
メル美同期の子が「潰瘍性大腸炎」って診断されたんだって。若くてもなる病気なの?

プレ男難病って聞いたことがある。仕事は続けられるのかな。ぼくも下痢が続くことがあって、ちょっと心配…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎とクローン病)の話です。日本消化器病学会の「患者さんとご家族のための炎症性腸疾患(IBD)ガイド2023」をもとにまとめました。
どんな病気?
- 炎症性腸疾患(IBD)は、ふつう「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを指します
- どちらも原因ははっきりわかっていませんが、遺伝、環境、腸内細菌の異常などが関わって、体の中で免疫の異常が起こると考えられています。欧米型の食生活も関係していると考えられています
- 若い人に多く、日本では1990年代以降に急増。潰瘍性大腸炎は20万人(米国に次いで世界で2番目に多い)、クローン病は7万人以上の患者がいます
- 長く治療が必要な慢性の病気で、悪い時期(再燃期)と落ち着いている時期(寛解期)をくり返します。どちらも、医療費の一部を国が補助する難病に指定されています
| 潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
|---|---|---|
| 炎症の場所 | 原則として大腸だけ | 口から肛門までどこにでも(とくに小腸と大腸) |
| 多い症状 | 血便(粘血便)・下痢 | 下痢・腹痛、発熱、体重減少、貧血 |
| 特徴 | すぐトイレに行かないと間に合わない、出たあとも残便感 | 肛門に痔ろう(うみが出る穴をともなう痔)をよく合併 |
- どちらも、発熱・だるさ、口内炎、目や皮膚の炎症、関節の痛みなど、腸以外の症状が出ることもあります

メル美潰瘍性大腸炎は20万人もいるんだ。若い人に多いんだね。
こんなときは受診を
- 下痢、血便、腹痛、体重減少、発熱など、IBDが疑われる症状があるときは、医療機関を受診して早く診断を受けることが大切です
- 診断には大腸の内視鏡検査などを行います。食中毒の細菌や結核、アメーバ赤痢などの感染による腸炎や、解熱鎮痛薬などの薬による腸炎と区別するため、便の検査や、飲んでいる薬の確認もします

下痢や血便、腹痛、体重減少、発熱が続くときは、早めに受診して診断を受けましょう。炎症性腸疾患は、薬で症状をコントロールできる人が多くなっています。
- 検査で腸に異常がないのに、おなかの痛みと便通の異常が続くときは過敏性腸症候群(IBS)のことがあります
治療と暮らし
- 最近は有効な薬が数多く出てきて、症状をコントロールできる人が多くなりました。潰瘍性大腸炎では、5-ASA製剤が中心で、効果が足りないときはステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤などを使います
- 落ち着いている時期も、再燃しないように治療を続けることが大切です。飲み忘れや自己判断での中断は、再燃の原因になります。定期的な通院が欠かせません
- 生活で過度な制限は必要ありません。寛解期は、ストレスや疲れをためすぎない、暴飲暴食をしない。活動期は、十分な睡眠・休養をとり、消化の悪い繊維の多い食品、脂っこい食品、香辛料、お酒は避けたほうがよいとされています
- クローン病では、喫煙が入院や手術のリスクを高めることがわかっており、禁煙が強くすすめられます
仕事・学校・妊娠
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寛解期は、仕事や学校は健康な人と変わりなくできます。定期的な通院が必要なことは、学校や職場に伝えておくとよいでしょう
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働きにくさがあるときは、両立支援の制度や難病相談支援センターなど、さまざまなサポートがあります。主治医や医療機関の患者相談窓口、地域の難病相談支援センターに相談できます
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状態が落ち着いていれば、適度な運動もできます。プロのスポーツ選手やオリンピックのメダリストにも患者さんがいます
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結婚、妊娠、出産も可能です。妊娠は寛解期が望ましく、薬や病状が影響することもあるので、妊娠を希望するとき・わかったときは主治医に伝えましょう
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長く続く出血で貧血になることもあります。健診の貧血と鉄の記事もどうぞ

プレ男治療を続ければ、仕事も運動もできるんだね。ぼくも下痢が続くなら、早めに病院に行くよ。
まとめ
- 潰瘍性大腸炎(大腸、血便・下痢)とクローン病(口から肛門まで、下痢・腹痛・痔ろう)
- 若い人に多く、日本では潰瘍性大腸炎20万人、クローン病7万人以上
- 下痢・血便・腹痛・体重減少・発熱が続けば早く受診
- 薬でコントロールできる人が多い。落ち着いていても治療を続ける
- 寛解期は仕事・学校・運動・結婚・出産も可能。クローン病は禁煙を
参考文献
- 日本消化器病学会(協力:日本消化管学会、日本大腸肛門病学会、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班). 患者さんとご家族のための炎症性腸疾患(IBD)ガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/ibd_2023.pdf (閲覧日:2026年10月6日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。