
メル美今年は梅酒を漬けてみたいの。せっかくなら、余ったワインで漬けてもおいしそう。

プレ男うまくできたら、ホームパーティーで出したり、ネットで売ったりできないかな。自家製ビールも気になる。
今回は、自家製のお酒と酒税法です。酒税法と酒税法施行令の条文(e-Gov法令検索)、国税庁のQ&A【自家醸造】の原文で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。迷ったときは、所轄の税務署に問い合わせられます。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています(20歳からの記事)。
原則:お酒に物を混ぜると「お酒をつくった」ことに
- 酒税法2条1項は、「酒類」をアルコール分1度以上の飲料と定めています
- 43条1項は、酒類に水以外の物品を混和した場合で、混和後のものが酒類であるときは、「新たに酒類を製造したものとみなす」としています
- 酒類を製造するには、品目ごと・製造場ごとに税務署長の製造免許が必要です(7条1項)。免許を受けないで酒類を製造すると、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(54条1項)
例外:自分で飲むための梅酒
国税庁のQ&Aは、消費者が自分で飲むために、次の条件で混ぜる場合は、例外的に製造行為としないと説明しています(43条11項、施行令50条14項)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 使えるお酒 | アルコール分20度以上で、かつ酒税が課税済みのもの |
| 混ぜてはいけない物 | ①米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でん粉、またはこれらのこうじ ②ぶどう(やまぶどうをふくむ) ③アミノ酸やその塩類、ビタミン類、核酸分解物やその塩類、有機酸やその塩類、無機塩類、色素、香料、酒類のかす ④酒類 |
| 発酵 | 混和後、アルコール分1度以上の発酵がないこと |

メル美使えるのは20度以上のお酒で、混ぜてはいけない物に「酒類」も入っているんだね。ワインに梅を漬けるのは、この例外にはあたらないんだ。
ふるまうのはOK、売るのはNG
- 国税庁のQ&Aは、消費者が自ら飲むためにつくった梅酒であれば、ホームパーティーに招いた友人にふるまうことや友人に贈ることは、「無償であれば問題ありません」としています
- 一方、この例外でつくったお酒は販売してはならないとされ(43条12項)、違反は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(56条1項4号)
- 国税庁は、無償で譲り受けたものであっても、有償で販売した場合には罰則の対象になるとしています
自家製ビールは「1度未満」に
- 国税庁のQ&Aは、「手造り麦芽飲料用」の缶入り(いわゆるビールキット)で自家製ビールをつくることについて、つくったものがアルコール分1度以上の飲料になる場合は酒類製造免許が必要だとしています
- ビールの製造免許は、年間の製造見込数量が60キロリットルに達しないと受けられない(7条2項)ため、国税庁は、取扱説明書の注意書に沿ってアルコール分1度未満となるようにしてください、と案内しています
お店の自家製果実酒には別の特例
- 国税庁のQ&Aによると、酒場・料理店などお酒をその店で飲ませる業を営む人が、店内で飲ませるために店内で混和する場合は、2008年(平成20年)4月30日から特例があります(租税特別措置法87条の8)
- 使えるのは蒸留酒類でアルコール分20度以上・課税済みのもの、混ぜてはいけない物は個人の場合と同じで、使える蒸留酒類は営業場ごとに1年間で1キロリットル以内。混和を始める日の前日までに税務署長へ「特例適用混和の開始申告書」を出し、使った量を記帳します
- この特例は店で飲ませるためのもので、お土産として販売するなどの譲り渡しはできないとされています

自分で飲むための梅酒は、20度以上・課税済みのお酒に、米・麦・ぶどうなど以外を漬ける場合に限って例外です。無償でふるまうのはよいですが、販売はできません。
まとめ
- お酒に物を混ぜると、原則は「新たに酒類を製造した」とみなされる(酒税法43条1項)。無免許の製造は10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 自分で飲むためなら、20度以上・課税済みのお酒に、米・麦・ぶどう・酒類など以外を漬けるのは例外(43条11項)
- 友人に無償でふるまう・贈るのは問題ないが、販売は禁止(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)
- お祭りやイベントでお酒を売るときのルールはイベントでお酒を売る記事、フリマアプリでのお酒の出品はフリマで売ると違反になりうるもので
参考文献
- 酒税法(昭和28年法律第6号)第2条、第7条、第43条、第54条、第56条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000006 (閲覧日:2026年10月22日)
- 酒税法施行令(昭和37年政令第97号)第50条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/337CO0000000097 (閲覧日:2026年10月22日)
- 国税庁. お酒に関するQ&A(よくある質問)【自家醸造】 Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。. https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm (閲覧日:2026年10月22日)
- 国税庁. お酒に関するQ&A(よくある質問)【自家醸造】 Q2 消費者が自ら飲むために作った梅酒を、例えばホームパーティーに友人を招いて無償でふるまうことに問題はありますか。. https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/35.htm (閲覧日:2026年10月22日)
- 国税庁. お酒に関するQ&A(よくある質問)【自家醸造】 Q3 「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。. https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/34.htm (閲覧日:2026年10月22日)
- 国税庁. お酒に関するQ&A(よくある質問)【自家醸造】 Q2 旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか。また、何か手続きは必要ですか。. https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/33.htm (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。