性病と間違えやすいもの2026年10月10日

化膿性汗腺炎:わき・足のつけ根・陰部・おしりに、痛いしこりやうみがくり返しできる。性病ではなく、人にうつらない。日本では男性に多く、おしりに多い。診断まで何年もかかることがあるので、くり返すなら皮膚科へ

わきの下、足のつけ根、陰部、おしりに、痛いしこりやうみのかたまりがくり返しできる——それは「化膿性汗腺炎」かもしれません。日本皮膚科学会の「化膿性汗腺炎診療の手引き2020」によると、毛包に起こる慢性の炎症の病気で、半年に2回以上くり返すことが目安です。欧米では女性に多い一方、日本では男性に多く(男女比2〜3:1)、おしりに多いとされます。英国NHSによると、人にうつる病気ではなく、不潔だからなるわけでもありません。喫煙や肥満は悪化と関係します。

目次
  1. どんな病気?
  2. 性病ではなく、人にうつらない
  3. 診断の目安
  4. 日本では男性に多く、おしりに多い
  5. 原因と悪化させるもの
  6. 治療
  7. 自分でできること
  8. まとめ

プレ男おしりや足のつけ根に、痛いおできが何度もできるんだ。陰部の近くだから、性病じゃないかって心配で……。

メル美わきの下にもできることがあるらしいよ。くり返すなら、ただのおできじゃないのかも。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)の話です。日本皮膚科学会の「化膿性汗腺炎診療の手引き2020」と、英国NHSの「Hidradenitis suppurativa (HS)」をもとにまとめました。

どんな病気?

日本皮膚科学会の手引きによると、

NHSによると、

性病ではなく、人にうつらない

化膿性汗腺炎は、人にうつる病気ではありません。でも、ただのおできだと思って何年も見すごされやすい病気です。同じ場所に痛いしこりがくり返しできるなら、皮膚科へ。

診断の目安

日本皮膚科学会の手引きでは、次の3つを満たすと診断されます。

  1. 皮膚の深いところに、痛いしこり、うみのかたまり、トンネル(瘻孔)、傷あとなど、典型的な皮膚の症状がある
  2. よくできる場所(わき、足のつけ根、会陰、おしり、乳房の下など)の複数の場所に、1つ以上の症状がある
  3. 慢性で、くり返す。くり返しは半年に2回以上が目安

ほかに、家族に同じ病気の人がいること、細菌の検査で病原菌が見つからないことも、診断の手がかりになります。クローン病による皮膚の症状や、がんなどとの区別も必要です。

日本では男性に多く、おしりに多い

日本皮膚科学会の手引きによると、

プレ男診断まで7年もかかることがあるんだ……。ずっと「おでき」だと思っていたら、もったいないね。

原因と悪化させるもの

治療

NHSによると、

日本皮膚科学会の手引きには、日本での治療の考え方がくわしくまとめられています。治療は皮膚科の医師と相談して決めましょう。

自分でできること

NHSによると、

長く痛みや分泌物とつきあうことは、気持ちにも大きな負担になります。NHSも、つらいときは医師に相談するようすすめています。

まとめ


参考文献

  1. 化膿性汗腺炎診療の手引き策定委員会. 化膿性汗腺炎診療の手引き2020(日本皮膚科学会 一般公開ガイドライン、PDF). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/kanoseikannsenenn2020.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. NHS. Hidradenitis suppurativa (HS)(Page last reviewed: 17 March 2023). https://www.nhs.uk/conditions/hidradenitis-suppurativa/ (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 日本皮膚科学会 乾癬分子標的薬安全性検討委員会. 化膿性汗腺炎におけるビメキズマブの使用上の注意(2024年9月25日、PDF). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/%E5%8C%96%E8%86%BF%E6%80%A7%E6%B1%97%E8%85%BA%E7%82%8E%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%93%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%96%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E4%B8%8A%E3%81%AE%E6%B3%A8%E6%84%8F_20240924(1).pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。