
プレ男来年、フルマラソンに出てみたいんだ。でも健診で血圧が高めって言われてて…。走る前に病院で調べてもらったほうがいい?

メル美わたしは毎朝のウォーキングを始めたいだけ。それでも病院に行かなきゃだめなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、運動を始める前の健康チェックの話です。厚生労働省のe-ヘルスネットの「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(2024年3月更新)と「運動前の健康チェック 最近の考え方」(2023年3月更新)をもとにまとめました。運動中の注意は運動のけがを防ぐの記事にまとめています。
低〜中強度から少しずつなら、医学的評価は不要
- アメリカスポーツ医学会は2017年に、運動前の健康チェックの考え方を変えました。それまでの方法では、男性と40歳以上の女性の95%が受診をすすめられる対象になり、運動を始める壁になっていたためです
- 新しい考え方では、次の3つで判断します
- いまの運動の習慣
- 心臓・血管の病気、糖尿病、腎臓の病気があるか、その症状があるか
- これから始める運動の強さ
- ふだん運動していない人は、日常生活の強さに合わせて低〜中強度から少しずつ始めます。多くの場合、特別な医学的評価なしに運動を始められます
- いまより高い強度の運動を新たに始めるときは、医学的評価が必要です。市民マラソンなど高強度の運動を始める前には、しかるべき医学的評価が必要なことが強調されています

メル美ウォーキングを少しずつなら、特別な検査はいらないことが多いんだ。マラソンは別なんだね。
急な高強度の運動はとくに注意
- 急に行う高強度の運動では、心筋梗塞や突然死の危険が安静時の6倍(研究によっては17倍)になると報告されています。ただ、起こる頻度はきわめて少なく、ふつうは前もって何かのサインがあるので、それを見逃さないことが大切です
- ふだんから体を動かしている人ほど、高強度の運動のときに起こる心筋梗塞や突然死が少ないことも報告されています。いちばん危険なのは、ふだん運動しない人が急に高強度の運動をするときです
高血圧の人の注意
- 毎回の運動前に体調を確かめ、血圧と脈拍を測って記録しましょう
- 上180/下110mmHgのときは、運動を控えて休みましょう(健診の血圧の見方は健診の血圧の判定)
- 一部の降圧薬(カルシウム拮抗薬、α遮断薬、β遮断薬など)は心拍数に影響するため、心拍数が運動の強さの目安になりません。自分が感じるきつさ(主観的運動強度)を参考にしましょう
- 高齢の人では、睡眠薬、抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、血糖を下げる薬などが転倒の原因になることもあります

低〜中強度の運動を少しずつ始めるなら、多くの場合、特別な医学的評価は必要ありません。いまより高い強度の運動を新たに始めるときは、医学的評価を受けましょう。血圧が180/110mmHgのときは、運動を控えて休みましょう。
毎回の運動で
- 当日の体調と天気を確かめる。ある程度の強さの運動ではウォームアップを必ず
- 胸の痛み・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもとちがう強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などを感じたら、ただちに中止
- 運動を急にやめると、血圧低下や不整脈が起こることがあるので、運動後は5〜10分のクールダウン(軽い動き)を
- 血圧と運動の関係は運動で血圧は下がる?の記事もどうぞ

プレ男マラソンをめざすなら、まず病院で評価を受けて、毎朝血圧を測ってから走るようにするよ。
まとめ
- 低〜中強度から少しずつなら、多くは医学的評価なしで始められる
- いまより高い強度を新たに始めるなら、医学的評価を
- 心臓・血管の病気、糖尿病、腎臓の病気やその症状がある人は事前に相談
- 高血圧の人は毎回、血圧・脈拍を測る。180/110mmHgの日は運動を控える
- 心拍数を下げる薬を飲む人は「きつさ」で強度を決める。運動後は5〜10分のクールダウン
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント(最終更新日:2024年3月19日). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-008.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 運動前の健康チェック 最近の考え方(最終更新日:2023年3月29日). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-06-003.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。