おしっこの痛みに「熱」が加わったら要注意:女性は腎盂腎炎、男性は急性前立腺炎のことも。膀胱炎とのちがいと受診の目安
おしっこが近い、しみる、残った感じがする——そこに熱やだるさ、腰や背中の痛みが加わったら、細菌が腎臓や前立腺まで広がっているかもしれません。日本泌尿器科学会によると、女性では腎盂腎炎、男性では急性細菌性前立腺炎の可能性が高く、糖尿病などがある人は重症化して命に関わることも。できるだけ早く受診してほしい理由をまとめました。

メル美膀胱炎っぽくて様子を見てたら、熱が出て、背中まで痛くなってきたの…。

プレ男オレも前に、おしっこが出にくくて熱が出たことがあったな。男でもあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、おしっこの症状に「熱」が加わったときの話です。日本泌尿器科学会の一般向け解説をもとにまとめました。
熱が出たら「膀胱の先」まで広がっているかも
日本泌尿器科学会によると、
- 頻尿、おしっこの痛み、残尿感などの症状に熱が加わったときは、腎臓、前立腺、精巣上体などに細菌が感染している可能性があります
- とくに、糖尿病、尿路結石、前立腺肥大症など、尿路の感染を起こしやすい病気がある人は重症化しやすく、ときには命に関わることもあります
- できるだけ早く泌尿器科を受診してください
女性に多い:腎盂腎炎(じんうじんえん)
- 女性は、尿道が短いなどの理由で、大腸菌などの細菌が尿道から入りやすく、男性より尿路の感染症が起こりやすいとされています
- 細菌が膀胱に入ると膀胱炎、さらに腎臓までさかのぼると腎盂腎炎になります
- 症状は、膀胱炎の症状に加えて、熱、全身のだるさ、腰や背中の痛み。吐き気や嘔吐が出ることもあります
- セックスのあとの膀胱炎については、性交後膀胱炎の記事もどうぞ

メル美背中が痛いのは、腎臓まで広がったサインかもしれないんだ。
男性に多い:急性細菌性前立腺炎
- 男性が腎盂腎炎になることはまれで、おしっこの症状に熱をともなうときは、急性細菌性前立腺炎の可能性が高いと考えられます
- 熱、全身のだるさに加えて、おしっこの痛み、頻尿、急にがまんできなくなる尿意、おしっこが出にくい、下腹部や会陰部(タマとおしりの間)の痛みが出ます
- 前立腺が腫れて、おしっこがまったく出なくなる(尿閉)こともあります
- 熱と陰嚢の痛み・腫れがあるときは、精巣上体炎のこともあります
治療
- 全身の状態が比較的よい軽症なら、飲み薬の抗菌薬で外来で治療できます
- 食欲がない、脱水、だるさが強いなどの重症では、入院して点滴で治療します。熱が下がれば、飲み薬に切りかえて治療を続けます
若い男性では、性感染症のことも
- 精巣上体炎は、尿道炎から菌が上がってきて起こることがあり、淋菌やクラミジアが原因になります。日本のガイドラインでは、中年以下の急な精巣上体炎の多くはクラミジアが原因とされています
- 一方、前立腺炎の原因にクラミジアがなるかどうかは、ガイドラインでも「まだ議論がある」とされています
- 心当たりがあるときは、性感染症の検査もあわせて相談しましょう。くわしくは精巣上体炎の記事もどうぞ

プレ男熱が出たら、市販薬でがまんしないで、すぐ泌尿器科だね。

おしっこの症状に熱が加わったら、腎臓や前立腺まで感染が広がっているかもしれません。できるだけ早く受診してください。
まとめ
- おしっこの症状+熱は、腎臓・前立腺・精巣上体の感染のサインかも
- 女性は腎盂腎炎(熱、腰や背中の痛み)、男性は急性細菌性前立腺炎(熱、排尿困難、会陰部の痛み)のことが多い
- 糖尿病、尿路結石、前立腺肥大症がある人は重症化しやすい
- できるだけ早く泌尿器科へ。重症なら入院で点滴
参考文献
- 一般社団法人日本泌尿器科学会. 排尿症状を伴う発熱がある(一般のみなさま). https://www.urol.or.jp/public/symptom/22.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 日本感染症学会・日本化学療法学会. JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2018―男性尿道炎とその関連疾患―. 感染症学雑誌 2018;92(3):313-. https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC2018_maleurethritis1805.pdf (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。