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プレ男ゲームのアイテムを無限にできる改造ツールが、ネットで売られてたんだ。自分のゲーム機で使うだけなら、問題ないよね?

メル美ツールを売る人、改造を代行する人、使う人で、関わる法律がちがうみたい。条文と判例で見てみよう。
今回は、ゲームの改造・チートと法律です。不正競争防止法、著作権法、刑法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の判決の原文(裁判所の裁判例検索)で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。ゲームの利用規約での扱い(アカウントの停止など)は、各社の規約によります。
1. 改造ツールを「売る・配る」、改造を「代行する」:不正競争防止法
- 不正競争防止法2条8項の「技術的制限手段」は、電磁的な方法で、プログラムの実行や情報の処理・記録などを制限する手段(機器が特定の信号に反応する方式や、特定の変換を必要とする方式によるもの)です。
- 2条1項17号・18号は、技術的制限手段で制限されているプログラムの実行や情報の処理などを、その効果を妨げて可能にする装置・プログラム・指令符号を、譲渡し、引き渡し、展示し、輸出入し、ネットで提供する行為、そして、それを可能にする役務を提供する行為を「不正競争」としています
- 不正の利益を得る目的、または技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的で行うと、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または両方(21条3項4号)
- 刑事罰とは別に、ゲーム会社などは差止め(3条)や損害賠償(4条)を請求できます

プレ男道具やプログラムを売るだけじゃなく、「改造を代わりにやります」というサービスも「役務の提供」として条文に入っているんだ。
2. データを改造して遊ぶ:同一性保持権を侵害した、とした最高裁判決
最高裁判所第三小法廷 平成13年2月13日判決(平成11年(受)第955号、民集55巻1号87頁)の裁判要旨は、次のとおりです。
- パラメータで主人公の人物像が表現され、その変化に応じてストーリーが展開されるゲームソフトについて、「パラメータを本来ならばあり得ない高数値に置き換えるメモリーカードの使用によって、主人公の人物像が改変され、その結果、上記ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開される」などの事実関係の下では、メモリーカードの使用は、ゲームソフトを改変し、著作者の同一性保持権を侵害する
- 「専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入、販売し、他人の使用を意図して流通に置いた者」は、ゲームソフトの著作者に対し、不法行為にもとづく損害賠償責任を負う
著作権法20条1項は、著作者は著作物の同一性を保持する権利をもち、「その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」と定めています。
3. オンラインのサーバーに不正な指令を与える:電子計算機損壊等業務妨害罪
- 刑法234条の2:人の業務に使用する電子計算機に「虚偽の情報若しくは不正な指令を与え」るなどして、電子計算機に使用目的に沿う動作をさせず、または使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。未遂も罰せられます
- コンピュータウイルスを作る・ばらまく罪は不正指令電磁的記録の罪、他人のアカウントへの不正ログインは不正アクセス禁止法の記事で

メル美「自分が楽しむだけ」と思っても、改造の仕方や使い方しだいで、民事でも刑事でも問題になりうるんだね。

最高裁は、パラメータをあり得ない高数値に置き換えるメモリーカードの使用が、ゲームソフトの同一性保持権を侵害するとしました。
まとめ
- 技術的制限手段を破る装置・プログラムの譲渡・提供、それを可能にする役務(改造代行など)の提供は不正競争防止法の「不正競争」。不正の利益を得る目的などなら5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(2条1項17号・18号、21条3項4号)
- 改造データのメモリーカードの使用は同一性保持権の侵害、専ら改変目的のメモリーカードを販売した者は損害賠償責任(最高裁 平成13年2月13日)
- 業務用の電子計算機に不正な指令を与えて業務を妨害すれば、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(刑法234条の2)
- 海賊版のアップロード・ダウンロードは著作権侵害の記事もどうぞ
参考文献
- 不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項第17号・第18号、第2条第8項、第3条、第4条、第21条第3項. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000047 (閲覧日:2026年10月22日)
- 著作権法(昭和45年法律第48号)第20条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048 (閲覧日:2026年10月22日)
- 刑法(明治40年法律第45号)第234条の2. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
- 最高裁判所第三小法廷 平成13年2月13日判決(平成11年(受)第955号 損害賠償等請求事件)民集55巻1号87頁. 裁判所 裁判例検索. https://www.courts.go.jp/hanrei/52268/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。