病気の解説2026年10月12日

ヨーロッパの淋菌の薬剤耐性(2024年):最後の切り札セフトリアキソンが効かない菌は2株で、どちらも超多剤耐性。テトラサイクリン耐性は63.6%で、ドキシPEPでは淋菌はあまり減らせない

欧州疾病予防管理センター(ECDC)の報告「Gonococcal antimicrobial susceptibility surveillance in the EU/EEA – Summary of results for 2024」(2026年5月26日)をもとに、ヨーロッパの淋菌の薬剤耐性をまとめました。2024年、24か国の3,371株を調べた結果、淋菌治療の最後の切り札とされるセフトリアキソンに耐性の菌が2株みつかり、どちらも超多剤耐性でした。アジスロマイシンで基準をこえる菌は19.1%、シプロフロキサシン耐性は約3分の2、テトラサイクリン耐性は63.6%で前の年より増えていて、ドキシサイクリンの曝露後予防(ドキシPEP)では、集団の淋菌はあまり減らせないと考えられています。

目次
  1. ヨーロッパで2番目に多い細菌の性感染症
  2. セフトリアキソン耐性は2株、どちらも超多剤耐性
  3. ほかの薬の耐性
  4. ドキシPEPと淋菌
  5. まとめ

プレ男薬が効かない淋菌が世界でふえているって聞いたよ。ヨーロッパではどうなの?

メル美性感染症の予防の薬(ドキシPEP)と関係があるって話も聞いたことがある。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、ヨーロッパの淋菌の薬剤耐性の話です。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の報告「Gonococcal antimicrobial susceptibility surveillance in the European Union/European Economic Area – Summary of results for 2024」(2026年5月26日)をもとにまとめました。日本の淋菌の薬剤耐性については薬が効きにくい淋菌(薬剤耐性)を見てください。

ヨーロッパで2番目に多い細菌の性感染症

ECDCによると、淋菌感染症は、ヨーロッパ(EU/EEA)で2番目に多く報告される細菌の性感染症で、2024年には10万6,000件以上が報告されました。ECDCは、各国の検査室から集めた淋菌の、薬の効き方を毎年調べています(2024年は24か国、3,371株を分析)。

セフトリアキソン耐性は2株、どちらも超多剤耐性

ECDCによると、2024年は、

ほかの薬の耐性

ECDCによると、2024年は、

薬 耐性など
セフィキシム 0.3%(10株)。2020年から横ばい
アジスロマイシン 基準をこえる菌が19.1%(2023年は23.2%)
シプロフロキサシン 約3分の2が耐性で、高いまま
テトラサイクリン 63.6%(2023年は58.4%)で増加

でした。

2024年、ヨーロッパで最後の切り札のセフトリアキソンが効かない淋菌が2株みつかり、どちらも超多剤耐性でした。テトラサイクリン耐性は63.6%に増えています。

ドキシPEPと淋菌

ECDCによると、テトラサイクリンの効き方は、ドキシサイクリンの曝露後予防(ドキシPEP)の影響をみるために2023年から調べています。テトラサイクリン耐性が高いことから、ドキシPEPで集団の淋菌を減らすことはあまり期待できないと考えられています。

プレ男薬が効かない淋菌がふえると治療がむずかしくなるんだね。うつらない・うつさない予防も大事だな。

世界の状況は淋菌の薬が効かなくなっている(WHO、2025年)、ドキシPEPについてはヨーロッパのドキシPEPの考え方(ECDC、2026年1月)を見てください。

まとめ


参考文献

  1. European Centre for Disease Prevention and Control. Gonococcal antimicrobial susceptibility surveillance in the European Union/European Economic Area – Summary of results for 2024 (26 May 2026). https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/gonococcal-antimicrobial-susceptibility-surveillance-european-union-european (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。