精巣上体炎とは?タマの横が腫れて痛い。若い人ではクラミジアや淋菌が原因のことが多い。「急な激痛」は精巣捻転かもしれないので今すぐ病院へ
陰のう(タマの袋)の中が腫れて痛い、熱も出てきた——精巣上体炎は、尿道炎から細菌が上がってきて起こることが多く、中年以下ではクラミジアが主な原因とされます。一方、急に激しく痛むときは、6〜8時間以内の治療が必要な精巣捻転の可能性も。見分けのポイントと、検査・治療の流れ、パートナーのことをまとめました。

プレ男タマの片方が、なんだか腫れて痛いんだ…。恥ずかしくて、病院に行きづらいよ。

メル美我慢しちゃダメだよ!どんなときに急いだほうがいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、陰のう(タマの袋)の中が腫れて痛む病気、精巣上体炎の話です。恥ずかしがらなくて大丈夫。泌尿器科や性感染症の外来では、よくある相談です。
まず大事なこと:急な激痛は、今すぐ病院へ
突然、陰のうが激しく痛くなったときは、精巣捻転(せいそうねんてん)の可能性があります。
- 精巣捻転は、精巣に血液を送る管がねじれて、血が通わなくなる病気です
- 日本小児泌尿器科学会によると、思春期に多く、夜、寝ているときに突然起こることが多く、陰のうだけでなく下腹部の痛みや吐き気をともないます
- 発症から6〜8時間以内に治療しないと、精巣が壊死(えし)してしまいます。夜中でも、泌尿器科に対応できる病院を急いで受診してください
- 米国CDCも、精巣捻転は緊急の手術が必要で、精巣上体炎と見分けることが大切だとしています

プレ男6時間って、朝まで待ってたら間に合わないかもしれないんだ…。
精巣上体炎ってどんな病気?
- 精巣上体は、精巣(タマ)のうしろ側にくっついている、精子の通り道です
- 日本感染症学会・日本化学療法学会のガイドライン(2018年)によると、尿道炎から菌が上がってきて精巣上体炎になることがあり、淋菌やクラミジアが原因になります。中年以下の急な精巣上体炎の多くは、クラミジアが原因とされています
- 米国CDCは、原因として、クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウムなどの性感染症のほか、アナルセックスで挿入する側では大腸菌などの腸の菌、35歳を超える人では、前立腺肥大などに関係した性感染症以外の菌もあげています
症状
- 片側の陰のうの中の痛みと腫れ、さわると痛い
- 熱が出ることが多く、高い熱のこともあります
- おしっこのときの痛みやうみなど、尿道炎の症状をともなうことが多い(ただし、尿道炎の症状がないこともあります)
- ガイドラインによると、原因によって症状の強さはちがいます
- 淋菌が原因のとき:腫れと痛みが強く、歩きにくいほどのこともあります。治療しないと両側に広がり、治療後に精子がいなくなる(無精子症)ことがあります
- クラミジアが原因のとき:ほかの菌にくらべて腫れは軽く、熱も軽いことが多いとされています

メル美放っておくと、赤ちゃんをつくる力にも関わるんだね。
検査と治療
- おしっこの検査(炎症の有無、淋菌・クラミジアの遺伝子検査)などで調べます。精巣捻転が疑われるときは、超音波検査を行います
- 治療は、原因に合わせた抗菌薬です。淋菌が疑われるときはセフトリアキソンの注射、クラミジアが疑われるときはドキシサイクリンなどの飲み薬が使われます(CDCのガイドライン)
- あわせて、安静にする、陰のうを持ち上げる、痛み止めも使われます
- CDCは、治療を始めて72時間(3日)たってもよくならないときは、もう一度診察を受けるべきだとしています
パートナーのこと
- 精巣上体炎が性感染症によるものなら、パートナーも感染している可能性があります
- CDCは、症状が出る前の60日間のパートナーにも、検査と治療をすすめています
- 自分とパートナーの治療が終わり、症状がなくなるまで、セックスはお休みしましょう
- パートナーへの伝え方に悩んだら、パートナーにどう伝える?、クラミジア、淋菌の記事も参考にしてください

突然の激しい痛みは、精巣捻転かもしれません。夜中でも、急いで病院に行ってください。
まとめ
- 突然の激痛は精巣捻転の可能性。6〜8時間以内の治療が必要なので、夜中でもすぐ病院へ
- 精巣上体炎は、尿道炎から菌が上がって起こることが多く、中年以下ではクラミジアが主な原因とされる
- 淋菌が原因のときは症状が強く、治療しないと精子がいなくなることも
- 原因に合わせた抗菌薬で治療。3日たってもよくならなければ再受診
- パートナーも検査・治療を
参考文献
- 日本感染症学会・日本化学療法学会. JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2018―男性尿道炎とその関連疾患―. 感染症学雑誌 2018;92(3):313-. https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC2018_maleurethritis1805.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Epididymitis. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/epididymitis.htm (閲覧日:2026年9月29日)
- 日本小児泌尿器科学会. 小児の急性陰嚢症. https://jspu.jp/ippan_021.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。