
メル美検診のあとの精密検査で「異形成」って言われた友だちがいるの。「がんなの?子どもは産めるの?」ってすごく不安がってて……。

プレ男異形成って、がんとはちがうのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子宮頸部の異形成(CIN)と言われたらの話です。英国NHSの「Colposcopy」(2026年9月更新)、日本産婦人科医会の「子宮頸癌について教えてください」、日本産科婦人科学会の「早産・切迫早産」をもとにまとめました。検診の結果の見方は、子宮頸がん検診の結果の見方を見てください。
異形成(CIN)は、がんではない
NHSによると、
- 子宮頸がん検診でHPVによる細胞の変化が見つかると、コルポスコピー(拡大鏡で子宮頸部をくわしく見る検査)と、必要に応じて組織をとる検査(生検)を受けます
- そこで見つかる異常な細胞は、がんではありません。ただし、治療しないと、将来がんになる可能性があります
- 異常の程度はCIN1・CIN2・CIN3に分けられ、数字が大きいほど、広がっていく可能性が高いとされています
- ほとんどの場合、コルポスコピーで子宮頸がんは見つかりません
日本産婦人科医会によると、子宮頸がんの多くはHPVが関係していて、HPVの感染は多くが一時的ですが、長く続くとごく一部が前がん病変を経てがんになると考えられています(子宮頸がん検診で「HPV陽性」と言われたら)。

プレ男異形成は「がんになる前の段階」で、まだがんじゃないんだね。
程度によって、すすめられる対応がちがう
NHSの表によると、
| 結果 | 程度 | すすめられる対応 |
|---|---|---|
| CIN1 | 軽度 | すぐの治療はいらない。検診やコルポスコピーで経過をみる |
| CIN2 | 中等度 | 経過観察か、異常な細胞を切りとる治療 |
| CIN3 | 高度 | 異常な細胞を切りとる治療 |
国立がん研究センターのがん情報サービスでも、日本では、CIN1・CIN2は定期的に検査をして進んでいないか確かめ、前がん病変(CIN3またはAIS〈上皮内腺がん〉)は治療を行うとされています(子宮頸がん)。
治療:円錐切除なら子宮を残せる
- 日本産婦人科医会によると、前がん病変から、ごく早い段階のがん(IA1期)までは、子宮頸部の一部を切りとる「円錐切除術」で子宮を残すことができます
- NHSによると、英国でよく行われるのは、電気の通ったワイヤーの輪で、爪くらいの大きさの組織を切りとる方法(LLETZ)で、局所麻酔で、その日のうちに帰れることが多いとされています。大きく切りとる必要があるときは、全身麻酔で円錐状に切りとる方法になります

異形成は、がんになる前に見つけて対応できるチャンスです。指示された経過観察の検査を、自己判断でやめないでください。
治療のあと
NHSによると、生検や切除のあとは、
- 生理痛のような痛みが数日あることがあります
- 出血やおりものが出ます。切除(LLETZ)のあとは、4週間ほど出血が続くこともあります
- 出血やおりもの、痛みがある間は、腟に何かを入れること(セックス、タンポン、月経カップ)はさけ、ナプキンを使います。切除のあとは、4週間セックスをさけるよう言われることがあります
- 多い出血、いやなにおいのおりもの、痛み止めでもよくならない腹痛があるときは、受診しましょう
将来の妊娠のこと
- 日本産科婦人科学会は、子宮頸部の手術(円錐切除術など)を、早産の原因になるものの一つに挙げています(早産は日本では5.7%)
- 円錐切除を受けたことがある人は、妊娠したら、産婦人科の主治医に必ず伝えましょう
- NHSによると、妊娠中でもコルポスコピーは安全に受けられます(受ける前に妊娠していることを伝えます)
(更新)日本産科婦人科学会の「子宮頸がん」のページ(2025年1月30日更新)によると、円錐切除術の影響で子宮頸部が狭くなり、月経の出血が出にくくなったり、妊娠しづらくなることがあり、子宮頸部が短くなるため、妊娠しても早産しやすくなる可能性があるとされています。異形成のみであれば、レーザーなどで病変を焼く治療もあるとしています。早産がどれくらい増えるかの数字は、このページにも書かれておらず、確認していません。
ワクチンと検診
- 日本産婦人科医会によると、日本でもHPV16型・18型が子宮頸がんの約70%を占め、適切なワクチン接種で約70%の子宮頸がんが予防できると考えられています(HPVワクチン)
- 初期の子宮頸がんは症状がないので、定期的な検診が大切です(子宮頸がん検診は20歳から)
妊娠中に検診で異常が見つかったときのことは、妊婦健診の子宮頸がん検診で異常と言われたらにまとめています。
検診で要精密検査になった人が実際に精密検査を受けている割合は、子宮頸がん検診で「要精密検査」、精密検査を受けた人は78.0%を見てください。
まとめ
- 異形成(CIN)はがんではない。治療しないと将来がんになる可能性がある変化
- CIN1は経過観察、CIN2は経過観察か治療、CIN3は切除がすすめられる(NHS)
- 前がん病変からごく早いがんまでは、円錐切除で子宮を残せる
- 円錐切除のあと妊娠したら、早産のリスクがあるので主治医に伝える
- 指示された経過観察の検査を続ける
参考文献
- NHS. Colposcopy(Page last reviewed: 1 September 2026). https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/colposcopy/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産婦人科医会. 子宮頸癌について教えてください(2019年11月6日作成). https://www.jaog.or.jp/qa/mature/jyosei191106/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 公益社団法人日本産科婦人科学会. 早産・切迫早産(2025年1月30日更新). https://www.jsog.or.jp/citizen/5708/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がん 治療. https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産科婦人科学会. 子宮頸がん(更新日時:2025年1月30日). https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。