
プレ男彼女と観に行く映画、エンドロールのあとにおまけ映像があるらしいんだ。記念に10秒だけスマホで撮って、自分で見返すだけならいいよね?

メル美映画館での撮影は、「自分で見るだけ」でもダメっていう法律があるみたい。
今回は、映画の盗撮の防止に関する法律(映画盗撮防止法)です。この法律と著作権法の条文(e-Gov法令検索)の原文で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。
「映画の盗撮」とは(2条)
| 用語 | 条文の定義 |
|---|---|
| 映画館等 | 映画館その他、不特定または多数の人に映画を上映する会場で、上映を主催する者が入場を管理しているもの(2条2号) |
| 映画 | 映画館等で観衆から料金を受けて上映される映画(有料上映に先立って料金を受けずに上映されるものを含み、著作権の目的となっているものに限る)(2条3号) |
| 映画の盗撮 | 映画の影像の録画または音声の録音をすること(著作権者の許諾を得てする場合を除く)(2条3号) |
- 映像だけでなく、音声の録音も「映画の盗撮」にあたります
「自分で見るだけ」でもダメ(4条1項)
- ふつう、著作物は、個人的にまたは家庭内などの限られた範囲で使う目的(私的使用)なら、使う本人が複製できます(著作権法30条1項)
- しかし映画盗撮防止法4条1項は、映画の盗撮には著作権法30条1項を適用しないと定めています。つまり、映画館での録画・録音は、自分で見返すだけのつもりでも、私的複製として許されません
- そのうえで、映画の盗撮をした人には、著作権法119条1項の罰則が適用されます

プレ男家でテレビを録画するのとは、ちがう扱いなんだ…。
罰則(著作権法119条1項)
- 著作権を侵害した者は、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する(著作権法119条1項)
- 著作権法119条1項の罪は、原則として告訴がなければ公訴を提起できない(親告罪)と定められています(著作権法123条1項)。ただし、対価を得る目的などで、有償の著作物を原作のまま公衆送信(ネットへのアップロードなど)したり、そのために複製したりして犯した119条1項の罪は、一定の場合に告訴がなくても起訴できます(同条2項)
対象は「最初の有料上映から8か月」まで(4条2項)
- 4条1項の特例は、最初に日本国内の映画館等で観衆から料金を受けて上映された日から8か月を過ぎた映画の盗撮には適用されません(4条2項)
- 8か月を過ぎた映画でも、著作権そのものがなくなるわけではありません。撮ったものをネットにアップロードすれば、著作権の侵害になりうることはマンガやアニメの無断アップロードの記事で

映画館での録画・録音は、自分で見るだけのつもりでも、著作権法の私的使用の複製として扱われません(映画盗撮防止法4条1項)。
映画館の努力義務(3条)
- 映画館等で上映を主催する者その他、映画産業の関係事業者は、映画の盗撮を防止するための措置を講ずるよう努めなければならないと定められています(3条)
- 法律の目的は、映画館等での盗撮によって複製物がつくられ、多数流通して映画産業に多大な被害が出ていることをふまえ、盗撮を防ぎ、映画文化の振興と映画産業の健全な発展に寄与することです(1条)
施行
- 映画盗撮防止法は、2007年(平成19年)5月30日に公布され、附則で「公布の日から起算して三月を経過した日から施行する」と定められています
相談先
- 著作権全般の質問は、文化庁が「著作権に関するお問い合わせ先」で案内している公益社団法人著作権情報センター(CRIC)の著作権テレホンガイド(03-5333-0393)へ
まとめ
- 映画館等で有料上映される映画(先行する無料上映を含む)を、許諾なく録画・録音するのが「映画の盗撮」(2条)
- 映画の盗撮には私的使用の複製(著作権法30条1項)が適用されない(4条1項)
- 罰則は著作権法119条1項の10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または両方
- 特例の対象は、国内で最初に有料上映された日から8か月まで(4条2項)
- 他人の写真や文章をSNSに載せるときのルールは引用と著作権、人の写真を勝手に載せる話は肖像権とSNSの記事で
参考文献
- 映画の盗撮の防止に関する法律(平成19年法律第65号)第1条〜第4条、附則. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC1000000065 (閲覧日:2026年10月22日)
- 著作権法(昭和45年法律第48号)第30条、第119条、第123条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048 (閲覧日:2026年10月22日)
- 文化庁. 著作権に関するお問い合わせ先. https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/93726502.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。