
プレ男飲み会のあと、寝ようとすると胸がジリジリ焼ける感じがして、のどに酸っぱいのが上がってくるんだ。

メル美それ、逆流性食道炎じゃない?うちのお父さんも同じことを言ってた。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、胸やけ・逆流性食道炎(胃食道逆流症)の話です。日本消化器病学会の「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」をもとにまとめました。
どんな病気?
- 主に胃酸が食道へ逆流して、胸やけ(みぞおちの上が焼けるようにジリジリする、しみる感じ)や呑酸(どんさん:酸っぱい液が上がってくる感じ)が起こったり、食道の粘膜がただれ(食道炎)たりする病気です
- 胸がつまるような痛み、のどの違和感、長引くせきが出る人もいます
- 胃酸の逆流は食後2〜3時間までに起こりやすいので、食後にこうした症状があれば、逆流を考えます
- 食道炎がなく症状だけの「非びらん性逆流症」もあり、これも胃食道逆流症にふくまれます
大人の10〜20%
- 胃腸の病気の中でもとくに多い病気のひとつで、大人の10〜20%がかかっていると推測されています
- 食生活の欧米化や、ピロリ菌に感染していない人がふえて、胃酸がよく出る胃の人が多くなったことなどから、1990年代後半から増えています
- 命にかかわる病気ではありませんが、食事を楽しめない、ぐっすり眠れないなど、生活の質が下がります

プレ男大人の10〜20%もいるんだ。ピロリ菌がいない人のほうが、胃酸がよく出るからなりやすいのか。
生活で避けたほうがよいこと
| 生活 | 食事 |
|---|---|
| おなかの締めつけ | 食べすぎ |
| 重い物を持つ | 寝る前の食事 |
| 前かがみの姿勢 | 脂っこい食事 |
| 右を下にして寝る | 甘いものなど |
| 肥満 | お酒 |
| 喫煙 | チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、みかんなどの柑橘類 |
(日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」より)
- どのくらいよくなるかは人によってちがいますが、とくに改善効果が高いとわかっているのは、①減量(肥満の解消)と、②上半身をやや高くして寝ることです
- ガイドは、寝る前3時間の食事を避けることも、生活の見直しとして挙げています

胸やけの改善にとくに効果が高いのは、減量と、上半身を少し高くして寝ることです。寝る前3時間は食べないようにしましょう。
検査と治療
- 診断は、症状と胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で行います。胃カメラは必須ではありませんが、食道がんや胃・十二指腸潰瘍などのほかの病気でないことを確かめるために、なるべく受けることが望ましいとされています
- 検査を受けずに薬を飲んで、症状が完全によくならないときは、ほかの病気の可能性があるため、必ず内視鏡検査を受けましょう
- 治療の中心は、胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬〔PPI〕、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー〔P-CAB〕)です。4〜8週間飲むと、多くの人で症状がよくなり、食道炎も治ります
- 食道炎が重かった人は、薬をやめると食道が狭くなる、バレット食道、食道腺がんなどにつながる可能性があるため、症状がよくなっても薬を続けることがすすめられます。軽い人は、生活に気をつけるだけで過ごせることもあります
- 薬で十分によくならない、大きな食道裂孔ヘルニアがあるなどの場合は、手術(多くは腹腔鏡)が選ばれることもあります
食道以外の症状も
胃食道逆流症が原因で、胸の痛み、慢性的なせき、ぜんそく、のどの炎症、睡眠障害、歯が酸で溶ける(酸蝕症)などが起こることがあるといわれています。
- 胃がんとピロリ菌は胃がんとピロリ菌、減量の目標は減量の目標は年代別のBMIと3〜4%、コーヒーやエナジードリンクはカフェインはどこまでOK?の記事もどうぞ

メル美飲み会のシメのラーメンはやめて、寝る3時間前までに食べ終わろうね。続くなら胃カメラも受けてみて。
まとめ
- 胃食道逆流症は胃酸の逆流で胸やけ・呑酸。大人の10〜20%
- 悪化させるのは食べすぎ・寝る前の食事・脂っこい食事・お酒・コーヒー・炭酸・肥満・喫煙など
- 効果が高いのは減量と上半身を高くして寝ること
- 胃酸を抑える薬を4〜8週間で多くの人がよくなる
- 胃カメラでほかの病気でないことを確かめる。薬でよくならなければ必ず検査
参考文献
- 日本消化器病学会(協力:日本消化管学会、日本食道学会). 患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/gerd_2023.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。