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「ウイルス罪」とは?人のパソコンで意図に反して動く不正なプログラムを作る・ばらまくと3年以下の拘禁刑。サイトに仕込んだマイニングは罪になる?最高裁が無罪としたコインハイブ事件(令和4年)を原文で読む

2026年10月12日 時点

刑法168条の2・168条の3は、人がパソコンやスマホを使うときに、その意図に反する動作をさせる「不正な指令」を与えるプログラムを、正当な理由なく作る・提供する・実行させると3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、取得・保管すると2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と定めています(不正指令電磁的記録に関する罪、いわゆるウイルス罪)。ウェブサイトに、閲覧者のパソコンで暗号資産のマイニングをさせるプログラムを置いた事件で、最高裁(令和4年1月20日)は、意図に反する動作だとは認めつつ、社会的に許容しえないとはいえず「不正」ではないとして、無罪としました。条文と判決の原文で解説します。

目次
  1. 条文:作る・ばらまく・持つ
  2. コインハイブ事件のあらまし(判決より)
  3. 最高裁の判断
  4. ふだん気をつけたいこと
  5. まとめ

プレ男自分のサイトに、見ている人のパソコンで仮想通貨をマイニングするコードを入れたら、罪になるの?

メル美それ、実際に裁判になって、最高裁まで争われたんだって。「ウイルス罪」の条文から読んでみよう。

今回は、不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス罪)です。刑法(明治40年法律第45号)の条文をe-Gov法令検索で、最高裁判所第一小法廷 令和4年1月20日判決(令和2年(あ)第457号)を裁判所ウェブサイトの原文で確認しました。この記事は一般的な情報です。実際の事件について罪になるかどうかは、警察・検察・裁判所の判断によります。

条文:作る・ばらまく・持つ

行為 条文 刑
正当な理由なく、人のパソコンで実行させる目的で、不正なプログラムを作る・提供する 168条の2第1項 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
正当な理由なく、不正なプログラムを人のパソコンで実行させる 168条の2第2項 同上(未遂も罰する)
正当な理由なく、同じ目的で、不正なプログラムを取得する・保管する 168条の3 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

コインハイブ事件のあらまし(判決より)

裁判 結論 理由のポイント
第1審 無罪 反意図性はある。しかし社会的に許容されていなかったとはいえず、不正性はない
控訴審(原判決) 有罪・罰金10万円 閲覧者に利益がなく、知る機会も拒む機会もない。反意図性も不正性もある
最高裁(令和4年1月20日) 原判決を破棄、無罪(検察官の控訴を棄却) 反意図性はあるが、不正性はない

最高裁の判断

何を守る罪か

反意図性:あった

不正性:なかった

プレ男じゃあ、マイニングのコードなら何を入れても大丈夫ってこと?

メル美そうは言ってないよ。最高裁も、閲覧者に知る機会や拒む機会がないなど「より適切な利用方法等が採り得た」と書いているの。この事件の事実をもとにした判断なんだ。

最高裁が「より適切な方法があった」と書いた点

ふだん気をつけたいこと

最高裁は、ウイルス罪になるのは、使う人の意図に反し、しかも社会的に許容しえないプログラムだとしました。コインハイブ事件では、意図に反するとは認めたものの、不正とはいえないとして無罪でした。

まとめ


参考文献

  1. 刑法(明治40年法律第45号)第168条の2・第168条の3. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 最高裁判所第一小法廷 令和4年1月20日判決(令和2年(あ)第457号 不正指令電磁的記録保管被告事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-90869.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。