2016年3月以前に生まれた人は、B型肝炎ワクチンを受けていないことが多い:定期接種の前は、3歳以上で抗体をもつ子は10%以下。思春期の前の「追いつき接種」が大切(研究班)
B型肝炎ワクチンを受けた世代と受けていない世代について、国立感染症研究所の「病原微生物検出情報(IASR)」2023年3月号の「小児のB型肝炎ウイルス感染疫学と今後の課題」(国立国際医療研究センター)をもとにまとめました。2016年4月1日以降に生まれた人は、赤ちゃんのときに定期接種でB型肝炎ワクチンを受けています。定期接種の前の研究班の調査(2013〜2015年度、約2万7,000人)では、ワクチンで抗体をもつ子は1歳53%、2歳28%で、それより上の年齢では10%以下でした。研究者は、性行為などで感染するリスクが上がる思春期の前に、追いつきの接種(キャッチアップ接種)を行うことが大切だとしています。

プレ男B型肝炎のワクチンって、赤ちゃんのときにみんな受けているんじゃないの?

メル美定期接種になったのは2016年からだから、それより前に生まれた人は受けていないかも。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、B型肝炎ワクチンを受けた世代・受けていない世代の話です。国立感染症研究所の「病原微生物検出情報(IASR)」2023年3月号の「小児のB型肝炎ウイルス感染疫学と今後の課題」(国立国際医療研究センター)をもとにまとめました。
2016年4月以降に生まれた人は定期接種
IASRによると、B型肝炎ワクチンの定期接種で、2016年4月1日以降に生まれたすべての人が、赤ちゃんのときにワクチンを受けるようになりました。将来、大人の急性B型肝炎や、肝硬変・肝がんが大きくへることが期待されています。
それより前に生まれた人は、受けていないことが多い
定期接種を始めるかを決めるために、研究班が2013〜2015年度に行った大規模な調査(約2万7,000人の子ども)では、
- ワクチンでできる抗体(HBs抗体)をもつ子は、1歳で53%、2歳で28%で、それより上の年齢では10%以下と、とても低いことがわかりました
- 研究者は、定期接種が始まる前に生まれた子は、B型肝炎ワクチンをほとんど受けていないと考えられる、としています

研究者は、2016年3月31日以前に生まれた子はB型肝炎ワクチンの接種率が低いため、性行為などで感染のリスクが上がる思春期の前に追いつきの接種を行うことが大切だとしています。
子どもの生活の中でもうつることがある
- 同じ調査では、いまウイルスをもっている子(HBs抗原陽性)は0.033%で、母子感染の予防が始まってから25年以上たってもへっていませんでした
- 過去に一時的に感染したことを示す子(HBs抗原陰性・HBc抗体陽性)は0.51%と、その10倍以上いて、地域や年齢による差はなく、子どものふだんの生活の中にも感染の機会があると考えられました
- こうした家族などからの感染(水平感染)を防ぐために、赤ちゃんへの定期接種が始まりました
思春期の前に「追いつき接種」を
研究者は、
- 2016年3月31日以前に生まれた子は接種率が低いため、性行為などで感染のリスクが上がる思春期の前に、追いつきの接種(キャッチアップ接種)を行うことが重要
- いちど抗体ができれば、多くの場合30年以上、ウイルスをもち続けることや肝炎を防げると報告されている
としています。

プレ男ぼくは2016年より前の生まれだから、母子手帳で受けたか確かめてみよう。
B型肝炎ワクチンのくわしいことはB型肝炎ワクチン、B型肝炎そのものはB型肝炎ってどんな病気?、日本のキャリアの割合は日本のB型肝炎の「キャリア」はへっているを見てください。
まとめ
- 2016年4月1日以降に生まれた人は、B型肝炎ワクチンの定期接種の対象
- 定期接種の前の調査では、3歳以上でワクチンの抗体をもつ子は10%以下
- 子どもの生活の中でもうつることがあり、思春期の前の追いつき接種が大切
- 抗体ができれば、多くは30年以上守られる
参考文献
- 酒井愛子, 杉山真也, 須磨崎亮. 小児のB型肝炎ウイルス感染疫学と今後の課題(IASR Vol.44 p37-38: 2023年3月号). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol44/517/517r03.html (閲覧日:2026年10月12日)
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