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プレ男友だちが「彼女の浮気が心配で、部屋に盗聴器を置こうかな」って言ってて…。止めたほうがいいよね?

メル美逆に、しつこく言い寄ってくる人との会話を、証拠のために録音しておくのはどうなんだろう。両方、条文と判例で確かめよう。
今回は、盗聴・録音と法律です。刑法、電波法、有線電気通信法、電気通信事業法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の決定の原文(裁判所の裁判例検索)で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。盗聴器を仕掛けられているかもしれない、つきまとわれている、と感じたら、最寄りの警察署か警察相談専用電話 #9110、危険を感じたら 110番 へ。
盗聴器を「仕掛ける」:他人の家に入れば住居侵入
- 刑法130条:正当な理由がないのに、人の住居などに侵入した者は、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
- 恋人や元交際相手の部屋でも、正当な理由なく入れば住居侵入罪になりえます。住居侵入については住居侵入罪の記事で説明しています
電波を「聞いて、漏らす・使う」:電波法
- 電波法59条:何人も、法律に別段の定めがある場合を除き、「特定の相手方に対して行われる無線通信」を「傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない」
- 109条1項:無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
- 条文が禁止しているのは、傍受して、その存在や内容を漏らすこと、窃用することです
電話線やネットの通信を「侵す」:有線電気通信法・電気通信事業法
| 法律 | 守られるもの | 侵したとき |
|---|---|---|
| 有線電気通信法9条・14条 | 有線電気通信の秘密(電気通信事業法の通信にあたるものを除く) | 2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。未遂も罰する |
| 電気通信事業法4条・179条 | 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密 | 2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。未遂も罰する |

プレ男「心配だから」でも、部屋に入って仕掛けたり、通信の中身をのぞいたりすると、いろんな法律にふれうるんだね。友だちを止める。
自分が話している相手との会話を録音するのは?
最高裁判所第二小法廷 平成12年7月12日決定(平成11年(あ)第96号、刑集54巻6号513頁)の裁判要旨は、次のとおりです。
- 「詐欺の被害を受けたと考えた者が、相手方の説明内容に不審を抱き、後日の証拠とするため、相手方との会話を録音することは、たとえそれが相手方の同意を得ないで行われたものであっても、違法ではなく、その録音テープの証拠能力は否定されない」
- 判示事項は「相手方の同意を得ないで相手方との会話を録音したテープの証拠能力が認められた事例」です

メル美自分が会話の当事者で、後日の証拠にするための録音なら、違法ではないとされた例があるんだね。他人どうしの会話をこっそり聞くのとは、話がちがう。
- この決定は、詐欺の被害を受けたと考えた人が、証拠のために、自分と相手との会話を録音したという事例についての判断です。すべての録音について判断したものではありません

最高裁は、詐欺の被害を受けたと考えた人が後日の証拠とするために相手との会話を録音したことを、相手の同意がなくても違法ではないとしました。
恋人どうしでも、見張るのは別の罪に
- GPS機器で位置情報を勝手に取得すること、つきまとうことは、ストーカー規制法の問題にもなります。ストーカー規制法の記事で
- 隠しカメラで性的な姿を撮ることは撮影罪です。撮影罪の記事で
まとめ
- 盗聴器を仕掛けるために他人の住居に入れば住居侵入罪(刑法130条。3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)
- 無線通信を傍受して内容を漏らす・窃用すると電波法違反(59条・109条。1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)
- 有線電気通信の秘密を侵すと2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、電気通信事業者の取扱中の通信の秘密を侵すと2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 自分と相手の会話を後日の証拠として録音したことは、相手の同意がなくても違法ではないとした最高裁の決定がある(平成12年7月12日)
- 不安なときは #9110 や最寄りの警察署へ
参考文献
- 刑法(明治40年法律第45号)第130条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
- 電波法(昭和25年法律第131号)第59条、第109条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131 (閲覧日:2026年10月22日)
- 有線電気通信法(昭和28年法律第96号)第9条、第14条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000096 (閲覧日:2026年10月22日)
- 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条、第179条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000086 (閲覧日:2026年10月22日)
- 最高裁判所第二小法廷 平成12年7月12日決定(平成11年(あ)第96号 詐欺被告事件)刑集54巻6号513頁. 裁判所 裁判例検索. https://www.courts.go.jp/hanrei/51220/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁. 令和2年版 警察白書 第2章第3節 第3項 相談業務の充実強化(警察相談専用電話「#9110」). https://www.npa.go.jp/hakusyo/r02/honbun/html/w2233000.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。