症状から調べる2026年10月4日

足のつけ根(鼠径部)のリンパ節が腫れた:性病?梅毒は痛くないことが多く、ヘルペスは熱や強い痛みとともに。ほとんどは近くの感染に反応した腫れ。2週間ひかない・かたくて動かないときは受診を

足のつけ根にぐりぐりしたしこりができた——多くは、体が近くの感染とたたかって腫れたリンパ節です。性感染症では、梅毒(痛くないことが多い)、性器ヘルペスの初めての感染(熱や強い痛みとともに)、めずらしいものでは軟性下疳や鼠径リンパ肉芽腫(LGV)で腫れることがあります。HIVの感染初期やエムポックスでも。英国NHSの目安では、1〜2週間でひかない、大きくなる、かたくて動かないときは受診を。病気ごとの特徴をまとめました。

目次
  1. リンパ節が腫れるのは、体がたたかっているサイン
  2. 性感染症で腫れるとき
  3. 性感染症以外の原因
  4. 受診の目安
  5. まとめ

プレ男足のつけ根に、ぐりぐりしたしこりがあるんだ…。これって性病?

メル美私も前に、足のつけ根が腫れたことがあるよ。どんなときに病院に行けばいいのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、足のつけ根(鼠径部:そけいぶ)のリンパ節の腫れの話です。性感染症で腫れることもありますが、ほかの原因も多いので、見分けのヒントをまとめました。

リンパ節が腫れるのは、体がたたかっているサイン

プレ男腫れているのは、体がちゃんとたたかっているからなんだ。

性感染症で腫れるとき

陰部の症状や、性行為のあとの時期と合わせて考えます。

病気 リンパ節の腫れの特徴 いっしょに出やすい症状
梅毒(第1期) 痛くないことが多い 感染から数週間後、性器・口・肛門などにしこりや潰瘍(これも痛くないことが多い)
梅毒(第2期) 全身のリンパ節が腫れることも 手のひら・足の裏・体の発疹、熱、だるさ
性器ヘルペス(初めての感染) 足のつけ根のリンパ節が腫れる 感染の2〜21日後、熱、だるさ、強い痛みとともに、小さな水ぶくれ・浅い潰瘍がたくさん
軟性下疳(日本ではまれ) 押すと痛み、うみをもつことがある(半数未満) 深く痛い潰瘍
鼠径リンパ肉芽腫(LGV)(日本ではまれ) 押すと痛み、多くは片側。うみをもって大きく腫れることも 小さな潰瘍やぶつぶつは、気づいたころには消えていることが多い。直腸炎の形も
HIV(感染の初期) リンパ節の腫れ 熱、だるさ、のどの痛み、発疹など、かぜやインフルエンザのような症状
エムポックス リンパ節のはれ(2022年からの流行では少なめとされる) 熱、頭痛、筋肉痛で始まり、そのあと発疹。陰部・肛門のまわりの病変が多い

出典:厚生労働省「梅毒に関するQ&A」、国立健康危機管理研究機構(梅毒・性器ヘルペス・エムポックス)、米国CDC性感染症治療ガイドライン2021(軟性下疳・LGV・HIV)

メル美梅毒は、痛くないから気づきにくいんだね。

梅毒のリンパ節の腫れや潰瘍は、痛くないことが多く、自然に消えます。消えても治ったわけではないので、心あたりがあれば検査を。

性感染症以外の原因

NHSは、足のつけ根の腫れやしこりの原因として、次のようなものをあげています。

このほか、皮膚の下の粉瘤(ふんりゅう)や、毛穴の毛包炎がはれて、しこりのように感じることもあります(粉瘤、毛包炎)。

受診の目安

NHSは、リンパ節の腫れがあって、次のようなときは受診するようすすめています。

また、

ときは、性感染症の可能性も考えて、泌尿器科、婦人科、皮膚科、性感染症をみている内科などに相談しましょう。検査の受け方は、性感染症の検査の受け方にまとめています。

メル美2週間ひかない、かたくて動かない、は覚えておこう。

プレ男はずかしがらずに、性行為のことも先生に伝えるよ。

まとめ


参考文献

  1. NHS. Swollen glands. Page last reviewed: 29 September 2023. https://www.nhs.uk/symptoms/swollen-glands/ (閲覧日:2026年10月4日)
  2. NHS. Lumps. https://www.nhs.uk/conditions/lumps/ (閲覧日:2026年10月4日)
  3. 厚生労働省. 梅毒に関するQ&A(最終更新日:2022年11月22日). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html (閲覧日:2026年10月4日)
  4. 国立健康危機管理研究機構. 梅毒とは. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/syphilis/detail/index.html (閲覧日:2026年10月4日)
  5. 国立健康危機管理研究機構. 性器ヘルペスウイルス感染症(詳細版). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/genital-herpes/detail/index.html (閲覧日:2026年10月4日)
  6. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月4日)
  7. Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Lymphogranuloma Venereum (LGV). https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/lgv.htm (閲覧日:2026年10月4日)
  8. 国立健康危機管理研究機構. エムポックス. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/mpox/index.html (閲覧日:2026年10月4日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。