性病と間違えやすいもの2026年10月10日

陰部の赤み・ただれが長引く…湿疹やいんきんたむしではなく「乳房外パジェット病」のことも:陰嚢や大陰唇などにできるまれな皮膚がん。日本では70歳代に多く、男性にやや多い。多くはゆっくり進み、早く見つければ手術で治ることが多い

陰部の赤み、ただれ、かゆみがなかなか治らない——それは湿疹やカビ(いんきんたむし)ではなく、まれな皮膚がん「乳房外パジェット病」のことがあります。日本皮膚科学会などの「乳房外パジェット病診療ガイドライン2025」によると、日本では年間約1,050人が新たに診断され、70歳代がピークで、アジアでは男性にやや多い(男女比1.5〜1.7:1)とされます。陰部にもっとも多く、男性は陰嚢、女性は大陰唇に多くできます。湿疹との区別が大切で、診断には皮膚の一部をとる検査(生検)が必要です。

目次
  1. どんな病気?
  2. どれくらいの人がかかる?
  3. 見た目:湿疹とまちがえやすい
  4. 診断と治療
  5. 性病とのちがい
  6. まとめ

プレ男おじいちゃんが、陰部の赤いただれが何年も治らないって。いんきんたむしの薬を塗っても変わらないらしい……。

メル美性病かと心配してるみたい。でも、ずっと治らないなら、ほかの病気のこともあるのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、陰部の赤み・ただれが長引くときに知っておきたい「乳房外パジェット病」の話です。日本皮膚科学会・日本皮膚悪性腫瘍学会の「乳房外パジェット病診療ガイドライン2025」(日皮会誌135巻1号)をもとにまとめました。皮膚がん全体については、顔の「テカテカしたほくろ」や「治らない湿疹」の記事も見てください。

どんな病気?

ガイドラインによると、

どれくらいの人がかかる?

ガイドラインによると、

見た目:湿疹とまちがえやすい

ガイドラインによると、

ダーモスコピー(皮膚を拡大して見る検査)の所見を比べた報告でも、湿疹、皮膚の真菌症(いんきんたむしなど)、ボーエン病などとの区別が問題になっています(股部白癬(いんきんたむし))。

陰部の赤みやかゆみの多くは、湿疹やカビ、かぶれです。でも、薬を塗っても長く治らないときは、皮膚科で相談を。性病ではないかと心配で受診をためらっていた人も、遠慮なく。

診断と治療

ガイドラインによると、

性病とのちがい

まとめ


参考文献

  1. 皮膚がん診療ガイドライン策定委員会(乳房外パジェット病診療ガイドライングループ). 皮膚がん診療ガイドライン第4版 乳房外パジェット病診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会・日本皮膚悪性腫瘍学会). 日皮会誌 135(1): 1-36, 2025(PDF). https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/Paget%E2%80%99s2025.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。