
プレ男「水は1日2リットル飲め」ってよく聞くけど、ほんとうにそんなに必要なの?トイレが近くなっちゃうよ。

メル美おばあちゃんは、トイレが近くなるからって、夏でもあんまり飲まないの。それも心配で。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、1日に飲む水の量の話です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の参考資料「水」と、厚生労働省のリーフレット「高齢者のための熱中症対策」(2022年)をもとにまとめました。
水は体重の約60%
- 水は、体重のおよそ60%を占める、体の中でいちばん多い成分です
- 細胞の中と外の液体をつくり、栄養を運ぶ、老廃物を出す、体温を調節するなどの働きをしています
- 体から出ていく水(尿、汗などの皮膚から、呼吸、便)と、入ってくる水は、ふつうは釣り合っています
必要な量と、実際にとっている量
- 研究から、水の必要量は、活動の少ない人で1日2.3〜2.5L、活動の多い人で3.3〜3.5Lほどと推定されています
- 日本人の大人(30〜76歳)242人を調べた研究では、1日の水分摂取量の平均は男性約2.4L、女性約2.0L、全体で約2.2Lでした
- 日本人は、パンより水分の多いごはんや麺をよく食べるため、約51%を食べ物から、約49%を飲み物からとっていました(欧米では食べ物からは20〜30%ほど)
- 季節では夏がいちばん多く、冬が少なめでした

プレ男半分は食べ物からとってるんだ。じゃあ「飲み物だけで2リットル」とは限らないんだね。
国の「目安量」はない
- 必要な量を性別・年齢・活動量ごとに決めるだけの研究が、まだそろっていません。そのため、食事摂取基準では、水の目安量は決められていません
- たくさん水を飲むことが健康によいという考えは広くありますが、科学的な根拠ははっきりしていないとされています。そのなかで、腎臓や尿管の結石の予防・再発予防、慢性腎臓病の予防・重症化予防については、いくつか報告があります
- 便秘については研究がありますが、結果は一致していません
高齢の人は「のどが渇く前に」
厚生労働省の高齢者向けの熱中症対策リーフレットでは、次のように呼びかけています。
- 飲み物で1日あたり1.2L(コップ約6杯)を目安に
- 1時間ごとにコップ1杯
- 入浴の前後や起きたあとも、まず水分・塩分を
- のどが渇いていなくても、こまめに
- 水分や塩分の量は、かかりつけ医の指示に従う(心臓や腎臓の病気などで、水分を制限されている人もいます)

高齢の人は、のどが渇いていなくても、1時間ごとにコップ1杯を目安にこまめに飲みましょう。病気で水分を制限されている人は、かかりつけ医の指示に従ってください。

メル美おばあちゃんには、起きたときとお風呂の前後に1杯ずつ、から始めてもらおう。
まとめ
- 水は体重の約60%。必要量は1日2.3〜2.5L(活動が多いと3.3〜3.5L)ほど
- 日本人の大人は平均約2.2L。約半分は食べ物から
- 国の目安量は決められていない。結石・慢性腎臓病の予防には報告あり
- 高齢の人は飲み物で1日1.2L、1時間ごとにコップ1杯、のどが渇く前に
- 病気で水分制限がある人はかかりつけ医の指示で
参考文献
- 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈参考〉水. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586571.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 厚生労働省. 高齢者のための熱中症対策(リーフレット, 2022年). https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/heatillness_leaflet_senior_2022.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。