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メル美「カジノバー」って看板、ときどき見かけるよね。ディーラーがいてルーレットもあるけど、あれは合法なの?

プレ男先輩に「チップを現金に換えてくれる店がある」って誘われたことがあるんだ。それって同じ店なのかな。
今回は、闇カジノと、お金を賭けない「アミューズメントカジノ」のちがいです。刑法と風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の条文(e-Gov法令検索)、最高裁判所の判決(裁判所ウェブサイトの原文)、警察庁の「風営法等の解釈運用基準」(2026年7月1日)で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。違法な賭博の店に誘われた、トラブルになったときは、110番か警察相談専用電話 #9110 へ。
店を開いて賭けさせる:賭博場開張図利罪
| 誰が | 罪 | 刑 |
|---|---|---|
| 賭博場を開いて利益を図った人 | 賭博場開張図利罪(刑法186条2項) | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| くり返し賭けた人 | 常習賭博罪(186条1項) | 3年以下の拘禁刑 |
| 賭けた客 | 賭博罪(185条) | 50万円以下の罰金または科料 |
- 186条2項は「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する」と定めています。罰金はなく、拘禁刑だけです
- 客の側も、185条の賭博罪にあたりえます。ただし書(「一時の娯楽に供する物」を賭けたにとどまるとき)の考え方は賭けマージャンの記事で
最高裁 大法廷:胴元は「自ら財物を喪失する危険を負担することなく」利を図る
- 最高裁判所 大法廷 昭和25年11月22日 判決(刑集4巻11号2380頁)は、賭場開張図利罪の規定は憲法13条に違反しないとしました
- 判決は、賭場開張図利罪について「自ら財物を喪失する危険を負担することなく、専ら他人の行う賭博を開催して利を図るものであるから、単純賭博を罰しない外国の立法例においてもこれを禁止するを普通とする」と述べています
- また、国や都道府県が競馬・競輪・宝くじを行っていることだけから、国家が賭場開張図利や富くじの罪を公認したとはいえない、としています

プレ男店側は罰金なしで最低でも3か月の拘禁刑。客だけじゃなく、店で働く人にとっても重いね。
お金を賭けない「アミューズメントカジノ」は風営法の営業
- 風営法2条1項5号は、スロットマシン、テレビゲーム機など、本来の用途以外に射幸心をそそるおそれのある遊技に使える遊技設備を備えて、客に遊技させる営業を「風俗営業」としています(いわゆるゲームセンター等)
- 警察庁の解釈運用基準は、この遊技設備に、ルーレット台、トランプおよびトランプ台など、ルーレットやトランプの遊技に使う設備のほか、賭博に用いられる可能性がある花札・サイコロなどを使って優劣を争わせる設備も含まれると説明しています
- つまり、ルーレットやトランプ台を置いて遊ばせる店は、公安委員会の許可を受けた風俗営業として営むことになります(無許可の風俗営業は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方。49条1号)
- 18歳未満は、この種類の店に午後10時から翌日午前6時まで客として立ち入らせてはいけません(22条1項5号)
アミューズメントカジノは「勝ち負けに応じた賞品」も禁止
| ルール | 条文 | 違反したとき |
|---|---|---|
| ゲームセンター等の営業者は、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない | 風営法23条2項 | 6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または両方(53条4号) |
| 遊技に使うメダルなどを店の外に持ち出させてはならない、預かったことを示す書面を出してはならない | 23条3項(1項3号・4号を準用) | 50万円以下の罰金(55条4号) |
- 警察庁の解釈運用基準は、ゲームセンター等の営業者が、遊技の結果獲得した得点などを電磁的方法で記録した媒体を発行・交付することは、23条3項で準用される1項4号に違反するとしています
- 例外として、クレーン式遊技機などで、クレーンで釣り上げるなどした小売価格おおむね1,000円以下の物品を提供することは、「遊技の結果に応じて賞品を提供」にはあたらないものとして扱う、としています

メル美チップを現金や景品に換えてくれる、という時点で、アミューズメントカジノのルールの外なんだね。
店の許可があっても、賭けさせれば賭博
- 最高裁判所 昭和28年11月10日 判決(刑集7巻11号2067頁)は、公安委員会の許可を受けて「色合せ」という遊戯の営業をしていた人が、許可の条件をまったく無視した方法で営業した事件です
- 判決の要旨は、そのような営業は、許可によって「一時の娯楽に供する物を賭ける場合に当る」という性質を失い、単に許可条件に違反したという風俗営業取締法違反の限界を越え、純然たる賭博行為と認められるとして、常習賭博罪の成立を認めました

賭博場を開いて利益を図れば、3月以上5年以下の拘禁刑。お金を賭けないアミューズメントカジノでも、遊技の結果に応じて賞品を出すことは風営法で禁止されています。
まとめ
- 店を開いて客に賭けさせれば賭博場開張図利罪(刑法186条2項、3月以上5年以下の拘禁刑)。客も賭博罪(185条)にあたりうる
- 最高裁 大法廷(昭和25年11月22日)は、この規定は憲法に違反しないとした
- ルーレットやトランプ台の店は風営法2条1項5号の風俗営業。遊技の結果に応じた賞品の提供は禁止(23条2項)
- ネットでの賭博はオンラインカジノの記事、パチンコの景品のルールはパチンコの記事、日本にできる予定の合法のカジノはIR(統合型リゾート)の記事で
参考文献
- 刑法(明治40年法律第45号)第185条、第186条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条、第3条、第22条、第23条、第49条、第53条、第55条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122 (閲覧日:2026年10月22日)
- 最高裁判所大法廷 昭和25年11月22日 判決(刑集4巻11号2380頁). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/54521/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 最高裁判所第三小法廷 昭和28年11月10日 判決(刑集7巻11号2067頁). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/55703/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁生活安全局長. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)(令和8年7月1日). https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoantsutatu2/R080701kaisiyaku.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁. 令和2年版 警察白書 第2章第3節 第3項 相談業務の充実強化(警察相談専用電話「#9110」). https://www.npa.go.jp/hakusyo/r02/honbun/html/w2233000.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。