
メル美ずっと胃がもたれて、少し食べるとすぐおなかいっぱいになるの。胃カメラでは「きれいですよ」って言われたのに…。

プレ男異常がないなら気のせい…ってわけじゃないよね?ぼくも仕事が忙しいと、みぞおちが痛くなるんだ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、機能性ディスペプシア(FD)の話です。日本消化器病学会の「患者さんとご家族のための機能性ディスペプシアガイド2023」をもとにまとめました。
「異常がないのに続く」胃の不調
- ディスペプシアとは、胃の痛みやもたれなどの、おなかの不快な症状を指す医学用語です
- 機能性ディスペプシアは、症状の原因になるはっきりした異常(胃がん・胃潰瘍、糖尿病などの病気)がないのに、慢性的にみぞおちの痛みや胃もたれなどが続く病気です
- これまでは「慢性胃炎」と説明されることもありましたが、胃の炎症(多くはピロリ菌による)があっても症状がないこと、逆に炎症がなくても症状があることも多く、FDと慢性胃炎は別ものとされています
- 主な症状は、食後のもたれ感、早期飽満感(食べはじめてすぐおなかがいっぱいになる)、みぞおちの痛み、みぞおちの焼けるような感じです
ありふれた病気
- 健診を受けた人の11〜17%、上腹部の症状で病院にかかった人の45〜53%に見つかるといわれています
- 生活の質が下がる病気ですが、治療で症状がよくなれば回復します。症状が強い人は、がまんせずに早めに相談しましょう

メル美病院にかかった人の約半分がFDなんだ。気のせいじゃなくて、ちゃんとした病気なんだね。
原因はひとつではない
いくつかの原因が組み合わさって症状が出ると考えられています。
- 胃や十二指腸の動きの異常(食べた物を送り出すのが遅すぎる・早すぎる、食事のときに胃がふくらまない)
- 知覚過敏(弱い刺激でも症状が出やすい)
- 心理的な要因(不安・抑うつなど。脳と腸はたがいに影響しあっています)
- 胃酸の刺激
- 遺伝的な要因
- 感染性胃腸炎のあと(サルモネラなどの胃腸炎が治ったあとも症状が続くことがある)
- 喫煙、不眠、早食いなどの生活習慣
- 十二指腸などの小さな炎症
ピロリ菌に感染している場合は、除菌で症状がよくなることがあります。除菌から半年〜1年たって症状がよくなった場合は、「ピロリ関連ディスペプシア」として、FDとは区別されます(胃がんとピロリ菌)。
生活で気をつけること
- おなかいっぱいまで食べず、少しずつ分けて食べる
- カロリーが高く脂っこい食事を避ける
- お酒やコーヒーを控え、禁煙する
- 睡眠不足、運動不足、不規則な食事時間を見直す
- どんな治療でもすぐに完全によくなるとは限らないので、まずは今より症状が軽くなることをめざしましょう

機能性ディスペプシアでは、おなかいっぱいまで食べずに少しずつ分けて食べ、脂っこい食事やお酒・コーヒーを控え、禁煙することで、症状が軽くなることが期待されます。
検査と治療
- 年齢、病歴、症状などから総合的に診断します。吐くのをくり返す、熱がある、体重が減る、治療を始めてもよくならないときなどは、胃がんや胃・十二指腸潰瘍などでないことを確かめるために、胃カメラやピロリ菌の検査、血液検査、超音波・CT検査などを行います
- 治療は主に飲み薬で、まず胃酸を抑える薬、胃の動きをよくする薬、漢方薬などが使われます。効かないときは、抗不安薬・抗うつ薬などが使われることもあります
- 胸やけや酸っぱいものが上がってくる症状が中心なら、胃食道逆流症(胸やけ)の記事もどうぞ

プレ男忙しいとコーヒーばっかり飲んで、早食いしてた。まずは少しずつ、ゆっくり食べてみるよ。
まとめ
- 胃カメラで異常がないのに、胃もたれ・みぞおちの痛みが慢性的に続くのが機能性ディスペプシア
- 健診を受けた人の11〜17%、病院にかかった人の45〜53%
- 原因は胃の動き・感じ方・ストレス・生活習慣などの組み合わせ
- 少しずつ食べる、脂っこい食事・お酒・コーヒーを控える、禁煙
- 吐くのをくり返す・熱・体重減少などがあれば、胃カメラなどの検査を
参考文献
- 日本消化器病学会(協力:日本消化管学会、日本神経消化器病学会). 患者さんとご家族のための機能性ディスペプシアガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/fd_2023.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。