EDは心臓からの「サイン」かも:冠動脈疾患の人の42〜75%にEDがあり、EDは心臓の病気の2〜3年前に出ることが多い。EDで受診した人の18%に、気づいていない高血圧
日本性機能学会・日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン第3版」(2018年)によると、EDと心臓・血管の病気は、高血圧・糖尿病・喫煙・脂質異常症などの危険因子を共有しています。冠動脈疾患のある人のED罹患率は42〜75%と高く、EDは冠動脈疾患の2〜3年前に自覚されることが多いため、重要なマーカーになりうるとされています。EDで受診した人の18%に診断されていない高血圧が見つかったという報告も。ガイドラインは、心臓病のないED患者でも危険因子への対策を強く推奨しています。

プレ男最近ちょっと元気がなくて…。疲れてるだけだと思うけど、恥ずかしくて誰にも言えないんだよね。

メル美恥ずかしいことじゃないよ。体のほかの病気のサインのこともあるって聞いたことがある。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、今回はEDと心臓・血管の病気の関係です。日本性機能学会・日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン第3版」(2018年)をもとにまとめました。
EDと心臓の病気は、原因が共通
- ガイドラインは、ED患者は高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症、メタボリックシンドロームといった、心臓・血管の病気と共通の危険因子を持っているとしています
- ほかにも、加齢、肥満・運動不足、うつ、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群がEDの危険因子で、これらはすべて心臓・血管の病気の危険因子でもあります
- 生活習慣とEDの関係はEDと生活習慣の記事にまとめています
EDは「心臓病の前ぶれ」になりうる
- 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症など)のある人では、EDがとても多く、ED罹患率は42〜75%と報告されています
- しかも、冠動脈疾患が起きる2〜3年前にEDが自覚されることが多いため、EDは冠動脈疾患の重要なマーカーになりうると考えられています
- 12の前向き研究(3万6,744人)をまとめた解析では、EDは冠動脈疾患の独立したマーカー(リスク比1.62)でした
- 欧米の研究をまとめた解析では、EDのある人は、ない人に比べて、心臓・血管の病気(心血管イベント)が起こるリスクが1.47倍でした
- 心臓病と診断されていないED患者に運動負荷心電図を行うと、8〜56%に異常が見つかったという報告もあります(日本人の研究では15%)

プレ男EDが、心臓の病気の2〜3年前に出ることがあるんだ…。
高血圧とEDも、深い関係
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高血圧の人はEDの頻度が高く、40研究(12万1,641人)をまとめた解析では、高血圧の人のEDのオッズ比は1.74でした
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逆に、EDで受診した人の18%に、診断されていなかった高血圧が見つかったという報告があり、ED診療で血圧を測る根拠になっています
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高血圧の薬の中には、EDに影響するものもあるとされています。ただし、多くの人は薬を飲む前からEDを自覚していて、高血圧そのものがEDの危険因子と考えられています
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自分の判断で血圧の薬をやめず、主治医に相談しましょう
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高血圧については高血圧と塩分の記事もどうぞ
ガイドラインのすすめ:危険因子への対策を
- ガイドラインは、心臓・血管の危険因子を持っているが、まだ心臓・血管の病気を起こしていないED患者に対して、心臓・血管の病気を防ぐ目的で、危険因子への対策を「強く推奨」しています
- 脂質異常症・高血圧・糖尿病の薬の治療や禁煙が、心臓・血管の病気の予防に有効であることは、多くの大規模な研究で証明されています
- EDの治療だけでなく、血圧・血糖・脂質の検査や生活習慣の見直しもあわせて考えることが大切です

EDは、心臓や血管の病気と原因が共通していて、その前ぶれになることもあります。恥ずかしがらずに相談して、血圧や血糖などもあわせて調べてもらいましょう。
心臓の病気がある人のED治療
- ガイドラインは、心臓・血管の危険因子のある人へのED治療薬(PDE5阻害薬)の治療を強く推奨しています。ただし、心臓の状態に応じたリスクの評価(プリンストン・コンセンサス会議の勧告)に従うことが求められます
- 硝酸薬(ニトログリセリンなど)との併用は禁忌です。飲み合わせはED治療薬の記事にまとめています
- 胸の痛みなどがあるときは、ED治療薬を飲む前に医師に相談しましょう

メル美EDの相談が、心臓や血圧を調べるきっかけになるかもしれないんだね。

プレ男勇気を出して受診してみる。ついでに血圧も測ってもらうよ。
まとめ
- EDと心臓・血管の病気は、高血圧・糖尿病・喫煙・脂質異常症などの危険因子が共通
- 冠動脈疾患の人の42〜75%にED。EDは冠動脈疾患の2〜3年前に出ることが多い
- EDで受診した人の18%に、気づいていない高血圧
- ガイドラインは、危険因子への対策を強く推奨
- ED治療薬は硝酸薬と併用禁忌。心臓の状態に応じた評価を
参考文献
- 日本性機能学会・日本泌尿器科学会 編. ED診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル, 2018(「EDのリスクファクター 4 心血管疾患および高血圧」、CQ6、CQ14). https://www.jssm.info/guideline/files/EDguideine03_s.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 一般社団法人日本性機能学会. ED診療ガイドライン(2025年版男性性機能障害診療ガイドラインの発行のお知らせ). https://www.jssm.info/guideline/ (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。