
メル美子宮頸がんって、若い人もなるって聞いてこわくなったの。どんな症状が出るんだろう。

プレ男HPVが原因なんだよね。男のぼくにも関係あることだと思う。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子宮頸がんの話です。国立がん研究センターの「がん情報サービス」の「子宮頸がん」(2023年2月更新、子宮頸癌治療ガイドライン2022年版などにもとづく)と、日本産婦人科医会の「子宮頸癌について教えてください」をもとにまとめました。検診については子宮頸がん検診は20歳からを見てください。
どんながん?
がん情報サービスによると、
- 子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるがんです。子宮の奥(体部)にできる子宮体がんとは区別されます(子宮体がん)
- 大部分は、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)というがんになる前の状態を経て、がんになります
- 早く見つければ比較的治療しやすく、見通しのよいがんですが、進むと治療がむずかしくなるので、早期発見がとても大切です
- 組織の種類は、扁平上皮がんが約8割、腺がんが約2割です
日本産婦人科医会によると、
- 子宮頸がんの多くはHPV(ヒトパピローマウイルス)が関係しています。子宮頸部へのHPV感染はほとんどが性交渉によるもので、多くは一時的ですが、長く続くとごく一部が前がん病変を経てがんになると考えられています
- 日本の子宮頸がんは、検診の普及で減ってきていましたが、近年はやや増加していて、とくに20〜30代の若い世代で急速に増えていることが問題になっています
症状
がん情報サービスによると、
- がんになる前(CIN・AIS)の時期には症状がなく、おりものや出血、痛みもありません
- がんが進むと、
- 生理ではないときやセックスのときの出血
- においのある、こい茶色やうみのようなおりもの
- 水っぽいおりものや粘液がたくさん出る などが出ることがあります
- がんが子宮の外に広がると、多量の出血、骨盤・下腹部・腰の痛み、尿や便に血がまじる、足のむくみなどが出ることもあります

がんになる前の段階には症状がありません。だからこそ、症状がなくても検診を。生理以外の出血やセックスのときの出血があるときは、検診を待たずに婦人科へ。
前がん病変の扱い
がん情報サービスによると、
- CIN1、CIN2の場合は、定期的に検査をして、進んでいないか確かめます
- 前がん病変(CIN3またはAIS)があるとわかった場合は、治療を行います
- くわしくは、「子宮頸部異形成(CIN)」と言われたらを見てください
治療
がん情報サービスによると、治療は、病期(Ⅰ〜Ⅳ期)や組織型、体の状態などをもとに、担当医と話し合って決めます。
- 前がん病変(CIN3・AIS)やⅠA期:まず円錐切除術(子宮頸部の一部を円錐状に切りとる)などで組織を調べ、その結果で方針を決めます。CIN3には、病変を取りきる治療として円錐切除を行います
- ⅠB期・Ⅱ期:手術や放射線治療、放射線と薬を同時に行う同時化学放射線療法
- Ⅲ期・ⅣA期:同時化学放射線療法が中心
- ⅣB期:薬物療法が中心
日本産婦人科医会によると、前がん病変からⅠA1期までは円錐切除術で子宮を残せますが、ⅠA2期以上では標準治療として子宮をとる手術がすすめられ、子宮を残すのはむずかしくなります。
妊娠・出産のこと
がん情報サービスによると、
- 子宮頸がんの治療は、妊娠や出産に影響することがあります。妊娠を希望する人は、治療を始める前に担当医に確認しましょう
- 前がん病変からⅠB1期までで子どもを望む場合は、妊娠する力を残す治療(妊孕性温存治療)が選択肢になることがあります。ただし、再発のリスクや、治療後に妊娠したときの流産・早産のリスクが高まるとされ、対応できる病院も限られています
- 円錐切除術は子宮の多くを残せますが、その後の妊娠や出産に影響が出る場合もあります
- 子宮をとる手術のあとは妊娠できなくなりますが、性交渉はできます
がん治療と妊娠については、がん治療の前に知っておきたい「妊孕性温存」も見てください。
予防
- 日本産婦人科医会によると、日本でもHPV16型・18型が子宮頸がんの約70%を占め、適切なHPVワクチンで約70%の子宮頸がんが予防できると考えられています(HPVワクチン)
- 定期的な子宮頸がん検診が大切です

プレ男HPVは男性もうつしたりうつされたりするから、男性も知っておくべきだね。
(更新)国立がん研究センターがん情報サービス「がん種別統計情報 子宮頸部」(更新・確認日:2026年7月22日)で確認しました。子宮頸がんと診断される数は10,457例(2023年)、死亡数は2,751人(2024年)、5年相対生存率は73.1%(2018年診断例)です
手術や放射線治療のあとに起こることがある足のむくみについては、婦人科がんの手術のあとの足のむくみ(リンパ浮腫)にまとめています。
世界の子宮頸がんの数字とWHOの目標は、世界の子宮頸がん(WHO、2026年)にまとめています。
治療を終えたあとの通院や性生活については、子宮頸がんの治療のあとを見てください。
まとめ
- 子宮頸がんの多くはHPVが関係し、がんになる前の状態(CIN・AIS)を経てがんになる
- がんになる前は症状がない。進むと生理以外の出血、セックスのときの出血、においのあるおりもの
- 20〜30代で増えている
- 前がん病変やごく早期なら円錐切除で子宮を残せることも
- HPVワクチンと検診で防げる
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がんについて(更新・確認日:2023年2月28日). https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/about.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がん 治療. https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産婦人科医会. 子宮頸癌について教えてください(2019年11月6日作成). https://www.jaog.or.jp/qa/mature/jyosei191106/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. がん種別統計情報 子宮頸部(更新・確認日:2026年7月22日). https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。