HIVと肝臓:治療中のHIVのある人は、軽い〜中くらいの肝障害が多い。脂肪肝(MASLD)は肝硬変や肝がんに進むことも。B型肝炎がある人は、薬をやめると重い肝障害のおそれ
HIVと肝臓について、研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「肝障害」の項をもとにまとめました。抗HIV療法を受けているHIVのある人は、HIVのない人にくらべて、軽い〜中くらいの肝障害が多いとされます。B型・C型肝炎の重複感染、ほかの薬、CD4数200未満などが関係します。代謝の異常を背景にした脂肪肝(MASLD)は、肝硬変や肝がんに進むことがあり注意が必要で、テノホビル アラフェナミドやドルテグラビルとの関係も指摘されていますが、因果関係はまだはっきりしていません。また、B型肝炎がある人では、B型肝炎ウイルスにも効く抗HIV薬をやめると、重い肝障害を起こすことがあります。

メル美HIVの治療中の血液検査で、肝臓の数値を見るって聞いたよ。

プレ男薬のせいで肝臓が悪くなることもあるのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと肝臓の話です。研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「肝障害」の項をもとにまとめました。ガイドラインは医療者向けの資料です。
治療中の人は、軽い〜中くらいの肝障害が多い
ガイドラインによると、
- 抗HIV療法を受けているHIVのある人は、HIVのない人にくらべて、軽い〜中くらいの肝障害が多いとされています
- B型・C型肝炎の重複感染、いっしょに飲んでいる薬(結核の薬のイソニアジドなど)、CD4数が200未満などが、肝障害を予測する要因と報告されています
- ミトコンドリアに障害を起こす一部の核酸系逆転写酵素阻害薬では、肝臓に脂肪がたまる肝障害が起こり、薬をやめたあとも続くことがあります
脂肪肝(MASLD)
ガイドラインによると、
- 糖や脂質の代謝の異常を背景にした脂肪肝(MASLD)は、肝硬変や肝がんに進むことがあり、注意が必要です
- MASLDは、HIVの直接の影響や慢性の炎症など、いろいろな理由で、抗HIV療法を受けていなくても起こることがあります
- 治療中のHIVのある人では脂肪肝が多く、年齢やBMIに加えて、テノホビル アラフェナミドの使用が脂肪肝と関係していたという報告があります。ドルテグラビルも、体重増加・肥満・インスリンの効きにくさを通して、MASLDのリスクを間接的に高めると指摘されています
- 一方で、これらの薬はMASLDの独立した要因ではないという報告もあり、因果関係はまだはっきりしていません

治療中のHIVのある人は、軽い〜中くらいの肝障害が多いとされています。脂肪肝(MASLD)は肝硬変や肝がんに進むことがあり、注意が必要です。
B型肝炎がある人は、薬をやめると危ない
ガイドラインによると、B型肝炎があるHIVのある人で、B型肝炎ウイルスにも効くラミブジン、エムトリシタビン、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩、テノホビル アラフェナミドなどを始めたあとに、これらの薬をやめると、重い肝障害を起こすことがあります。

プレ男B型肝炎がある人は、薬を自分の判断でやめないことがとくに大事なんだね。
B型肝炎があるときはHIVとB型肝炎の両方に感染(重複感染)、C型肝炎があるときはHIVとC型肝炎の両方に感染(重複感染)、薬と体重はHIVの薬で体重がふえることがあるを見てください。
まとめ
- 治療中のHIVのある人は、軽い〜中くらいの肝障害が多い
- B型・C型肝炎、ほかの薬、CD4数200未満などが関係
- 脂肪肝(MASLD)は肝硬変・肝がんに進むことも。薬との因果関係はまだはっきりしない
- B型肝炎がある人は、B型肝炎にも効く薬をやめると重い肝障害のおそれ
参考文献
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 肝障害. https://hiv-guidelines.jp/2026/part09-2.htm (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
