HIVとはしか(麻しん):免疫が下がっていると、昔かかったことがあっても、もう一度かかることがある。CD4数200未満なら「かかる可能性がある」と考える。発疹が出ないなど症状が典型的でないことも
はしか(麻しん)が増えている今、HIVのある人が知っておきたいことをまとめました。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、はしかから体を守るのは主に細胞性免疫のため、HIVのある人では発疹が出ないなど症状が典型的でないことがあり、診断がむずかしい場合があります。免疫が下がっている人では、昔はしかにかかったことがあっても、もう一度かかることがあり、CD4数が200未満なら、かかったことがあるかどうかにかかわらず、はしかにかかる可能性がある人と考えるべきとされています。重い免疫不全の人がかかると、命にかかわる脳炎が起こることがあります。

プレ男はしかが増えてるってニュースを見たんだけど、HIVの治療中の友だちは気をつけたほうがいいのかな。

メル美子どものころにかかったことがあれば、大丈夫なんじゃないの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVとはしか(麻しん)の話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「HIV感染症に関連した院内感染対策」(2022年9月29日更新)と、国立健康危機管理研究機構の病原微生物検出情報(IASR)の「麻疹 2026年5月現在」をもとにまとめました。
はしかは増えている
IASRによると、
- はしかは感染力がとても強く、空気感染もする病気です
- 日本の届出数は、2023年28例、2024年45例から、2025年には265例と大きく増えました。20歳以上が6割以上で、とくに20代・30代が多かったとされています
今の流行の状況は、はしか(麻しん)が増えているを見てください。
HIVがあると、症状が典型的でないことも
ACCの手引きによると、
- はしかから体を守るのは主に細胞性免疫のため、HIVのある人では、発疹が出ないなど、症状が典型的でないことがあり、診断がむずかしい場合があります
- 免疫が下がっている人では、昔はしかにかかったことがあっても、もう一度かかることがあります
- CD4数が200未満なら、かかったことがあるかどうかにかかわらず、はしかにかかる可能性がある人と考えるべきとされています(HIVの「CD4数」でわかること)
- 重い免疫不全の人がはしかにかかると、命にかかわる脳炎が起こることがあります
- ACCでは、はしかの患者さんが外来に来て短い時間接触しただけで、何人も二次感染した例を複数経験しているとしています

メル美免疫が下がっていると、昔かかったことがあっても安心できないんだね。

HIVがあって免疫が下がっていると、昔はしかにかかったことがあっても、もう一度かかることがあります。CD4数が200未満なら、かかる可能性があると考えてください。
(更新)ACCの参考図表「HIV感染者のワクチン接種」(2024年2月22日更新)では、はしか・風しん・おたふくかぜのワクチンは、CD4数200未満では接種しない(禁忌)、200以上なら接種できるとされています。くわしくはHIVがある人のワクチンを見てください。
まとめ
- はしかは2025年に265例と大きく増えた。20〜30代に多い
- HIVがあると、発疹が出ないなど症状が典型的でないことがある
- 免疫が下がっていると、昔かかっていてももう一度かかることがある
- CD4数200未満なら、かかる可能性があると考える
- 重い免疫不全では命にかかわる脳炎も
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:HIV感染症に関連した院内感染対策(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec02.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立健康危機管理研究機構. 病原微生物検出情報(IASR)Vol.47 p121-123(2026年7月号):麻疹 2026年5月現在. https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol47/557/557t.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き 参考図表:HIV感染者のワクチン接種(Last updated: 2024-02-22). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part1/3-02.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
