D型肝炎:B型肝炎ウイルスがいないとふえないウイルス。B型肝炎の人に重なって感染すると、ウイルス性肝炎でもっとも重い形に。性行為や血液でうつる。B型肝炎のワクチンで防げる
D型肝炎ウイルス(HDV)は、B型肝炎ウイルス(HBV)がいないとふえることができないウイルスです。WHO(2026年)によると、慢性のD型肝炎はB型肝炎のある人にだけ起こり、世界ではB型肝炎の慢性感染者の約5%(約1,200万人)がD型肝炎にもかかっています。B型肝炎と同じように、血液や体液、性行為でうつります。B型肝炎に重なってD型肝炎にかかると、肝硬変や肝臓がんに早く進むことがあり、慢性のウイルス性肝炎でもっとも重い形とされています。B型肝炎のワクチンで、D型肝炎も防ぐことができます。

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こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、D型肝炎の話です。WHO(世界保健機関)のファクトシート「Hepatitis D」をもとにまとめました。B型肝炎についてはB型肝炎を見てください。
D型肝炎とは
WHOによると、
- D型肝炎ウイルス(HDV)は、B型肝炎ウイルス(HBV)がいないとふえることができないウイルスです。B型肝炎ウイルスがいなければ、D型肝炎にはなりません
- 世界では、B型肝炎の慢性感染者の約5%(約1,200万人)がD型肝炎にもかかっていると推計されています。B型肝炎の人の肝臓の病気や肝臓がんの約5件に1件は、D型肝炎の重なった感染で説明できる可能性があるとされています
- 慢性のD型肝炎は、肝臓の病気による死亡や肝臓がんに早く進むため、慢性のウイルス性肝炎でもっとも重い形と考えられています。D型肝炎ウイルスは、B型・C型肝炎ウイルスと同じく、人に対する発がん性があると分類されました
うつり方
WHOによると、
- D型肝炎ウイルスは血液を介してうつり、B型肝炎と同じようにうつります。感染した人の血液や体液にふれること、性行為でうつることがあり、まれに、出産の前後にお母さんから赤ちゃんにうつることもあります
- B型肝炎とD型肝炎の重なった感染は、注射薬物を使う人、C型肝炎やHIVのある人などに多いとされ、男性と性交する男性や性産業で働く人でもリスクが高い可能性があるとされています

D型肝炎は、B型肝炎がなければかかりません。だから、B型肝炎のワクチンがD型肝炎の予防にもなります。B型肝炎のワクチンを受けていない人は、検討してみてください。
2つのかかり方
WHOによると、
- B型とD型に同時に感染した場合:発熱、だるさ、食欲がない、吐き気、尿の色が濃い、便の色が白っぽい、黄疸などの急性肝炎の症状が、感染から3〜7週後に出ることがあります。多くは完全に回復し、慢性になるのは5%未満です
- B型肝炎の慢性感染者が、あとからD型に感染した場合(重複感染):70〜90%で病気がより重く進み、肝硬変に早く進むことがあります。D型肝炎による肝硬変では、肝臓がんのリスクも高くなります
予防と治療
WHOによると、
- B型肝炎のワクチンで、D型肝炎の感染も防ぐことができます。子どものB型肝炎の予防接種が広がったことで、世界のD型肝炎は減ってきています(B型肝炎ワクチン)
- ただし、すでにB型肝炎にかかっている人は、B型肝炎のワクチンでD型肝炎を防ぐことはできません
- 治療は、これまで注射薬(インターフェロン)しかなく、効果が限られていましたが、新しい治療薬がヨーロッパで承認されるなど、治療は大きく変わりつつあるとされています
- B型肝炎の飲み薬は、D型肝炎そのものをおさえる効果は示されていないとされています
B型肝炎のある人で、性感染症やHIVの心配がある人は、HIVとB型肝炎も見てください。
まとめ
- D型肝炎は、B型肝炎ウイルスがいないとふえないウイルスによる肝炎
- B型肝炎の人に重なって感染すると、肝硬変や肝臓がんに早く進むことがある
- 血液・体液・性行為でうつる(B型肝炎と同じ)
- B型肝炎のワクチンで、D型肝炎も防げる
参考文献
- World Health Organization. Hepatitis D(Fact sheet). https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hepatitis-d (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
