病気の解説2026年10月10日

C型肝炎と妊娠:ウイルス(HCV RNA)が陽性の妊婦さんから赤ちゃんへの感染は5〜10%程度。授乳はやめなくてよい。感染した赤ちゃんの25〜30%は4歳までに自然にウイルスが消える。妊婦健診の結果は必ず確認を

妊婦健診では、C型肝炎ウイルス(HCV)の検査も行われます。日本肝臓学会のガイドライン(2023年)によると、血液中にウイルス(HCV RNA)がいる妊婦さんから赤ちゃんに感染するのは5〜10%程度で、感染した赤ちゃんの25〜30%は、治療しなくても4歳までにウイルスが消えます。母子感染を防ぐために授乳をやめる必要はありません。赤ちゃんの検査の時期、お母さん自身の治療、相談先をまとめました。

目次
  1. 妊婦健診の肝炎ウイルス検査
  2. 赤ちゃんへの感染(母子感染)
  3. 赤ちゃんの検査
  4. お母さん自身のこと
  5. 家族への感染と相談先
  6. まとめ

メル美妊婦健診で「C型肝炎の抗体が陽性」って言われた人がいるんだって。赤ちゃんは大丈夫なのかな。

プレ男母乳はあげていいのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、C型肝炎と妊娠の話です。日本肝臓学会の「C型肝炎治療ガイドライン(第8.2版・簡易版、2023年6月)」、日本産婦人科医会のQ&A、厚生労働省のリーフレットをもとにまとめました。C型肝炎そのものについては、C型肝炎の記事を見てください。

妊婦健診の肝炎ウイルス検査

厚生労働省のリーフレット(国立成育医療研究センター監修)によると、

抗体が陽性なら、ウイルスがいるかを調べる

赤ちゃんへの感染(母子感染)

日本肝臓学会のガイドラインによると、

(更新)日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」の「HCV-RNA陰性のHCV感染既往母体から出生した児の対応は?」(2026年)で確認しました。『C型肝炎母子感染小児の診療ガイドライン2020』をもとに、母子感染した子どもの約3割は、3歳ごろまでに自然にHCV RNAが陰性になるため、原則として3歳までは治療を行わないとされています。陽性の子どもでも、将来、飲み薬(直接作用型抗ウイルス薬)で治療すれば、体からHCVを完全に取り除くことが期待できるとしています。また、お母さんのHCV RNAが陰性でも、妊娠中にウイルス量が変わることや検査の偽陰性もありうるため、赤ちゃんは生後18か月以降にHCV抗体を調べるとされています

プレ男赤ちゃんにうつるのは5〜10%くらいで、授乳はやめなくていいんだ。

赤ちゃんの検査

日本肝臓学会のガイドラインによると、

日本産婦人科医会のQ&Aも、お子さんがキャリアになる確率はあまり高くなく、もしキャリアになっても定期的に受診して経過を見ていけばよい、悲観的に考える必要はないとしています。

C型肝炎があっても、赤ちゃんにうつるのは5〜10%程度で、授乳もやめなくて大丈夫。妊婦健診の結果を確認し、陽性ならお母さん自身も肝臓の専門医で精密検査を。

お母さん自身のこと

(更新)日本のC型肝炎の飲み薬の添付文書では、グレカプレビル・ピブレンタスビル配合剤(2023年8月改訂)、リバビリンを併用しない場合のソホスブビル・ベルパタスビル配合剤(2023年5月改訂)とも、妊婦には「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」、授乳婦には「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討」とされています。リバビリンを併用する場合は、妊婦には投与しない、授乳は避けるとされています。実際に妊娠中・授乳中に治療するかどうかは、主治医と相談して決めることになります。

家族への感染と相談先

厚生労働省のリーフレットによると、

まとめ


参考文献

  1. 日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編. C型肝炎治療ガイドライン(第8.2版・簡易版)(2023年6月、PDF). https://www.jsh.or.jp/lib/files/medical/guidelines/jsh_guidlines/C_v8.2_k_20230711.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 日本産婦人科医会. わたしはC型肝炎のキャリアです。近い将来、子どもを産みたいと考えていますが、子どももC型肝炎のキャリアになってしまうのでしょうか?(2017年9月6日作成). https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/ninsinshusanqa11/ (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 厚生労働省(監修:国立成育医療研究センター). B型肝炎・C型肝炎ウイルスを知っていますか?(PDF). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001053961.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  4. 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「31.HCV-RNA陰性のHCV感染既往母体から出生した児の対応は?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_2_31/ (閲覧日:2026年10月10日)
  5. グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合剤 添付文書(2023年8月改訂 第2版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070515 (閲覧日:2026年10月12日)
  6. ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤 添付文書(2023年5月改訂 第3版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067888 (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。