腟がん:とてもまれながんで、75歳以上に多い。半分以上はHPVが原因。腟のしこりやただれ、閉経後の出血、セックスのあとの出血、においや血のまじるおりものは受診を。子宮をとった人もなることがある。HPVワクチンと検診が予防に
腟がんは、とてもまれながんで、75歳以上の女性に多いとされます。英国NHSによると、腟がんの半分以上はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因で、子宮頸部や腟に前がん病変(CIN・VAIN)があった人、子宮頸がんになった人、HIVの人などがなりやすいとされています。主な症状は腟のしこりやただれで、閉経後の出血、セックスのあとの出血や痛み、においや血のまじるおりもの、治らないかゆみなども出ることがあります。子宮をとった人もなることがあります。

メル美HPVって、子宮頸がんのほかにもいろいろながんに関係してるんだよね。腟のがんもあるの?

プレ男子宮をとった人でもなることがあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、腟がんの話です。英国NHSの「Vaginal cancer」(2023年11月更新)をもとにまとめました。外陰部のがんについては外陰がんを見てください。
どんながん?
NHSによると、
- 腟がんは、腟のどこにでもできる、とてもまれながんです
- 75歳以上の女性に多く、40歳未満ではとくにまれです
- ゆっくり進むことが多く、どれくらい重いかは、大きさ、広がり、全身の状態によります
- 治療できることが多いがんです
(更新)国立がん研究センターがん情報サービス「腟がん」(更新・確認日:2026年3月13日)で確認しました。腟がんは、診断される人が人口10万人あたり6人未満の希少がんです。組織の型ではほとんどが扁平上皮がんで、HPVへの感染が原因でできることが多いといわれています。くわしい情報は、国立がん研究センター希少がんセンターのサイトで公開されています。具体的な年間の患者数は確認していません
原因:半分以上はHPV
NHSによると、
- 腟がんの半分以上は、ある種類のHPVの感染が原因です
- HPVは、性器まわりの皮膚どうしの接触、腟・肛門・口でのセックス、性具の共有などでうつります(子宮頸がん検診で「HPV陽性」と言われたら、セックストイ(性具)と性感染症)
なりやすい人
NHSによると、次のような人は腟がんになりやすいとされています。
- HPVに感染したことがある
- 子宮頸部(CIN)や腟(VAIN)に前がん病変が見つかったことがある(「子宮頸部異形成(CIN)」と言われたら)
- 子宮頸がんになったことがある
- 75歳以上
- 全身性エリテマトーデス(ループス)がある
- HIVがある
- 母親が妊娠中にジエチルスチルベストロール(DES)というホルモン剤を飲んでいた
- 子宮体がんになったことがある(とくに放射線治療を受けた)
子宮をとった(子宮全摘)人も、腟がんになることがあります。性別適合手術のあとに腟や腟の一部が残っているトランスジェンダー・ノンバイナリーの人も、なることがあります(トランスジェンダー・ノンバイナリーの人の性感染症の検査)。
症状
NHSによると、主な症状は、
- 腟のしこり
- 腟の中やまわりのただれ(潰瘍)や皮膚の変化
ほかに、
- 閉経後の出血(閉経後の出血)
- セックスのあとの出血やセックスのときの痛み
- においのある、または血のまじったおりもの
- 生理と生理の間の出血
- 治らない腟のかゆみ
- おしっこのときの痛みや、トイレが近い
などが出ることがあります。

これらの症状は、ほとんどがほかのよくある原因で起こります。でも、がんだった場合は早く見つけるほど治療しやすいので、気になる症状は受診して確かめましょう。
治療
NHSによると、
- 腟がんの主な治療は放射線治療で、体の外からかける方法と、体の内側からかける方法(腔内照射)があります
- 手術や抗がん剤を行うこともあります
- 治療は、がんの大きさや種類、場所、広がり、全身の状態によって決まります
予防
NHSによると、
- 腟がんはHPVと関係があるので、子宮頸がん検診とHPVワクチンが、いちばんの予防になります(子宮頸がん検診は20歳から、HPVワクチン)
- コンドームはHPVにかかる可能性を下げますが、性器まわりの皮膚をすべておおうわけではないので、完全には防げません
- たばこをやめる(免疫を弱め、たばこの化学物質は子宮頸がんの原因にもなります)
- バランスのよい食事で免疫を支える
まとめ
- 腟がんはとてもまれで、75歳以上に多い
- 半分以上はHPVが原因。前がん病変や子宮頸がんになった人、HIVの人などがなりやすい
- 子宮をとった人もなることがある
- 腟のしこり・ただれ、閉経後の出血、セックスのあとの出血、においや血のまじるおりものは受診を
- HPVワクチンと子宮頸がん検診が予防に
参考文献
- NHS. Vaginal cancer(Overview, Symptoms, Causes, Treatment)(Page last reviewed: 7 November 2023). https://www.nhs.uk/conditions/vaginal-cancer/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 腟がん(更新・確認日:2026年3月13日). https://ganjoho.jp/public/cancer/vagina/index.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
