基礎知識2026年10月12日

イギリス(イングランド)の性感染症(2024年):梅毒は1万3,030件でふえつづけ、淋菌は16%減。でも、いちばん大事な薬(セフトリアキソン)が効かない淋菌がふえ、多くはアジア太平洋地域への渡航と関係していた

イギリスの状況を、英国保健安全保障庁(UKHSA)の発表(2025年6月3日)をもとにまとめました。イングランドでは2024年、梅毒の診断は全体で1万3,030件と前年より5%ふえました。淋菌は7万1,802件で16%減り、とくに15〜24歳で36%減りました。クラミジアは16万8,889件で13%減りました。一方、淋菌の治療の第一の薬であるセフトリアキソンが効かない淋菌は、2025年の最初の5か月で14件と、2024年1年間(13件)をこえ、その多くはアジア太平洋地域への渡航やそこからの来訪と関係していました。

目次
  1. 2024年の数字
  2. 薬が効かない淋菌がふえている
  3. UKHSAのよびかけ
  4. まとめ

プレ男イギリスでは性感染症はどうなっているんだろう。

メル美薬が効かない淋菌が出てきているって聞いたことがあるけど……。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、イギリス(イングランド)の性感染症(2024年)の話です。英国保健安全保障庁(UKHSA)の発表「UKHSA publishes latest STI data」(2025年6月3日)をもとにまとめました。

2024年の数字

UKHSAによると、イングランドの2024年の診断は次のとおりです。

性感染症 2024年 前年からの変化
梅毒(全体) 1万3,030件 5%増
早期の梅毒 9,535件 2%増
淋菌 7万1,802件 16%減(15〜24歳は36%減)
クラミジア 16万8,889件 13%減
尖圭コンジローマ(初回) 2万5,056件 4%減

薬が効かない淋菌がふえている

UKHSAによると、

イギリスでは、いちばん大事な薬が効かない淋菌がふえていて、その多くはアジア太平洋地域との行き来と関係していました。新しいパートナーとの性行為ではコンドームを使い、心当たりがあれば検査を受けてください。

プレ男アジア太平洋地域って、日本もふくまれるよね。人ごとじゃないんだ。

日本をふくむ淋菌の薬剤耐性については、薬が効きにくい淋菌(薬剤耐性)を見てください。世界の淋菌の耐性のデータは、淋菌の薬が効かなくなっている(WHO、2025年)を見てください。

UKHSAのよびかけ

UKHSAは、新しいパートナーや一時的なパートナーと性行為をする人に、コンドームを使い、定期的に検査を受けることをよびかけています。コンドームなしで新しい・一時的なパートナーと性行為をした人は、国内でも海外でも、症状がなくても少なくとも年1回、性感染症とHIVの検査を受けるようにとしています。また、2025年8月から、イギリスでは淋菌のリスクを下げるためのワクチン接種が始まっています(髄膜炎菌ワクチンで淋菌は防げる?)。

旅行先での性感染症については海外旅行と性感染症、ヨーロッパ全体の数字はヨーロッパでも性感染症が過去最多(2024年、ECDC)を見てください。

イングランドの梅毒が異性間でふえている話は、イングランドの梅毒(UKHSA、2025年12月)にまとめています。2025年の数字は、イングランドの性感染症(2025年)を見てください。

まとめ


参考文献

  1. UK Health Security Agency (UKHSA). UKHSA publishes latest STI data(News story, 3 June 2025). https://www.gov.uk/government/news/ukhsa-publishes-latest-sti-data (閲覧日:2026年10月12日)
  2. UK Health Security Agency. GRASP report: data to September 2025(18 December 2025). https://www.gov.uk/government/publications/gonococcal-resistance-to-antimicrobials-surveillance-programme-grasp-report/grasp-report-data-to-september-2025 (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。