【テクノロジー解説】ガスタービンってなに?高温のガスで羽根車を回して発電。排気の熱でもう一度発電する「コンバインド・サイクル」は効率約55%、石炭火力より約11ポイント高い【資源エネルギー庁】
ガスタービンは、燃料を燃やした高温のガスの勢いで羽根車(タービン)を回し、発電機を動かす装置です。資源エネルギー庁によると、ガスタービンを回したあとの排ガスの熱で蒸気をつくり、蒸気タービンも回す「コンバインド・サイクル発電」は、火力発電の高効率化の代表的な方式。発電コスト検証(2024年)のLNG火力のモデルプラントの発電効率は54.9%で、石炭火力の43.4%を大きく上回ります。2040年には1700℃級のガスタービンで57.0%を想定。再エネの調整役、水素への切りかえ、AIのデータセンターとの関係もやさしく解説します。

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こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回はガスタービンです。資源エネルギー庁の解説と、総合資源エネルギー調査会「発電コスト検証ワーキンググループ」の資料(2024年10月)をもとにまとめました。
ガスタービンとは
- 燃料を燃やしてできた高温のガスの勢いで、羽根車(タービン)を回し、その回転で発電機を動かして電気をつくる装置です
- 火力発電の多くは、もともと「燃料を燃やしてつくった水蒸気で蒸気タービンを回す」しくみです(資源エネルギー庁)。ガスタービンは、蒸気ではなく燃焼ガスそのもので回します
「コンバインド・サイクル発電」で、熱を2回使う
資源エネルギー庁は、火力発電を高効率にする最新の方式の一つとして、コンバインド・サイクル発電を紹介しています。
- 高温のガスを燃やして、まずガスタービンを回す
- ガスタービンから出る排ガスの熱を再利用して蒸気をつくる
- その蒸気で蒸気タービンも回す
1回目で使いきれなかった熱で、もう1回発電するしくみです。燃料を同じだけ使っても、たくさん電気がつくれるので、燃料とCO2を減らすことにつながります。

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発電効率はどれくらい?
発電コスト検証ワーキンググループ(2024年10月18日)の「モデルプラント」(最近運転を始めた発電所をもとにした標準的な発電所)の発電効率は、
| 火力発電の種類 | 発電効率(2023年のモデルプラント) | 2040年の想定 |
|---|---|---|
| LNG火力(ガスタービンのコンバインド・サイクル) | 54.9% | 57.0%(1700℃級ガスタービンが実用化されている想定) |
| 石炭火力 | 43.4% | 43.4% |
| 石油火力 | 39.0% | 48.0% |
- 発電効率は、燃料のもっているエネルギーのうち、電気になった割合です。LNG火力は、石炭火力より約11ポイント高くなっています
- ガスタービンは、燃やすガスの温度が高いほど効率が上がるため、温度を上げる技術開発が進められてきました(1700℃級はその最先端)
再エネを支える「調整役」
- 資源エネルギー庁は、火力発電には再生可能エネルギーの調整電源(太陽光や風力の発電量のゆれをおぎなう)の役割もあり、今後もしばらく重要な電源の一つであり続けると予想しています
- 2030年度の電源構成の見通し(エネルギーミックス、当時)では、LNG火力27%、石炭火力26%、石油火力3%とされていました
- 発電コスト検証では、LNG火力に水素を混ぜて燃やす(混焼)・水素だけで燃やす(専焼)発電のコストも検証されています。ただし、水素などは技術が開発の途中で、費用の見通しは立てにくいとしています

ガスタービンは、高温のガスで羽根車を回して発電する装置です。排ガスの熱でもう一度発電するコンバインド・サイクルでは、発電効率が約55%と、石炭火力よりかなり高くなります。
AIとデータセンターとのつながり
IEA(国際エネルギー機関)は、データセンターの電気をまかなう電源として天然ガスの発電が大きな役割をもつ一方、ガス火力発電用のタービンは、注文から届くまで数年かかる状況になっていると指摘しています。くわしくは【テクノロジー解説】データセンターってなに?へ。

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まとめ
- ガスタービンは、高温の燃焼ガスで羽根車を回して発電する装置
- コンバインド・サイクル発電は、排ガスの熱で蒸気タービンも回し、熱を2回使う
- LNG火力のモデルプラントの発電効率は54.9%。2040年は1700℃級で57.0%を想定(石炭火力は43.4%)
- 再エネの調整役。水素を燃やす技術も開発中
- AI のデータセンターの電力需要で、タービンの供給が追いつかないことも
参考文献
- 資源エネルギー庁. さまざまなエネルギーの低炭素化に向けた取り組み(スペシャルコンテンツ). https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/co2sakugen.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 資源エネルギー庁. 発電コスト検証WG【火力発電】(総合資源エネルギー調査会 発電コスト検証ワーキンググループ 第3回会合 資料1、2024年10月18日). https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/2024/data/03_04.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- International Energy Agency (IEA). Energy and AI — Executive summary(2025年). https://www.iea.org/reports/energy-and-ai/executive-summary (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。