
メル美友だちが歌舞伎町でバーを開くんだって。「あいさつ料」を払っておけばトラブルのとき守ってもらえる、ってだれかに言われたみたい。

プレ男いわゆる「みかじめ料」だよね。払う側は被害者みたいなものだと思ってたけど、ちがうのかな。
今回は、みかじめ料・用心棒代と法律です。暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)の条文(e-Gov法令検索)、東京都暴力団排除条例の条文(東京都例規集)、警視庁の資料の原文で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。要求されたら一人で抱えず、110番、警察相談専用電話 #9110、または公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター(0120-893-240)に相談してください。
要求する側:暴力団対策法の「暴力的要求行為」
暴力団対策法9条は、指定暴力団員が、所属する団体の威力を示して、次のようなことをするのを禁止しています(抜粋)。
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4号:縄張内で営業する人に、名目を問わず、その営業を営むことを容認する対償として金品等の供与を要求すること
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5号:縄張内で営業する人に、日常業務に使う物品の購入、興行の入場券やパーティー券の購入、用心棒の役務(客・従業員などとのもめごとを解決・鎮圧する役務)その他日常業務に関する役務の有償の提供を受けるよう要求すること
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公安委員会は、暴力的要求行為をしている指定暴力団員に、中止を命じることができます(11条)
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命令に違反すると3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です(46条1号)
払う側:東京都の「暴力団排除特別強化地域」
- 東京都暴力団排除条例は、2019年(令和元年)の改正で第4章の2「暴力団排除特別強化地域」を加えました
- この地域で特定営業(風俗営業、性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、接客業務受託営業、食品衛生法の許可を受けた飲食店、風俗案内所、これらの客引きや勧誘をする営業など。2条11号)を営む人は、その営業に関し、次のことをしてはいけません
| 誰が | してはいけないこと | 条文 |
|---|---|---|
| 特定営業者(店側) | 暴力団員から用心棒の役務の提供を受けること | 25条の3第1項 |
| 特定営業者(店側) | 暴力団員に、用心棒の役務を受ける対償として、または営業を営むことを容認してもらう対償として利益供与をすること | 25条の3第2項 |
| 暴力団員 | 特定営業者に用心棒の役務を提供すること、その対償や営業を容認する対償として利益供与を受けること | 25条の4 |
罰則:払った店も1年以下の拘禁刑
| 違反 | 刑 | 条文 |
|---|---|---|
| 相手が暴力団員であることを知って 25条の3に違反した(店側) | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 33条1項3号 |
| 25条の4に違反した(暴力団員) | 同上 | 33条1項4号 |
- 店側の罪を犯した人が自首したときは、刑を減軽し、または免除することができると定められています(33条3項)
- 法人の従業員などが業務に関して違反したときは、法人にも罰金刑が科されます(34条)

プレ男「守ってもらう代わりに払う」のも、払った側がアウトなんだ。でも、自首すれば減軽・免除の道もあるんだね。
特別強化地域はどこ?
条例の別表には、たとえば次の地域が載っています(一部)。
- 中央区:銀座六丁目〜八丁目
- 港区:赤坂二・三丁目、麻布十番一・二丁目、新橋一〜四丁目、六本木三〜七丁目
- 新宿区:歌舞伎町一・二丁目、大久保一・二丁目、新宿二〜五丁目、西新宿一・七丁目、百人町一・二丁目、高田馬場一〜四丁目
- 渋谷区:宇田川町、道玄坂一・二丁目、円山町、恵比寿一丁目、桜丘町、神南一丁目など
- 豊島区:池袋一・二丁目、西池袋一・三丁目、東池袋一丁目、南池袋一丁目など
- 台東区:上野二・四・六丁目、浅草一〜五丁目、千束三・四丁目など
ほかにも千代田区・文京区・墨田区・品川区・大田区・中野区・杉並区・北区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区と、八王子市・立川市・武蔵野市(吉祥寺)・町田市の地域が載っています。最新の範囲は東京都例規集の条例の別表で確かめてください。

メル美「あいさつ料」と言われても、名目は関係ないんだね。友だちには、払わずに警察やセンターに相談するよう伝える。

東京都の暴力団排除特別強化地域では、お店が暴力団員から用心棒の役務を受けること、みかじめ料を払うことが禁止されています。要求されたら、警察や暴追都民センターへ。
まとめ
- 指定暴力団員が縄張内の店にみかじめ料・用心棒代を要求するのは、暴力団対策法の暴力的要求行為(9条4号・5号)。中止命令に違反すれば3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金
- 東京都の暴力団排除特別強化地域では、店が用心棒の役務を受けることも、みかじめ料・用心棒代を払うことも禁止(条例25条の3)
- 相手が暴力団員と知って違反した店は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。自首すれば減軽・免除できる(33条)
- 繁華街のほかのルールはぼったくり防止条例、客引き防止条例、ガールズバーとキャバクラのちがいで
参考文献
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第9条、第11条、第46条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000077 (閲覧日:2026年10月22日)
- 東京都. 東京都暴力団排除条例(平成23年条例第54号). 第2条、第25条の2〜第25条の4、第33条、第34条、別表. 東京都例規集. https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00004199.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 警視庁. 東京都暴力団排除条例(条文、令和元年条例第16号による改正を含む)(PDF). https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/tsuiho/haijo_seitei/haijo_jourei.files/jourei.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 公益財団法人 暴力団追放運動推進都民センター. https://www.boutsui-tokyo.com/ (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁. 令和2年版 警察白書 第2章第3節 第3項 相談業務の充実強化(警察相談専用電話「#9110」). https://www.npa.go.jp/hakusyo/r02/honbun/html/w2233000.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。