大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

森鴎外『普請中』築地の工事中のホテルで、役人の渡辺は、ドイツ語で話す昔の恋人と再会する。「キスをして上げてもよくって」「ここは日本だ」——乾杯の言葉は、彼女の新しい恋人の名前だった

No.0822026年10月12日

森鴎外の短編『普請中』(明治43年6月、『三田文学』初出)。参事官の渡辺は、雨あがりの夕方、工事の音がひびく築地の精養軒ホテルで人を待っています。ふしぎなことに、待っているという気持ちが少しもしない。やってきたのは、昔たびたび見た大きな褐色の目の、ドイツ語で話す女でした。いまは歌手として、ポーランド人の伴奏者コジンスキイと旅をしていて、これからアメリカへ行くと言います。「日本はまだ普請中だ」「ここは日本だ」——冷ややかにふるまう渡辺と、ふるえる手でシャンパンの杯をあげた女の、短い晩餐を、青空文庫の原文で紹介します。

目次
  1. 工事中のホテル
  2. 「待っている」気がしない
  3. 褐色の大きな目
  4. 「日本はまだ普請中だ」
  5. 「ここは日本だ」
  6. 銀座を走る一輛の車
  7. まとめ

メル美森鴎外って、『舞姫』でドイツの恋の話を書いた人だよね。

プレ男『普請中』は、ドイツ語で話す昔の恋人が、日本にやってくる話なんだって。

今回は、森鴎外の短編『普請中』(ふしんちゅう)です。青空文庫の原文(底本:『日本の文学2 森鴎外(一)』中央公論社。初出は『三田文学』明治43年(1910年)6月)で読みました。鴎外のドイツの恋は『舞姫』の記事でも紹介しています。

工事中のホテル

「待っている」気がしない

プレ男人を待っているのに、どうでもいい、って…。何があったんだろう。

褐色の大きな目

「日本はまだ普請中だ」

「ここは日本だ」

メル美乾杯の言葉が、彼女の新しい恋人の名前…。冷たいふりをしているのは、渡辺のほうも同じなのかもしれないね。

銀座を走る一輛の車

『普請中』で渡辺は、女の「キスをして上げてもよくって」に「ここは日本だ」と答え、杯をあげて女の新しい恋人の名をよびます。黙って杯をあげた女の手は、人には知れぬほどふるえていた、と書かれています。

まとめ


参考文献

  1. 森鴎外. 普請中(底本:『日本の文学2 森鴎外(一)』中央公論社). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card45255.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。