股部白癬(いんきんたむし)とは?股のかゆい赤い輪っかは性病?治し方と注意点
足のつけ根や股にできる、かゆい赤い輪のような発疹。股部白癬(いんきんたむし)は、水虫と同じカビ(白癬菌)による皮膚の病気です。特徴、うつり方、治し方、ステロイドの塗り薬で悪化すること、性行為でうつる新しいタイプまでまとめました。

プレ男股のところが、赤い輪っかみたいになってかゆいんだけど…。
こんにちは、Dr. Taro です。 「股がかゆくて、赤い輪っかのような発疹が広がってきた」——それは股部白癬(こぶはくせん)、いわゆるいんきんたむしかもしれません。
股部白癬ってなに?
股部白癬は、白癬菌(はくせんきん)というカビが、股や足のつけ根の皮膚に感染しておこる病気です。
- 水虫(足白癬)と同じ仲間のカビが原因です
- いわゆる性病とは違いますが、正常でもないので、治療が必要です
- 多くは、自分の足の水虫から、股にうつってきたものとされています
特徴
- 丸〜楕円形、または輪のような形の赤い発疹が、輪を描くように外側へ広がっていきます
- 輪の中は、少し治っているように見えるのが特徴です
- 強いかゆみがあります
股のかゆい発疹に、自己判断でステロイドの塗り薬を使うと、かえって悪化することがあります。まずは受診してくださいね。
ステロイドの塗り薬で悪化することも
日本皮膚科学会によると、股部白癬は湿疹と間違えられやすく、ステロイドの塗り薬を使うと、かえって悪化することがあります。 市販の「かゆみ止め」や、以前もらった塗り薬を、自己判断で塗らないようにしましょう。
ほかの病気との違い
股のかゆみや赤みは、ほかの原因でもおこります。
- カンジダ:股や陰部の赤み、ただれ。女性では、おりものの変化を伴うこともあります
- ケジラミ:陰毛のあたりの強いかゆみ。発疹はないことが多く、陰毛に虫や卵がついています
- 湿疹・かぶれ:下着や洗いすぎなどによるもの
見た目だけでは見分けにくいので、受診しましょう。
検査・診断は?
皮膚の表面を少しとって、顕微鏡で白癬菌がいるかを調べます(KOH直接鏡検)。数分で結果が分かります。
治療は?
- 水虫の塗り薬(抗真菌薬)で治療します
- 日本皮膚科学会によると、股部白癬は、塗り薬を2週間ほどきっちり塗り続ければ治るとされています
- 症状がよくなっても、途中でやめると再発することがあります
- 足の水虫があれば、一緒に治療しないと、またうつってしまいます
股部白癬が疑われるときは、皮膚科を受診しましょう。
うつり方と予防
- 多くは、自分の足の水虫からうつります。家族の水虫から、足ふきマット、床、布団などを介してうつることもあります
- 蒸れると悪化しやすいので、股を清潔に、乾いた状態に保ちましょう
- タオルを家族と共用しないようにしましょう
性行為でうつる新しいタイプ
近年、ヨーロッパなどで、性行為でうつる白癬菌(トリコフィトン・メンタグロフィテス遺伝子型VII)が報告されるようになっています。陰部、恥骨のあたり、顔、体などに、痛みのある、うみをもった発疹ができるのが特徴とされています。
薬を塗っても陰部の赤みやただれが長く治らないときは、まれな皮膚がんの乳房外パジェット病のこともあります。
まとめ
- 股部白癬(いんきんたむし)は、水虫と同じ白癬菌(カビ)による皮膚の病気
- 輪を描くように広がる、かゆい赤い発疹。輪の中は少し治っているように見える
- ステロイドの塗り薬で悪化することがあるので、自己判断で塗らない
- 塗り薬を2週間ほどきっちり塗る。足の水虫も一緒に治す
- 最近は、性行為でうつる白癬菌も報告されている
参考文献
- 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A:白癬(水虫・たむしなど). https://qa.dermatol.or.jp/qa10/index.html (閲覧日:2026年9月26日)
- Reid C, et al. First draft genome sequence of the emerging sexually transmitted dermatophyte Trichophyton mentagrophytes genotype VII. Med Mycol. 2026;64:myag065. https://doi.org/10.1093/mmy/myag065 (閲覧日:2026年9月26日)
- Gupta AK, et al. Dermatophytes: Global Pandemic, Multidrug Resistance, Human-to-Human, and Sexual Transmission. Cold Spring Harb Perspect Med. 2026;16:a042004. https://doi.org/10.1101/cshperspect.a042004 (閲覧日:2026年9月26日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
