HIVの予防薬「ST合剤」でアレルギーが出たら:一度アレルギーが出た人がふつうの量をまた飲むと、激しい反応が起こることがある。家に残った薬は捨てて。入院で少しずつ慣らす「減感作」という方法も
HIVの治療中に、ニューモシスチス肺炎などを防ぐために飲むST合剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)で、発熱や発疹などのアレルギーが出ることがあります。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、ST合剤でアレルギーが出た人がふつうの量をまた飲むと、激しいアレルギー反応が起こることがあり、まちがって飲んで高熱と急な呼吸困難で救急搬送された例が複数あるとしています。家に薬が残っている場合はすぐに捨てるよう伝えることが望ましいとされています。どうしても必要な場合は、入院して少しずつ量をふやす「減感作」という方法があり、成功率は80%以上とされています。

プレ男HIVの治療中の知り合いが、肺炎の予防の薬で熱と発疹が出て、薬を中止になったんだって。

メル美残った薬は、また具合がよくなったら飲んでもいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVの予防薬「ST合剤」でアレルギーが出たときの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の参考図表「ST合剤の減感作法」(2022年9月29日更新)をもとにまとめました。
ST合剤は、ニューモシスチス肺炎などを防ぐために飲む薬です(HIVで「日和見感染症の予防薬」を飲むのはなぜ?)。
アレルギーが出た薬を、またふつうに飲むのは危険
ACCの手引きによると、
- ST合剤でアレルギーが出た人にふつうの量をまた飲ませると、激しいアレルギー反応が起こります
- ACCでは、患者さんがまちがってまた飲んでしまい、高熱と急な呼吸困難で救急搬送された例を複数経験しているとしています
- アレルギーが出た人の家にST合剤が残っている場合は、「すぐに捨てる」よう伝えておくことが望ましいとされています
- 最近は、ST合剤がHIV以外のふつうの感染症でもよく使われるようになっているため、カルテに「使ってはいけない薬」として登録しておくことが大切だとしています

ST合剤でアレルギーが出た人が、ふつうの量をまた飲むと、激しいアレルギー反応が起こることがあります。家に残った薬は捨ててください。
少しずつ慣らす「減感作」
ACCの手引きによると、それでもST合剤が必要な場合に、ごく少ない量から少しずつふやしていく「減感作」という方法があります。
- 量をふやしている途中で、発熱や発疹などのアレルギー反応がよく起こるため、必ず入院して行います
- 反応が出たら量をふやすのを止め、同じ量で続けます。症状がおさまってから、また量をふやします
- 最終的に7〜10日ほどで、予防や治療に使う量まで飲めるようになり、成功率は80%以上と高いとされています
- ただし、アレルギーのときに肝臓の働きが悪くなった人では成功率が低いとされています
- 減感作に成功しても、いったん飲むのをやめて、また飲む必要が出たときは、もう一度減感作の方法で始めるほうが安全だとしています

メル美減感作に成功しても、一度やめたら、またふつうに飲みはじめちゃいけないんだね。
ほかの薬との飲み合わせについては、HIVの薬と、市販薬・サプリの飲み合わせも見てください。
まとめ
- ST合剤でアレルギーが出た人がふつうの量をまた飲むと、激しい反応が起こることがある
- 家に残った薬はすぐに捨てる
- ST合剤はほかの感染症でも使われる。カルテへの登録が大切
- 必要なときは、入院して少しずつ慣らす「減感作」(成功率80%以上)
- 減感作に成功しても、一度やめたら、また減感作から
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き 参考図表:ST合剤の減感作法(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part1/3-03.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
