料理やキャンプのガストーチ、ボンベを傾けすぎると大きく燃えあがる:点火はボンベを立てて、使用中も45度までが目安。接続が斜めでガスもれ→引火した例も。2026年2月から「PS-LPG」マークが義務に【NITE】
チーズに焼き目をつけたり、キャンプで炭に火をつけたり。手軽なガストーチ(カセットボンベ式)ですが、NITE(製品評価技術基盤機構)によると、ボンベを傾けすぎて大きく燃えあがった例や、ボンベを斜めに差しこんで接続が不完全になり、もれたガスに引火した例があります。ボンベを大きく傾けると、気化していない液体の燃料がバーナーから霧のように出て、大きく燃えあがることがあります。点火はボンベを立てた状態で、使用中も傾けるのは45度までが目安。使う前にガスもれの音やにおいがないか確かめましょう。2026年2月6日からは「◇PS-LPG」マークの表示が義務になりました。

プレ男ガストーチでチーズをあぶると、お店みたいな焼き目がつくんだよ。かたむけて、いろんな角度からあぶるのがコツ!

メル美傾けすぎると、大きく燃えあがることがあるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回はガストーチの安全な使い方です。NITE(製品評価技術基盤機構)の製品安全情報マガジン Vol.501「ガストーチの事故」(2026年5月26日)をもとにまとめました。
こんな事故がありました
- ボンベの傾けすぎ:パンにのせたチーズに焼き目をつけていたら、本体付近から出火。ガスもれなどの異常はなく、ボンベを傾けすぎたため、異常な燃え方をして大きく燃えあがったと考えられます(2024年、20代女性)
- 接続が不完全:点火したら、ボンベの接続部付近から出火し、まわりが焼けた。ボンベの切りかきを合わせずに斜めに差しこんだあとがあり、接続が不完全でもれたガスに引火したと考えられます(2023年、60代男性)
- 部品の不良:ボンベの接続部や火力調整つまみのOリング(ゴムのパッキン)の不良で、ガスがもれて出火した例(リコール品をふくむ)

プレ男いろんな角度からあぶるの、危なかったのか…。
なぜ傾けると危ない?
- ボンベを大きく傾けたり逆さにしたりすると、気化していない液体の燃料(生ガス)がトーチに流れこみ、バーナーから霧のように出ます。そこに火がつくと、大きく燃えあがることがあります
- ガストーチには、大きく傾けても安全に使えるタイプと、使えないタイプがあります。使える角度や注意は製品ごとにちがうので、取扱説明書を必ず確かめましょう
使うときのポイント
1. 点火はボンベを立てた状態で
- どちらのタイプでも、傾けたまま点火すると異常な燃え方をするおそれがあります
- 使用中に傾けて異常な燃え方になったら、すぐにボンベを立てる
- 傾けても使えるタイプでも、大きく傾けたまま長く使うと、熱でバーナーなどがいたむおそれがあります。取扱説明書に指示がなければ、傾けるのは45度までが目安です
2. 使う前に点検する
- ボンベをつける前に、接続部やバーナーに異物がついていないか確かめる
- 火の元から離れた場所でボンベをつけ、しっかり固定されているか確かめる
- 「シュー」というガスがもれる音やガスのにおいがないか確かめる。あればすぐに使うのをやめる
- トーチとボンベは組みあわせが指定されています。取扱説明書や本体の表示を確かめ、指定された組みあわせで使う
3. リコールを確かめる
- 持っているガストーチがリコールの対象でないか、NITEの「SAFE-Lite」などで確かめましょう
東京都の調査:消したあとも数分は熱い
東京都がガストーチを使ったことのある1,030人に聞くと(2021年3月15日)、けがやヒヤリは「調理中」(53.0%)、「炭の火おこし中」(35.9%)、「DIY作業中」(21.8%)に多く、ちがうメーカーのボンベをつなぐ、Oリングを確かめない、点火前ににおいを確かめないのが危ないことを、3〜4割が知りませんでした。試験では、火口付近は約280℃〜480℃以上になり、消したあと70℃を下回るまで6分かかった製品も。サーモグラフィーでは、見えている炎より広い範囲に炎が出ていました。使い終わったら、さわらない場所で冷まし、ボンベは外してキャップをして保管を。

ガストーチは、ボンベを傾けすぎると液体の燃料が霧のように出て、大きく燃えあがることがあります。点火はボンベを立てて、使用中も傾けるのは45度までが目安です。
2026年2月から「◇PS-LPG」マークが義務に
- 2026年2月6日から、ガストーチには、国の安全基準への適合を第三者機関が確かめたことを示す「◇PS-LPGマーク」の表示が義務づけられました
- それより前に売られていたものの中には、今の基準を満たさない、安全性の劣る製品もあるおそれがある、としています。PS-LPGマークの基準には、Oリングの材質や気密性の要件もあります
- 火口までが35cm以上のものや、ホースでボンベをつなぐ配管工事用のものなどは、規制の対象外です
事故は5年で129件、7割は製品の不具合
NITEの「事故原因の7割が製品に問題~ガス“漏れ”バーナーに新たな規制~」(2025年2月27日)によると、2019〜2023年度の5年間のガストーチの事故は129件。そのうち製品の不具合が関係する事故が7割(調査中をのぞく)で、特に海外製のガストーチで多く起きていました。
- ガストーチは2025年2月6日から「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」の規制対象になり、2026年2月5日までの1年間は、マークのない製品の販売も認められる経過措置の期間でした
- すでに買った製品や、経過措置の期間に出回った製品には、安全性の劣るものがあるおそれもあります
買うときのポイント
- PSLPGマークの表示があるか確かめる
- 信頼できるメーカー・販売元か確かめる(国内の連絡先が書かれているか、使うカセットボンベなどが指定されているか、理解できる取扱説明書があるか など)
カセットボンベの保管の注意は防災用のカセットボンベ、古いままで大丈夫?、ネットで買う前の確認はネットで家電を「ポチる」前にへ。

プレ男取扱説明書で、うちのトーチが傾けて使えるタイプか確かめる。あと、マークも見てみよう。

メル美ボンベはまっすぐ差しこんでね。
アウトドアチェアとカートリッジガスこんろの注意は、日なたに置きっぱなしのアウトドアチェア、座ったら座面が破れて腰をけがへ。
まとめ
- ボンベを傾けすぎると、液体の燃料が霧のように出て大きく燃えあがることがある
- 点火はボンベを立てて。使用中も傾けるのは45度までが目安(取扱説明書の指示が優先)
- ボンベを斜めに差しこまない。ガスもれの音やにおいがあれば使わない
- トーチとボンベは指定の組みあわせで。リコールも確認
- 2026年2月6日から「◇PS-LPG」マークが義務に
- 事故は5年で129件、7割は製品の不具合(特に海外製)。国内の連絡先がある製品を
- 火口は約280〜480℃以上、消したあとも数分は熱い。ボンベは外して保管(東京都)
参考文献
- 製品評価技術基盤機構(NITE). 製品安全情報マガジン Vol.501「ガストーチの事故」(2026年5月26日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2026fy/vol501_260526_00001.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 製品評価技術基盤機構(NITE). 事故原因の7割が製品に問題~ガス“漏れ”バーナーに新たな規制~(2025年2月27日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs250227.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 東京都. ガストーチによる火災・やけどに注意しましょう!
「ガストーチの安全な使用に関する調査」を実施(2021年3月15日). https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/gastorch.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。