかゆみ。男性は亀頭が白くかたく、包茎や尿が細いことも
- 治療は強いステロイドの塗り薬。がんのリスクがあるので、長く経過を見る
参考文献
- Oakley A. Lichen sclerosus. DermNet(2016年1月更新). https://dermnetnz.org/topics/lichen-sclerosus (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。