【テクノロジー解説】データセンターってなに?AIを動かす巨大な電気の消費地。世界の電力の約1.5%を使い、2030年には日本全体の消費量より多い約945TWhに【IEA】
スマホのアプリもクラウドもチャットAIも、その裏で動いているのがデータセンターです。IEA(国際エネルギー機関)の報告「Energy and AI」によると、データセンターは2024年に世界の電力消費の約1.5%(415TWh)を使い、2017年から毎年約12%ずつ増えています。2030年には約945TWhと2倍以上になり、これは今の日本全体の電力消費量をやや上回る量です。AI向けのデータセンター1か所で10万世帯分の電気を使うことも。電気をどうまかなうか、AIは電力の役にも立つのか、をやさしく解説します。

プレ男ニュースで「データセンターが電気を食いすぎる」って言ってたけど、データセンターってそもそも何?

メル美スマホの写真をクラウドに保存すると、どこかのデータセンターに入るんだよね?
こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回はデータセンターです。IEA(国際エネルギー機関)の特別報告書「Energy and AI」(2025年)の要約(Executive summary)をもとにまとめました。
データセンターとは
- インターネットのサービスやクラウド、AI などの計算を行うたくさんのコンピューター(サーバー)を集めた施設です
- IEA は、AI モデルの学習や利用は、大きく、電気をたくさん使うデータセンターで行われると説明しています
- スマホでの検索、動画、写真のクラウド保存、チャットAI など、私たちのデジタルな暮らしの多くは、どこかのデータセンターで動いています(LLMってなに?、バックアップの基本)
どれくらい電気を使う?
IEA によると、
- データセンターは、2024年に世界の電力消費の約1.5%、415TWh(テラワット時)を使いました
- 国・地域別では、米国が45%、中国が25%、欧州が15%
- 2017年から毎年約12%ずつふえていて、電力消費全体のふえ方の4倍以上の速さです
- AI向けの典型的なデータセンターは、10万世帯分の電気を使います。いま建設中の最大級のものは、その20倍です
- データセンターへの世界の投資は、2022年からほぼ2倍になり、2024年には5,000億ドルに達しました

プレ男1か所で10万世帯分!小さな町が丸ごと1つ、みたいなものだね。
2030年には2倍以上に
- データセンターの電力消費は、2030年には約945TWhと2倍以上になる見通しです。これは、いまの日本全体の電力消費量を少し上回る量です
- いちばん大きな理由は AIです
- 2035年には約1,200TWh(基本シナリオ)。AI の広がり方や省エネの進み方によって、700〜1,700TWhと幅があります
- ただし、2030年までの世界の電力需要のふえ方のうち、データセンターは約10分の1で、工場のモーター、家やオフィスのエアコン、電気自動車の分より小さいとされています
電気をどうまかなう?
IEA によると、
- データセンターの需要のふえる分の半分は再生可能エネルギー(蓄電や送電網と組み合わせて)でまかなわれる見通しです
- 必要なときに発電量を調整できる電源として、天然ガスの発電も大きな役割をもちます。原子力(日本・米国・中国など)、地熱も貢献し、最初の小型モジュール炉(SMR)が2030年ごろに動き始めるとしています
- 一方で、送電網はすでに多くの場所で余裕がなく、計画中のデータセンターの約20%は遅れるおそれがあります。ガス火力発電用のタービンも、注文してから届くまで数年かかる状況です
AIは電力の役にも立つ
- AI は、太陽光や風力の発電量の予測をよくして、ムダを減らすのに役立ちます
- AI による故障の検知で、停電の時間を30〜50%短くできるとしています
- センサーと AI で送電線の能力を引き出すと、新しい送電線をつくらずに最大175GWの送電能力を生み出せる可能性があり、これは2030年までのデータセンターの需要の増加分より大きいとしています

データセンターは、AIやクラウドを動かす巨大な電気の消費地です。2030年には、いまの日本全体の電力消費を少し上回る量になる見通し。一方で、AIは電力をかしこく使う役にも立つと期待されています。
私たちの暮らしとのつながり
- 家庭でできる省エネは、冷蔵庫の電気代を下げる5つのコツなどもどうぞ

プレ男チャットAIに1回聞くのも、どこかで電気を使ってるんだね。なんとなく使うんじゃなくて、上手に使おう。

メル美電気をつくる「タービン」も足りなくなってるって、意外だった。
発電に使われるガスタービンのしくみは、【テクノロジー解説】ガスタービンってなに?へ。
データセンターの中で計算をしている半導体チップのしくみと歴史は、【テクノロジー解説】半導体チップってなに?へ。
データセンターにならぶハードディスクを小さく大容量にした発見は、ハードディスクを変えた「巨大磁気抵抗」へ。
まとめ
- データセンターは、サーバーを集めて、クラウドや AI を動かす施設
- 2024年に世界の電力の約1.5%(415TWh)を使い、毎年約12%増加
- 2030年に約945TWh。いまの日本全体の消費量を少し上回る
- 増える分の半分は再生可能エネルギー、天然ガスや原子力も
- 送電網やタービンの不足が課題。AI は電力網をかしこくすることにも使える
参考文献
- International Energy Agency (IEA). Energy and AI — Executive summary(2025年). https://www.iea.org/reports/energy-and-ai/executive-summary (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。