
プレ男大きな地震があると、「HAARPの人工地震だ」って投稿を見るんだよね。アメリカの秘密兵器なんでしょ?

メル美名前はよく聞くけど、何をしている施設なのか知らないかも。
こんにちは、Dr. Taro です。 「都市伝説にマジレス」、今回はHAARP(ハープ)です。HAARPを運営するアラスカ大学フェアバンクス校(UAF)のよくある質問(FAQ)と、地震について気象庁と米国地質調査所(USGS)の説明をもとにまとめました。
大きな災害のあとは、だれでも不安になります。「だれかのしわざでは」と考えたくなる気持ちも自然なことです。そのうえで、HAARPが実際に何をしているのかを見ていきます。
HAARPってなに?
UAFのFAQによると、
- HAARP(高周波活性オーロラ研究プログラム)は、電離圏を調べるための、世界でいちばん高性能な高出力の短波(HF)送信施設です
- おもな装置は、180本のアンテナを約33エーカー(約13ヘクタール)にならべたもので、最大3.6メガワットの電波を上空へ出せます。周波数は2.7〜10メガヘルツです
- 電離圏は、上空約60〜80kmから500km以上まで広がる、電子やイオンがある層です。HAARPの電波はそこの電子を温めて、自然に起きるのと似た小さな乱れを作り、その変化を測ります
- 自然の現象は不規則で観測しにくいので、「いつ・どこで起こすか」を研究者が決められるのが利点です
秘密の軍事施設なの?
- 1990〜2014年は、米空軍と米海軍が共同で運営していました。目的は、軍や民間の通信・ナビゲーションに影響する電離圏を調べることでした
- 2015年8月11日、施設と装置の責任は、軍からアラスカ大学フェアバンクス校に正式に移りました。軍人は配属されていません
- FAQは「HAARPは機密の計画ではない」とし、1992〜1993年に行われた環境影響調査の資料も、ずっと公開の記録だと書いています
- 毎年、だれでも見学できるオープンハウスも開いています

メル美今は大学が運営していて、見学会まであるんだ!
「天気をあやつれる?」→ FAQの答えは「No」
UAFのFAQは、こう答えています。
- HAARPが出す周波数の電波は、天気を生みだす2つの層、対流圏と成層圏では吸収されない。作用がないので、天気を操作する方法はない
- 電波は電気をおびた粒子や電流と作用するもので、対流圏とはほとんど作用しない
- 太陽が起こす電離圏の嵐でさえ地上の天気を変えないのだから、HAARPが変えられるはずはない
- 電離圏はもともと太陽によってかき乱され、つねに作り直されているので、HAARPで起こした変化は1秒未満〜10分で検出できなくなる。UAFの研究者は、HAARPを「ユーコン川に投げこみ式のヒーターを入れる」ようなもの、とたとえています
ほかにも、FAQは「HAARPで人の心をあやつれる?」「HAARPでケムトレイルを作れる?」という質問にも、どちらも「No」と答えています。
では、地震はどうして起きるの?
FAQには地震についての項目はありませんが、地震のしくみは気象庁が説明しています。
- 地震は、地下の岩盤がずれて起こるものです
- 地球の表面は、厚さ10〜100km程度の「プレート」十数枚でおおわれています。プレートどうしがぶつかったり、一方が他方の下にもぐりこんだりするとき、プレートにかかる力が原因で地震が起こります
- 岩盤がずれる範囲(震源域)の長さは、マグニチュード7で数十km、マグニチュード9では500〜1000kmにもなります
HAARPの電波が作用するのは上空60〜80kmより上の電離圏です。一方、地震は地下の岩盤がずれて起こります。
人が地震を起こすことはあるの?
- USGSによると、人の活動が引き起こした地震は、アメリカや世界の多くの場所で記録されています。原因は、ダムに水をためること、鉱山、地下からの液体やガスのくみ上げ、地下への液体の注入などです
- その多くは小さいものですが、被害の出る地震が起きたこともあります。アメリカのコロラド州、オハイオ州、アーカンソー州では、深い井戸への廃水の注入をやめると、地震が止まった例があります
- つまり「人が地震に関わることがある」のは本当ですが、それは地下で岩盤に力を加える活動の話です

HAARPの電波は、天気を生む対流圏・成層圏には吸収されず、上空60〜80kmより上の電離圏で作用します。地震は、地下の岩盤がずれて起こるものです。
災害のときこそ、公式の情報を
- 大きな災害のあとには、原因についてのうわさが広がりやすくなります
- 地震の情報は気象庁、施設については運営者の公式説明を確かめるのがおすすめです
- 地震の前ぶれのうわさについては、地震雲の記事も読んでみてください
まとめ
- HAARPは、アラスカにある電離圏(上空約60〜80kmより上)の研究施設。2015年からアラスカ大学が運営し、機密ではない
- 運営者のFAQ:電波は天気を生む対流圏・成層圏に吸収されないので、天気は操作できない。起こした変化も最大10分ほどで消える
- 地震は、地下の岩盤がずれて起こる(気象庁)。人が地震を起こした例は、地下への液体の注入など、地下で岩盤に力を加える活動(USGS)
- 空のうわさは、ケムトレイルもどうぞ
参考文献
- University of Alaska Fairbanks, Geophysical Institute. HAARP Frequently Asked Questions(2025年12月22日にインターネットアーカイブに保存された版で確認). https://haarp.gi.alaska.edu/faq (閲覧日:2026年10月22日)
- 気象庁. 地震について(よくある質問). https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq7.html (閲覧日:2026年10月22日)
- U.S. Geological Survey. Can we cause earthquakes? Is there any way to prevent earthquakes?. https://www.usgs.gov/faqs/can-we-cause-earthquakes-there-any-way-prevent-earthquakes (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。