大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

眼鏡をかけた年配の男性の白黒の肖像写真

島崎藤村の詩「初恋」「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき」。りんごの木の下で、少女がさしだしたひとつのりんご。それが「人こひ初めしはじめ」だった——『若菜集』(1897年)の4連16行を読む

No.0652026年10月10日

島崎藤村の詩集『若菜集』(1897年)に収められた「初恋」。「まだあげ初めし前髪の/林檎のもとに見えしとき」で始まる、教科書でもおなじみの詩です。前髪をあげはじめたばかりの少女が、りんごの木の下で、やさしく白い手をのべて、りんごをくれた——それが恋のはじまりでした。7音と5音をくり返す4連16行の詩を、青空文庫の本文で、1連ずつ読んでいきます。作者の藤村については、国立国会図書館の解説で確認しました。

目次
  1. プロフィール
  2. 第1連:前髪をあげたばかりの君
  3. 第2連:りんごをくれた白い手
  4. 第3連:ためいきが髪にかかるほど近くに
  5. 第4連:だれがふみ始めた細道?
  6. まとめ

プレ男「まだあげ初めし前髪の」って、国語の授業でやったなあ。でも、意味はよく覚えてないや。

メル美りんごの木の下での、はじめての恋の詩だよ。1連ずつ読んでみよう。

今回は、島崎藤村の詩「初恋」です。青空文庫の『若菜集』(底本:『藤村詩集』)で本文を読みました。作者については、国立国会図書館「近代日本人の肖像」の解説で確認しました。

プロフィール

作品 詩「初恋」(詩集『若菜集(わかなしゅう)』所収)
作者 島崎藤村(1872〜1943年。岐阜県出身の詩人・小説家)
『若菜集』 1897年刊行。国立国会図書館の解説では、藤村は『若菜集』などで「新体詩人として名声を博した」
形 4連、各連4行(7音・5音のくり返し)

眼鏡をかけた年配の男性の白黒の肖像写真

作者の島崎藤村。出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/ )

第1連:前髪をあげたばかりの君

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

プレ男「花櫛」の花と、「花ある君」の花が、かさなってるんだ。

第2連:りんごをくれた白い手

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

第3連:ためいきが髪にかかるほど近くに

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

第4連:だれがふみ始めた細道?

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

メル美「この道は、だれがふみはじめたの?」ってたずねる君が、いとしい——最後の連、すてきだね。

詩の中の漢字の読みは、青空文庫のルビによります。

島崎藤村の「初恋」(『若菜集』1897年)では、少女がやさしく白い手でさしだしたりんごが、「人こひ初めしはじめ」だったと歌われています。

まとめ


参考文献

  1. 島崎藤村. 若菜集「初恋」(底本:『藤村詩集』). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card1508.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 国立国会図書館. 近代日本人の肖像「島崎藤村」. https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/276/ (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。