
プレ男遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)って、すい臓がんにも関係があるの?

メル美すい臓がんは見つけにくいって聞くから、気になるね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)とすい臓がんの話です。日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の患者・市民向けガイドブック「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!」(2022年版)のQ48・Q49をもとにまとめました。HBOCそのものについては遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を見てください。
家族性のすい臓がんとBRCA
ガイドブックによると、
- 親・きょうだい・子どもにすい臓がんの人が2人以上いる場合、日本では「家族性膵がん」とよばれます
- 家族性膵がんのすい臓がん患者さんでは、10〜20%程度に、BRCAなどの遺伝子の病的バリアントがみられ、最も多いのはBRCA2(すい臓がんの約5%)です
- 家族にすい臓がんの人がいないすい臓がん患者さんでも、4%程度にみつかるという報告があります
- HBOCの人がすい臓がんになったときの特徴(年齢など)は、まだはっきりしていません
薬の選び方にかかわる
ガイドブックによると、BRCAの病的バリアントがあるすい臓がんでは、プラチナ系の抗がん剤の効果が高いという報告が複数あり、一定の条件でPARP阻害薬(オラパリブ)が保険で使えるようになっています(2020年12月)。そのため、治療の前にBRCAの病的バリアントの有無を調べることが望まれるとしています。

HBOCと診断されていて家族にすい臓がんの人がいる場合は、すい臓がんの定期検査の対象とされています。始める年齢は50歳、家族に40歳以下で発症した人がいれば40歳が提唱されています。
すい臓がんの定期検査(サーベイランス)
ガイドブックによると、
- すい臓がんは早く見つけるのがむずかしいがんで、有効な検査の方法はまだ定まっていません
- 国際会議(CAPS)では、HBOCと診断されていて、親・きょうだい・子どもにすい臓がんの人がいる場合を、定期検査の対象としています
- 始める時期は50歳、家族に40歳以下ですい臓がんになった人がいる場合は40歳が提唱されています
- 超音波内視鏡(EUS)と、被ばくの少ないMRCP(MRIで胆管・すい管を見る検査)を組み合わせ、年1回行うことで、早いすい臓がんを見つけられる可能性が高まるという報告があります
- ただし、がんになっていない人のこの検査は保険の適用外で、定期検査で命がのびるかどうかの十分な根拠はまだありません

プレ男家族のがんの話を知っておくことも、自分の健康を考えるうえで大事なんだね。
日本でHBOCの体質をもつ人の割合は日本で遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の体質をもつ人はどのくらい?、男性のことは男性と遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を見てください。
まとめ
- 家族性膵がんの10〜20%程度に遺伝子の病的バリアント。最も多いのはBRCA2
- BRCAの変化は、すい臓がんの抗がん剤の選び方にかかわる
- HBOCで家族にすい臓がんの人がいれば、50歳(40歳)から年1回の画像検査が提唱されている
- 定期検査は保険の適用外で、効果の根拠はまだ十分ではない
参考文献
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構. 遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版 Q48 HBOCで発症する膵がんに特徴はありますか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q48/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 同 Q49 膵がんのサーベイランスは必要ですか?どのようなことをしますか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q49/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。