
プレ男健康診断で「中性脂肪が高い、善玉コレステロールが低い」って言われた。運動でなんとかなるのかな?

メル美1回走ったくらいじゃ、すぐには変わらないよね?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、脂質異常症を改善するための運動の話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事「脂質異常症を改善するための運動」(立命館大学・家光素行教授、2022年12月6日更新)をもとにまとめました。
脂質異常症の基準
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、次のように定義されています。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
| 中性脂肪(トリグリセライド) | 空腹時150mg/dL以上、随時175mg/dL以上 |
| non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 |
- 「令和元年国民健康・栄養調査」では、総コレステロールが240mg/dL以上の人は男性12.9%、女性22.4%でした
- 治療は生活習慣の改善が根幹で、薬を使っている間も生活習慣の改善を続けるべきとされています
- ガイドラインがあげる生活習慣の改善は、禁煙(受動喫煙の防止も)、お酒を控える、肥満・メタボ対策、食事療法(バランスのよい食事、飽和脂肪酸やコレステロールのとりすぎを控える、食物繊維をとる、減塩など)、運動療法です
LDLコレステロールと食事については健診で「LDLコレステロールが高い」の記事もどうぞ。
運動で、中性脂肪が下がり、HDLが増える
- 運動は、脂質異常症の人だけでなく健康な人でも、中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを増やします
- 有酸素運動で、筋肉で脂肪を分解する酵素(リポプロテインリパーゼ)の働きが高まり、HDLが増えると考えられています
- HDLは「善玉コレステロール」として知られ、体のあちこちから余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割があります
- これまでの研究から、HDLを増やすための最低条件として、1週間に合計120分の運動、または1週間に合計900kcalを消費する身体活動が必要なことが明らかになっています
どんな運動を、どのくらい?
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 種類 | ウォーキング、速歩、水泳、エアロビクスダンス、スロージョギング(歩くくらいの速さのジョギング)、サイクリング、踏み台昇降など、大きな筋肉をダイナミックに動かす有酸素運動が中心 |
| 時間・頻度 | 1日合計30分以上を毎日続けるのが望ましい(少なくとも週3日)。10分×3回のように分けてもOK |
| 強さ | 中くらい以上(3メッツ以上)。ふつうに歩くくらい、またはそれ以上 |
- 心臓や血管、骨・関節の病気がある人や、体力に自信がない人は、掃除、洗車、子どもと遊ぶ、自転車で買い物など、生活の中で体を動かすことから始めてもよいでしょう

プレ男10分を3回に分けてもいいなら、昼休みと通勤でできそう!
効果が出るまでは、数か月
- 血液の脂質の値は、1回の運動では変わりません
- よい影響を得るには、数か月以上の長い期間の運動が必要です

運動は中性脂肪を下げ、善玉のHDLコレステロールを増やします。ただし、血液の脂質の値は1回の運動では変わらず、数か月以上続けることが必要です。
始める前に
- 準備運動・整理運動を十分に
- メディカルチェックで狭心症や心筋梗塞などがないかを確認し、運動してよいかを確かめてから、体力・年齢・体重・健康状態に合わせて運動量を決めましょう
- 運動だけでなく、減塩、節酒、禁煙などと組み合わせるほうが、より効果的です

メル美次の健康診断まで、半年続けてみようよ。結果が楽しみだね。
まとめ
- 脂質異常症の治療は生活習慣の改善が根幹
- 運動は中性脂肪を下げ、HDL(善玉)を増やす。HDLを増やす最低条件は週120分
- 有酸素運動を、ふつうに歩く以上の強さで、1日合計30分以上、できれば毎日(少なくとも週3日)。分けてもOK
- 効果が出るまで数か月以上。続けることが大切
- 始める前にメディカルチェック
参考文献
- 家光素行. 脂質異常症を改善するための運動. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2022年12月6日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-05-003.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。