イングランドの性感染症(2025年):新たな診断は8.3%へって33万4,151件。梅毒・淋菌・クラミジアがへる一方、異性と性行為をする女性の梅毒はふえた。HPVワクチン世代の若い女性では、尖圭コンジローマが89%減
イングランドの性感染症の最新の数字を、英国保健安全保障庁(UKHSA)の報告「Sexually transmitted infections and screening for chlamydia in England: 2025 report」(2026年6月2日)をもとにまとめました。2025年の性感染症の新たな診断は33万4,151件で、2024年から8.3%へりました。早期梅毒は13.5%、淋菌は10.9%、クラミジアは10.3%へりましたが、男性と性行為をする女性の早期梅毒は4.8%ふえ、性器ヘルペスも3.1%ふえました。学校でのHPVワクチンの効果と考えられ、15〜24歳の女性の尖圭コンジローマは2019年から2025年に89.2%へりました。

プレ男イギリスの性感染症、2025年はへったって聞いたよ。

メル美何がへって、何がふえたのか知りたいな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、イングランドの2025年の性感染症の話です。英国保健安全保障庁(UKHSA)の「Sexually transmitted infections and screening for chlamydia in England: 2025 report」(2026年6月2日)をもとにまとめました。前の年の数字はイギリス(イングランド)の性感染症(2024年)を見てください。
全体で8.3%減
UKHSAによると、2024年から2025年に、
| 性感染症 | 2025年の診断 | 2024年からの変化 |
|---|---|---|
| 性感染症の新たな診断(全体) | 33万4,151件 | 8.3%減 |
| クラミジア | 15万1,163件 | 10.3%減 |
| 淋菌 | 6万3,943件 | 10.9%減 |
| 性器ヘルペス(初めて) | 2万8,779件 | 3.1%増 |
| 尖圭コンジローマ(初めて) | 2万3,282件 | 7.3%減 |
| 早期梅毒 | 8,262件 | 13.5%減 |
- 性感染症の診断率は、15〜24歳の若い人、男性同士で性行為をする人、一部の民族の人で高いままです
- 性の健康のクリニックの相談(対面・電話・オンライン)は約445万件で、42%はオンラインでした
梅毒:男性同士でへり、異性と性行為をする女性でふえた
UKHSAによると、早期梅毒は、
- 男性同士で性行為をする人で18.7%減(6,349件→5,164件)
- 女性と性行為をする男性で3.6%減(1,352件→1,303件)
- 男性と性行為をする女性で4.8%増(838件→878件)
でした。イングランドの梅毒が異性間で広がっていることは、イングランドの梅毒(UKHSA、2025年12月)を見てください。

HPVワクチンを学校で受けた世代の若い女性では、尖圭コンジローマが大きくへっています。一方で、異性と性行為をする女性の梅毒はふえていて、検査が大切なことに変わりはありません。
HPVワクチンで、尖圭コンジローマが89%減
UKHSAによると、
- イングランドでは、2012年から12〜13歳の女の子に、2019年から同じ年齢の男の子に、尖圭コンジローマの主な原因(HPV6・11型)も防ぐHPVワクチンが学校で接種されています
- 15〜24歳の女性の尖圭コンジローマ(初めて)の診断率は、2019年から2025年に89.2%へりました(10万人あたり288.1→31.2)。同じ年代の男性でもへっています
- これは、学校でのワクチン接種の効果と考えられるとしています
新しい予防策の効果は「まだわからない」
UKHSAによると、
- 2025年6〜8月から、性の健康のクリニックで、梅毒を防ぐためのドキシPEP(性行為のあとに抗菌薬を飲む)と、淋菌を防ぐための髄膜炎菌B群ワクチン(4CMenB)の提供が始まりました。対象は主に、淋菌のリスクが高い男性同士で性行為をする人です
- 男性同士で性行為をする人の淋菌・クラミジア・梅毒がへったのは、これらの効果の一部かもしれませんが、評価するにはまだ早いとしています

プレ男新しい予防法の効果は、これからの数字を見ないとわからないんだね。
若い女性のクラミジア検診
UKHSAによると、15〜24歳の性的に活発な女性に、機会があればクラミジアの検査をすすめるしくみ(全国クラミジア検診プログラム)があり、
- 2025年の検査は54万7,308件(9.4%減)、診断は4万6,122件(13.6%減)、陽性率は8.4%でした
- 陽性だった若い人は、そのあとも陽性になりやすく、パートナーが治療していない、治療を最後まで受けていないことなどが考えられます。英国の指針は、15〜24歳で陽性だった人に3〜6か月後の再検査をすすめています
ドキシPEPはDoxy-PEP(ドキシペップ)とは?、髄膜炎菌B群ワクチンと淋菌は髄膜炎菌ワクチンで淋菌は防げる?、HPVワクチンはHPVワクチンを見てください。
まとめ
- 2025年のイングランドの性感染症は33万4,151件、8.3%減
- 梅毒・淋菌・クラミジアはへったが、異性と性行為をする女性の梅毒と性器ヘルペスはふえた
- HPVワクチン世代の15〜24歳女性の尖圭コンジローマは89%減
- ドキシPEP・4CMenBの効果は評価するにはまだ早い
- 若い女性のクラミジアの陽性率は8.4%。陽性なら3〜6か月後の再検査
参考文献
- UK Health Security Agency. Sexually transmitted infections and screening for chlamydia in England: 2025 report(2 June 2026). https://www.gov.uk/government/statistics/sexually-transmitted-infections-stis-annual-data-tables/sexually-transmitted-infections-and-screening-for-chlamydia-in-england-2025-report (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
