プレイヤーの法律THE RULEBOOK

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子どもが人にけがをさせたら、親の責任は?責任を判断できる知能がない子どもは賠償責任を負わず(民法712条)、かわりに監督義務者の親が責任を負う(714条)。最高裁(平成27年)は、校庭のサッカーボールの事故で、日ごろ通常のしつけをしていた親の責任を否定。責任能力のある子どもでも、親に709条の責任が認められることがある(昭和49年)

2026年10月22日 時点

未成年者が他人に損害を加えても、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」がなければ賠償の責任を負いません(民法712条)。そのときは、子どもを監督する法定の義務を負う人(ふつうは親)が賠償の責任を負いますが、義務を怠らなかったときなどは別です(714条1項)。最高裁(平成27年4月9日)は、11歳の子が校庭でサッカーゴールに向けて蹴ったボールが道路に出て、バイクの男性が転倒した事故で、日ごろから通常のしつけをしていた父母は監督義務を怠らなかったとしました。一方、最高裁(昭和49年3月22日)は、子どもに責任能力がある場合でも、監督義務者の義務違反と結果との間に相当因果関係があれば、親に709条の不法行為が成立するとしています。e-Gov法令検索の条文と裁判所の判決の原文で確かめました。

目次
  1. 原則:人に損害を与えたら賠償する(709条)
  2. 責任を判断できない子どもは、賠償責任を負わない(712条)
  3. かわりに、監督義務者が責任を負う(714条)
  4. サッカーボールの事故(最高裁 平成27年4月9日)
  5. 責任能力がある子どもでも、親が責任を負うことがある(最高裁 昭和49年3月22日)
  6. まとめ

メル美姉の子が公園でボール遊びをしていて、通りかかった人にぶつけちゃったんだって。子どもがけがをさせたら、だれが責任を負うの?

プレ男民法に決まりがあるみたい。最高裁の判決もあるから、原文を読んでみよう。

今回は、子どもの事故と親の責任です。民法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の判決の原文(裁判所ウェブサイト)で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。

原則:人に損害を与えたら賠償する(709条)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

責任を判断できない子どもは、賠償責任を負わない(712条)

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

かわりに、監督義務者が責任を負う(714条)

メル美親は「義務を怠らなかった」と言えれば責任を負わない。でも、それはどんなとき?

サッカーボールの事故(最高裁 平成27年4月9日)

判決の原文によると、事案は次のとおりです。

高等裁判所は父母の責任を一部認めましたが、最高裁はこれを破棄し、父母は「民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかった」としました。判決は、こう述べています。

親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督は、ある程度一般的なものとならざるを得ないから、通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない。

責任能力がある子どもでも、親が責任を負うことがある(最高裁 昭和49年3月22日)

未成年者が責任能力を有する場合であつても、監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によつて生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき民法七〇九条に基づく不法行為が成立する。

プレ男子どもが小さくても大きくても、ふだんから「人に危険が及ばないように」と伝えておくことが大事なんだね。

最高裁は平成27年、通常は人身に危険が及ぶとはみられない行為でたまたま損害が生じた場合は、特別の事情がない限り、親が監督義務を尽くしていなかったとすべきではないとしました。

まとめ


参考文献

  1. 民法(明治29年法律第89号)第709条、第712条、第714条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 最高裁判所第一小法廷 平成27年4月9日判決(平成24(受)1948、民集69巻3号455頁). 裁判所ウェブサイト 裁判例結果詳細. https://www.courts.go.jp/hanrei/85032/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 最高裁判所第二小法廷 昭和49年3月22日判決(昭和47(オ)1067、民集28巻2号347頁). 裁判所ウェブサイト 裁判例結果詳細. https://www.courts.go.jp/hanrei/52072/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。