
プレ男「まだあげ初めし前髪の」って、国語の授業でやったなあ。でも、意味はよく覚えてないや。

メル美りんごの木の下での、はじめての恋の詩だよ。1連ずつ読んでみよう。
今回は、島崎藤村の詩「初恋」です。青空文庫の『若菜集』(底本:『藤村詩集』)で本文を読みました。作者については、国立国会図書館「近代日本人の肖像」の解説で確認しました。
プロフィール
| 作品 | 詩「初恋」(詩集『若菜集(わかなしゅう)』所収) |
| 作者 | 島崎藤村(1872〜1943年。岐阜県出身の詩人・小説家) |
| 『若菜集』 | 1897年刊行。国立国会図書館の解説では、藤村は『若菜集』などで「新体詩人として名声を博した」 |
| 形 | 4連、各連4行(7音・5音のくり返し) |

作者の島崎藤村。出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/ )
第1連:前髪をあげたばかりの君
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
- 前髪をあげはじめたばかりの少女が、りんごの木の下に見えたとき
- 前髪にさした花の櫛のように、花のように美しい人だと思った

プレ男「花櫛」の花と、「花ある君」の花が、かさなってるんだ。
第2連:りんごをくれた白い手
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
- 少女が、やさしく白い手をのばして、ぼくにりんごをくれた
- そのうすくれないの秋の実こそが、人を恋しはじめた、はじまりだった
第3連:ためいきが髪にかかるほど近くに
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
- 思わずもれたぼくのためいきが、君の髪にかかるほど、近くにいたとき
- 楽しい恋のさかずきを、君のやさしい心からくみかわしたのだった
第4連:だれがふみ始めた細道?
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
- りんご畑の木の下に、しぜんにできた細い道
- 「この道は、だれがふみはじめたあとなの?」と君がたずねる——そんな君が、なんともいとしい

メル美「この道は、だれがふみはじめたの?」ってたずねる君が、いとしい——最後の連、すてきだね。
詩の中の漢字の読みは、青空文庫のルビによります。

島崎藤村の「初恋」(『若菜集』1897年)では、少女がやさしく白い手でさしだしたりんごが、「人こひ初めしはじめ」だったと歌われています。
まとめ
- 「初恋」は、島崎藤村の詩集『若菜集』(1897年)に収められた詩
- 4連16行、7音と5音のくり返し
- りんごの木の下の、前髪をあげたばかりの少女
- 少女がくれたりんごが、恋のはじまり
- 最後は、二人の通った細道をたずねる少女が「こひしけれ」
- 明治の恋の文学は樋口一葉『十三夜』、伊藤左千夫『野菊の墓』、恋の歌は与謝野晶子、竹久夢二「宵待草」もどうぞ
参考文献
- 島崎藤村. 若菜集「初恋」(底本:『藤村詩集』). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card1508.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立国会図書館. 近代日本人の肖像「島崎藤村」. https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/276/ (閲覧日:2026年10月10日)
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