
プレ男フットサルのとき、水はハーフタイムにちょっと飲むくらい。がまんしたほうが強くなる気がしてたんだけど…。

メル美わたしはランニングのとき、逆に飲みすぎてお腹がたぷたぷになっちゃう。ちょうどいい量ってあるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、運動中の水分補給の話です。日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」と「熱中症予防5ヶ条」をもとにまとめました。
汗は1時間に2リットルになることも
- 運動中の汗の量は、1時間に2リットルにもなることがあります
- 汗で脱水が体重の2%以上になると、運動能力や競技の成績への影響が大きくなります
- 前半で体重の2%の脱水がある選手は、ハーフタイムに水分をとらないと、後半の運動能力が20%下がるとされています
- 汗からは、水分と同時に塩分も失われます

プレ男がまんして強くなるどころか、後半バテるだけだったのか…。
目安は「体重の減少を2%以内」
- 水分補給の量の目安は、運動による体重の減少が2%を超えないようにすることです
- たとえば体重50kgの人なら、練習後の体重の減少が1kg以内におさまればよい、という計算です
- 汗の量は、体の大きさ、天気、運動の強さで大きくちがうので、一律には決まりません。運動が強く、気温が高く、体の大きい人は多めに、気温が低く、体の小さい人は少なめに、とされています
- 1時間前後の短い運動なら、「のどの渇き」に応じて自由に飲めば、脱水は2%以内におさまります。長い時間の運動や強い運動では、のどの渇きにたよらない計画的な水分補給が必要です
運動前後の体重で、汗の量を知る
- 運動の前後に体重を測ると、失われた水分の量がわかります
- 1時間あたりの汗の量は、次の式で計算できます
1時間あたりの汗の量 =(運動前の体重 − 運動後の体重 + 飲んだ量)÷ 運動時間(時間)
- ガイドブックは、運動の前後と毎朝起きたときに体重を測る習慣をすすめています
何を、どのくらい飲む?
| ガイドブックの目安 | |
|---|---|
| 量とタイミング(暑いとき) | 15〜20分ごとに150〜250ml |
| 塩分 | 0.1〜0.2%(100mlあたり食塩相当量0.1〜0.2g) |
| 糖質 | エネルギー補給も考えると4〜8%程度 |
| 温度 | 飲みやすい温度 |
(日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より)
- 0.1〜0.2%の食塩と糖質をふくむ飲み物が効果的で、一般のスポーツドリンクが利用できるとされています
- 糖質の濃度が高すぎると胃にたまりやすく、好ましくありません。適度な濃度の糖質は、水分や電解質の吸収をよくします
- 栄養成分表示の「食塩相当量」が100mlあたり0.1〜0.2gなら、0.1〜0.2%の食塩水にあたります

メル美ペットボトルの「食塩相当量」を見ればいいんだね。
飲みすぎにも注意:低ナトリウム血症
- 2002年、アメリカのマラソンで、水の飲みすぎによる低ナトリウム血症の死亡事故が続けて起きました。いずれも初心者の女性ランナーでした
- 軽いと症状がないこともありますが、だるさ、吐き気、嘔吐、筋肉のけいれん(こむら返り)などが出て、重くなると肺や脳のむくみから呼吸困難や意識障害が起き、亡くなることもあります
- 事故を起こしたランナーは、いずれも水を飲みすぎてレース後に体重がふえていました
- 走る速さがゆっくりでレース時間が長いほど、汗の少ない冬のレースほど、体重の軽い人ほど、水が多すぎる状態になりやすいとされ、一流ランナーより市民ランナーに注意が必要です
- 決められた量をむりに飲み続けるのは避け、のどの渇きに応じてこまめにとることで、飲みすぎも脱水も防げるとされています

水分補給の目安は「運動による体重の減少を2%以内」。運動の前後に体重を測ると、自分に合った量がわかります。運動のあとに体重がふえているなら、飲みすぎのサインです。
暑い日の運動は、ほかの対策もセットで
日本スポーツ協会の「熱中症予防5ヶ条」は、次の5つです。
- 暑いとき、無理な運動は事故のもと
- 急な暑さに要注意(夏の初めや、急に暑くなった日は軽い運動から)
- 失われる水と塩分を取り戻そう
- 冷やそう、からだの外から内から(軽装にする、休憩で防具を外すなど)
- 体調不良は事故のもと(疲れ・睡眠不足・発熱・かぜ・下痢のときは無理をしない)
- 暑さの目安になる「暑さ指数(WBGT)」と、運動の目安は熱中症は「暑さ指数(WBGT)」で判断の記事へ
- ふだんの1日の水分の量は水は1日どのくらい飲めばいい?、夏フェスの暑さ対策は夏フェスの楽しみ方もどうぞ
まとめ
- 運動中の汗は1時間に2リットルになることも。脱水が体重の2%以上になると運動能力に大きく影響
- 目安は体重の減少を2%以内(体重50kgなら1kg以内)。運動の前後に体重を測る
- 暑いときは15〜20分ごとに150〜250ml。塩分0.1〜0.2%・糖質4〜8%程度の飲み物(一般のスポーツドリンク)を
- 飲みすぎによる低ナトリウム血症にも注意。のどの渇きに応じてこまめに
参考文献
- 日本スポーツ協会. スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版). https://www.japan-sports.or.jp/portals/0/data/supoken/doc/heatstroke/heatstrokeguidebook/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 日本スポーツ協会. 熱中症予防5ヶ条. https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid917.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 日本スポーツ協会. スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック 6年ぶりに改訂(リーフレット). https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke/heatstroke_leaflet202506.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。