HIVがある人のワクチン:A型・B型肝炎、HPV、インフルエンザ、帯状疱疹(不活化)などは、CD4数にかかわらず接種がすすめられる。はしか・風しん・おたふくかぜの生ワクチンは、CD4数200未満では接種しない
HIVのある人は、どのワクチンを受けたらいいのでしょうか。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2024年)の表によると、新型コロナ、A型肝炎、B型肝炎、HPV、インフルエンザ、帯状疱疹(不活化ワクチン)、破傷風のワクチンは、CD4数にかかわらず接種がすすめられています。一方、はしか・風しん・おたふくかぜのワクチン(生ワクチン)は、CD4数が200未満では接種してはいけない(禁忌)とされ、200以上なら接種できます。肺炎球菌ワクチンはCD4数50より多い人にすすめられています。

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プレ男免疫が下がっているなら、むしろ受けたほうがいいのかな。でも、受けちゃいけないワクチンもありそう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVがある人のワクチンの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の参考図表「HIV感染者のワクチン接種」(2024年2月22日更新、米国のガイドライン2022年をもとにした表)をもとにまとめました。大人についての表です。
CD4数にかかわらず、すすめられるワクチン
ACCの表によると、次のワクチンは、CD4数にかかわらず接種がすすめられています。
- 新型コロナ:抗HIV薬を始めていない人や、CD4数が200未満の人は重症化のリスクがあるとされています
- A型肝炎:男性同士で性行為をする人(MSM)の間で、数年〜10年ほどの周期で性感染症として流行することが知られています(A型肝炎ワクチン)
- B型肝炎:ワクチンが効きにくい(抗体ができにくい)人が多いとされています(B型肝炎ワクチン)
- HPV:26歳までの全員、27〜45歳は個別に検討するとされています。HIVのある人は肛門がんや子宮頸がんのリスクが高く、これらのがんや尖圭コンジローマの予防が期待できます(HPVワクチン)
- インフルエンザ:CD4数が低い人では抗体が上がりにくいとされています
- 帯状疱疹(不活化ワクチン):CD4数が200未満の場合は、抗HIV療法で免疫が回復してからの接種も考えるとされています(HIVと帯状疱疹)
- 破傷風:HIVのない人と同じように安全に接種できます
A型・B型肝炎のワクチンで抗体ができなかったときは、CD4数が200を超えてから、もう一度接種することがすすめられています。

HIVがある人も、多くのワクチンはCD4数にかかわらず接種がすすめられています。はしか・風しん・おたふくかぜのワクチンのように、CD4数によって受けられないものもあるので、主治医と相談して決めてください。
CD4数によって決まるワクチン
ACCの表によると、
- はしか・風しん・おたふくかぜのワクチン(生ワクチン):CD4数が200未満では接種しない(禁忌)、200以上なら接種できるとされています。とくにはしかは、免疫不全の人では重症化のリスクがあります(HIVとはしか(麻しん))
- 肺炎球菌ワクチン:CD4数が50より多い人に接種がすすめられています
- 水ぼうそう(水痘)ワクチン:日本の水痘ワクチンは米国のワクチンより30倍以上ウイルスの力価が高く、HIVのある人への安全性について十分な根拠がないため、安全性は不明とされています

プレ男生ワクチンは、CD4数を確かめてからなんだね。
(更新)9価のHPVワクチンの添付文書(2026年2月改訂)では、用法・用量の対象は「9歳以上の者」で、性別の限定はなく、効能・効果には子宮頸がんなどのほか、肛門がん(扁平上皮がん)とその前の段階の病変、尖圭コンジローマの予防がふくまれています。費用や公費助成は確認していません。
まとめ
- 新型コロナ、A型・B型肝炎、HPV、インフルエンザ、帯状疱疹(不活化)、破傷風は、CD4数にかかわらずすすめられる
- 肝炎ワクチンで抗体ができなければ、CD4数200を超えてから再接種
- はしか・風しん・おたふくかぜは、CD4数200未満では接種しない
- 肺炎球菌はCD4数50より多い人に
- 受けるワクチンは主治医と相談して決める
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き 参考図表:HIV感染者のワクチン接種(Last updated: 2024-02-22). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part1/3-02.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン 添付文書(2026年2月改訂 第4版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068902 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
