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メル美カフェのバイトに受かったんだけど、店長に「時給とかシフトはあとで決めよう」って言われて、何も紙をもらってないの。

プレ男おれも前のバイト、口約束だけだったな。働く条件って、紙でもらうものなの?
今回は、労働条件の明示です。労働基準法と労働基準法施行規則の条文(e-Gov法令検索)、厚生労働省のリーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」(2024年9月)の原文で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。困ったら、下の「相談先」へ。
明示の義務(労働基準法15条1項)
- 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません。賃金・労働時間などの厚生労働省令で定める事項は、厚生労働省令で定める方法で明示しなければなりません(15条1項)
- 労働基準法の「労働者」は、職業の種類を問わず、事業に使用され賃金を支払われる者です(9条)。呼び名がアルバイトやパートでも、この定義にあたれば対象です
- 使用者は、明示する労働条件を事実と異なるものとしてはならない(施行規則5条2項)
必ず明示する事項(施行規則5条1項)
| 区分 | 事項 |
|---|---|
| 書面で明示する事項(昇給を除く) | ①労働契約の期間/②有期契約を更新する場合の基準(通算契約期間・更新回数に上限があればその上限)/③就業の場所と従事すべき業務(変更の範囲を含む)/④始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(残業)の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制の就業時転換/⑤賃金の決定・計算・支払の方法、締切り・支払の時期(昇給も明示は必要)/⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む) |
| 定めをする場合に明示する事項 | 退職手当、臨時の賃金・賞与・最低賃金額、労働者に負担させる食費や作業用品、安全・衛生、職業訓練、災害補償、表彰・制裁、休職 |
- ②は、更新する場合がある有期契約を結ぶときに限ります(施行規則5条1項ただし書)
- 書面で明示する事項は、①〜⑥(昇給に関する事項を除く)です(施行規則5条3項)
「書面」の範囲(施行規則5条4項)
- 原則は書面の交付です
- ただし、労働者が希望した場合には、①FAX、②電子メールなど(受信者を特定して送るもので、労働者が記録を出力して書面をつくれるものに限る)で明示することができます

メル美時給やシフトの時間は「書面で明示する事項」だから、「あとで」じゃなく、紙かメールでもらえばいいんだね。
2024年4月からの追加(厚生労働省)
| 明示のタイミング | 追加された事項 |
|---|---|
| すべての労働契約の締結時と有期契約の更新時 | 就業場所・業務の変更の範囲(将来の配置転換などで変わりうる範囲) |
| 有期契約の締結時と更新時 | 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容。最初の契約より後に上限を新設・短縮するときは、その理由をあらかじめ説明することが必要 |
| 無期転換申込権が発生する契約の更新時 | 無期転換を申し込めること(無期転換申込機会)と、無期転換後の労働条件 |
- 無期転換ルールは、同じ使用者との有期労働契約が通算5年を超えるとき、労働者の申込みで期間の定めのない契約に転換する制度です(厚生労働省)
条件がちがったら(15条2項・3項)
- 明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できます(15条2項)
- そのとき、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません(15条3項)

明示された労働条件が事実とちがうときは、労働者はすぐに労働契約を解除できます(労働基準法15条2項)。
罰則(120条)
- 15条1項(明示の義務)や3項(旅費の負担)に違反した者は、30万円以下の罰金(120条1号)
相談先
- 総合労働相談コーナー(厚生労働省):各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などに設置。予約不要・無料で、学生・就活生の相談も受けます。法律に違反の疑いがある場合は、労働基準監督署など行政指導の権限を持つ部署に取り次ぎます
まとめ
- 会社は、働く契約を結ぶときに労働条件を明示する義務(労働基準法15条1項)
- 契約期間、就業場所と業務(変更の範囲も)、始業・終業・残業・休憩・休日・休暇、賃金、退職(解雇の事由も)は、原則として書面(希望すればFAX・メール)で(施行規則5条)
- 2024年4月から、変更の範囲、更新上限、無期転換の申込み機会と転換後の条件も明示事項に
- 示された条件が事実とちがえば、すぐに契約を解除できる(15条2項)
- 時給の下限は最低賃金、休憩のルールは休憩時間、内定の取消しは内定取消しの記事で
参考文献
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条、第15条、第120条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (閲覧日:2026年10月22日)
- 労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第5条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました(リーフレット、2024年9月). https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001298245.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 総合労働相談コーナーのご案内. https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。