基礎知識2026年10月12日

淋菌の薬が効かなくなっている(WHO、2025年):いちばん大事な薬セフトリアキソンへの耐性が、2022年の0.8%から2024年に5%へ。カンボジアやベトナムで高い。日本ではセフトリアキソンはいまもほとんどの淋菌に効く(耐性1.8%、2023年)。新しい飲み薬2種類の推奨づくりも始まった

淋菌の薬剤耐性について、世界保健機関(WHO)の2つの発表をもとにまとめました。WHOの淋菌の薬剤耐性の監視(EGASP)によると、淋菌の治療の中心になるセフトリアキソンへの耐性は2022年の0.8%から2024年に5%へ、セフィキシムへの耐性は1.7%から11%へと大きく上がり、シプロフロキサシンへの耐性は95%に達しました。カンボジアとベトナムでもっとも耐性が高くなっていました。日本では、厚生労働省の報告書によると、2023年のセフトリアキソンへの耐性は1.8%で、いまも治療の中心の薬として効いています。WHOは2026年6月、第3相の臨床試験を終えた新しい飲み薬(ゲポチダシンとゾリフロダシン)を淋菌の治療にすすめるかどうかの検討を始めたと発表しました。

目次
  1. 治療の中心の薬への耐性がふえている
  2. 日本では、セフトリアキソンはいまもほとんど効く
  3. 新しい飲み薬の検討
  4. まとめ

プレ男淋菌の薬が効かなくなってきているって、どのくらい深刻なんだろう。

メル美新しい薬も開発されているって聞いたことがあるよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、世界の淋菌の薬剤耐性と、新しい飲み薬の話です。世界保健機関(WHO)の発表「More countries report rising levels of drug-resistant gonorrhoea, warns WHO」(2025年11月19日)と、「WHO announces the development of recommendations on new oral antibiotics for the treatment of gonorrhoea」(2026年6月3日)をもとにまとめました。日本の淋菌の薬剤耐性については、薬が効きにくい淋菌(薬剤耐性)を見てください。

治療の中心の薬への耐性がふえている

WHOの淋菌の薬剤耐性の監視プログラム(EGASP)によると、2022年から2024年にかけて、

薬 2022年 2024年
セフトリアキソン(治療の中心の注射薬) 0.8% 5%
セフィキシム 1.7% 11%
アジスロマイシン — 4%(横ばい)
シプロフロキサシン — 95%

淋菌は、治療の中心になる薬への耐性がふえていて、カンボジアやベトナムなど、アジアでとくに高くなっています。

日本では、セフトリアキソンはいまもほとんど効く

WHOの数字は、監視に参加した国(2024年は12か国)のものです。日本の状況は、厚生労働省の「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024」(2025年3月)にまとめられています。国立感染症研究所が全国の協力診療所などから集めた淋菌を調べた結果(EUCASTの基準)では、

薬 日本の耐性率(2023年)
セフトリアキソン 1.8%(2015年は6.2%)
スペクチノマイシン 耐性株なし
アジスロマイシン 34.0%
セフィキシム 約20〜40%
シプロフロキサシン 約60〜80%

くわしくは薬が効きにくい淋菌(薬剤耐性)を見てください。

新しい飲み薬の検討

WHOによると、

プレ男新しい薬の検討が始まっているのは心強いけど、耐性がふえる前に予防することが大事なんだね。

(更新)KEGG MEDICUSの医療用医薬品の検索(2026年10月12日)では、ゲポチダシン、ゾリフロダシンとも見つかりませんでした(日本で医療用医薬品として販売されている添付文書がない)。日本で承認されていないと考えられますが、承認の有無を公的な一覧で確かめたものではありません。WHOの検討の結果は確認していません。

淋菌が治らないときのことは淋菌の治療をしたのに治らない、イギリスの状況はイギリス(イングランド)の性感染症(2024年)を見てください。

まとめ


参考文献

  1. World Health Organization. More countries report rising levels of drug-resistant gonorrhoea, warns WHO(News, 19 November 2025). https://www.who.int/news/item/19-11-2025-more-countries-report-rising-levels-of-drug-resistant-gonorrhoea--warns-who (閲覧日:2026年10月12日)
  2. World Health Organization. WHO announces the development of recommendations on new oral antibiotics for the treatment of gonorrhoea(3 June 2026). https://www.who.int/news-room/articles-detail/who-announces-the-development-of-recommendations-on-new-oral-antibiotics-for-the-treatment-of-gonorrhoea (閲覧日:2026年10月12日)
  3. 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会. 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(Nippon AMR One Health Report 2024)(令和7年3月14日、PDF)(Neisseria gonorrhoeae、表30). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001447793.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  4. KEGG MEDICUS 医療用医薬品の検索(ゲポチダシン、ゾリフロダシン). https://www.kegg.jp/medicus-bin/search_drug (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。