HIVと口・食道のカンジダ症:口の中の、こすると取れる白いこけ。免疫が下がっているサインで、CD4数200未満でよくみられる。飲みこむときの痛みや胸やけ感は食道のカンジダのことも
口の中に、こすると取れる白いこけのようなものができる口腔カンジダ症は、HIVで免疫が下がったときによくみられる病気です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、口や食道のカンジダ症は免疫不全の指標で、CD4数が200未満でよく確認されます。軽いうちは症状がないことも多く、たまたま見つかることもあります。食道のカンジダ症では、胸の奥の焼けるような感じや、飲みこむときの違和感・痛みが出ます。抗HIV療法で免疫が回復するまでは、何度でもかかることがあります。

プレ男口の中に白いこけみたいなのができて、なかなか治らないって人がいるんだけど……。

メル美カンジダって、口にもできるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと口・食道のカンジダ症の話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「口腔食道カンジダ症」(2022年9月29日更新)をもとにまとめました。
免疫が下がっているサイン
ACCの手引きによると、
- ほとんどはカンジダ・アルビカンスというカビ(真菌)で起こります
- 口や食道のカンジダ症は、免疫不全の指標で、CD4数が200未満でよく確認されます(HIVの「CD4数」でわかること)
- 食道のカンジダ症は、口のカンジダ症よりさらにCD4数が低いときに起こりやすいとされています
CD4数が200未満、または口のカンジダ症があったときは、ニューモシスチス肺炎を防ぐ薬を始める目安にもなります(HIVで「日和見感染症の予防薬」を飲むのはなぜ?)。
口のカンジダ症
ACCの手引きによると、
- 痛みのない、こすると取れる白いこけのようなものができます。白いこけがなく、赤い斑点や舌全体が赤くなることもあります
- 軽いうちは症状がないことが多く、たまたま見つかることも多いとされています。広がると、軽い痛みが出ることがあります
- 舌のふちに、こすっても取れない白い変化ができる「毛状白板症」という別の病気(EBウイルスが関係)もあり、口のカンジダ症とまちがえられやすいとされています
口の中の症状全体については、口の中のただれ・白い斑点、なかなか治らないのどを見てください。

口や食道のカンジダ症は、免疫が下がっているサインで、CD4数200未満でよくみられます。抗HIV療法で免疫が回復するまでは、何度でもかかることがあります。
食道のカンジダ症
ACCの手引きによると、
- 胸の奥(胸骨のうしろ)の焼けるような感じや違和感、飲みこむときの痛みが出ます。症状がなく、内視鏡で見つかることもあります
- 飲みこむときの痛みが強い場合は、サイトメガロウイルスやリンパ腫など、ほかの病気による潰瘍がいっしょにないか調べるべきとされています

メル美飲みこむときの痛みは、食道のカンジダのこともあるんだね。
治療と再発
ACCの手引きによると、
- 抗真菌薬で治療します
- 抗HIV療法で免疫が回復するまでは、何度でもかかることがあります。それ自体が命にかかわることはなく、症状や口の中の状態をみながら、必要に応じてくり返し治療します
- よくなったあとは、口のケアで再発を防ぎます
- 薬を予防のために飲み続けると、薬の効かないカンジダがふえるリスクがあるため、基本的には行わないとされています
(更新)吸入ステロイドの1つ、ブデソニド吸入液の添付文書(2025年9月改訂)では、副作用に「口腔カンジダ症」があげられ、その予防のために、吸入したあとにうがいや口をすすぐよう書かれています。HIVがなくても、吸入ステロイドで口のカンジダ症が起こることがあるといえます。入れ歯との関係は確認していません。
まとめ
- 口・食道のカンジダ症は免疫不全の指標。CD4数200未満でよくみられる
- 口:こすると取れる白いこけ。症状がないことも多い
- 食道:胸の奥の焼ける感じ、飲みこむときの痛み
- 抗HIV療法で免疫が回復するまでは、くり返すことがある
- よくなったら口のケアで再発予防
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:口腔食道カンジダ症(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part2/no26.html (閲覧日:2026年10月10日)
- ブデソニド吸入液 添付文書(2025年9月改訂 第3版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068252 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
