亀頭包皮炎とは?亀頭や包皮が赤い・かゆい・痛いときに考えられる原因と、治し方
亀頭や包皮が赤くなる、かゆい、ヒリヒリする——亀頭包皮炎は、カンジダや細菌、性感染症、皮膚の病気など、さまざまな原因でおこります。原因の見分け方、洗い方の注意、治療をまとめました。

プレ男亀頭のあたりが赤くて、かゆいんだけど…。何が原因なんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「亀頭が赤くなってかゆい」「包皮がヒリヒリする」「なんだかにおう」——こんなときに考えられるのが亀頭包皮炎です。性感染症が心配で受診する人も多い症状ですが、原因はそれだけではありません。
亀頭包皮炎ってどんな状態?
亀頭(ペニスの先)に炎症がおきた状態を亀頭炎、包皮(亀頭をおおう皮)に炎症がおきた状態を包皮炎といい、両方に炎症があるものを亀頭包皮炎といいます。実際には、両方に炎症があることが多いです。
主な症状は、次のようなものです。
- 赤み、かゆみ、ヒリヒリ感・痛み
- 分泌物やにおい
- 包皮の腫れ
包皮で亀頭がおおわれている人に多く、包皮を切除する手術(環状切除)を受けた人では少ないとされています。
原因は?
亀頭包皮炎は、ひとつの病気ではなく、さまざまな原因でおこる「状態」の名前です。ただ、実際の診療では、ほとんどが刺激(こすれ、洗いすぎ、さわりすぎなど)による亀頭包皮炎です。
感染によるもの
- カンジダ(カビの一種):赤いまだらや小さなブツブツ、かゆみ・ヒリヒリ感が出ます。亀頭包皮炎の 20%未満とされ、高齢や糖尿病の人でおこりやすくなります。ほかの皮膚の病気に、あとからカンジダが重なっていることも多いとされています
- 嫌気性菌:包皮の内側からいやなにおいのする分泌物が出て、ひどいと腫れや、足のつけ根のリンパ節の腫れもおこります
- 溶連菌やブドウ球菌:赤みや腫れがおこります。A群溶連菌は、オーラルセックス(フェラチオ)でうつったと考えられる報告もあります
- 性感染症:性器ヘルペス、梅毒、トリコモナス、HPV(尖圭コンジローマの原因ウイルス)などでも、亀頭包皮炎がおこることがあります
皮膚の病気によるもの
- 湿疹・かぶれ:石けんなどの刺激や、アレルギーでおこります。洗いすぎも原因になります
- 硬化性苔癬(こうかせいたいせん):亀頭や包皮が白っぽくなり、かゆみやひきつれ、包皮がむけにくくなる(包茎)などがおこります。まれに、がんにつながることがあるため、皮膚科・泌尿器科での治療と経過観察が大切です
- ほかに、扁平苔癬、乾癬、形質細胞性亀頭炎、薬によるもの(固定薬疹)などがあります
まれに、がんの前段階の病変
なかなか治らない場合は、まれにがんの前段階の病変のこともあります。その場合は、皮膚の一部をとって調べる検査(生検)が必要になることがあります。
なりやすくなる要因
- 洗いすぎ、または洗わなさすぎ
- 包皮をむかずにいる(包皮の内側が蒸れる)
- 糖尿病などの病気
検査は?
実際の診療では、亀頭包皮炎の多くは医師が見て診断します。ほとんどが刺激によるもので、刺激をなくして安静にすれば治ることが多いためです。
一方で、ヨーロッパのガイドラインでは、原因によって見た目が似ていることがあるため、必要に応じて次のような検査も行うとされています。
- 性行為の状況を医師に伝えましょう。必要に応じて、HIV を含む性感染症の検査を行います
- ただれ(潰瘍)があるときは、ヘルペスや梅毒を調べます
- 包皮の内側をぬぐって、カンジダや細菌を調べることがあります
- カンジダが疑われるときは、尿の糖を調べて、糖尿病がないか確認することがあります
- なかなか治らないときは、皮膚の一部をとって調べる検査(生検)を行うことがあります
治療は?
いちばんの治療は「さわらないこと」
このサイトでは、治療の基本はさわらないことだと考えています。ほとんどの亀頭包皮炎は、こすれや洗いすぎなどの外からの刺激をなくして、安静にすることで治ります。
薬を使う場合は、ステロイドと抗菌薬が一緒になった塗り薬などを使うことが多いです。
原因に合わせた治療
原因がはっきりしている場合は、それに合わせた治療を行います(ヨーロッパのガイドライン)。
- カンジダ:抗真菌薬の塗り薬(症状が強いときは飲み薬)
- 細菌:抗菌薬(塗り薬、または飲み薬)
- 性感染症:それぞれの病気の治療
- 皮膚の病気:ステロイドの塗り薬など。皮膚科での治療が必要なこともあります
くり返す場合や、包茎がある場合は、包皮を切除する手術が考えられることもあります。
自分でできること
- 炎症があるあいだは、石けんを使わず、ぬるま湯でやさしく洗いましょう
- 洗ったあとは、包皮をむいて、亀頭が乾くまで待ちましょう(ただし、包皮がきつい人は、むいたまま戻らなくなる〈嵌頓包茎〉ことがあるので注意)
- 塗り薬を使っているときは、コンドームが破れやすくなることがあるので気をつけましょう
「清潔にしなきゃ」と石けんでゴシゴシ洗うと、かえって悪くなることがあります。炎症があるあいだは、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。
パートナーは?
- カンジダによる亀頭包皮炎では、パートナーをルーチンに治療する必要はないとされています
- 性感染症が原因の場合は、パートナーも検査・治療を受けましょう
亀頭包皮炎は、性感染症だけでなく、洗いすぎや体質などでもおこります。パートナーのせいとは限らないので、あわてて責めずに、まずは受診して原因を調べましょう。
まとめ
- 亀頭包皮炎は、亀頭や包皮の炎症。赤み・かゆみ・痛み・分泌物・においなど
- 原因は、カンジダ・細菌・性感染症・皮膚の病気などさまざまだが、ほとんどは刺激によるもの
- いちばんの治療はさわらないこと。刺激をなくして安静にすれば治ることが多い。炎症があるあいだは、石けんを使わずにやさしく洗う
- 性感染症の検査も大切。なかなか治らないときは、皮膚科・泌尿器科で詳しく調べる
参考文献
- Edwards SK, Bunker CB, van der Snoek EM, van der Meijden WI. 2022 European guideline for the management of balanoposthitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023;37:1104-1117. https://doi.org/10.1111/jdv.18954 (閲覧日:2026年9月25日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。